ドラクエ未プレイの記者が見た「ドラクエウォーク」 「位置情報×RPG×ガチャ」は受け入れられるか

9月12日(木)23時16分 ITmedia NEWS

9月12日配信開始の「ドラクエウォーク」

写真を拡大

 スクウェア・エニックスのスマートフォンゲーム「ドラクエウォーク」(iOS/Android)の正式サービスが始まった。米Nianticの人気スマートフォンゲーム「Pokemon GO」などと同様に位置情報を活用するゲームとなっており、「ドラクエ×位置情報」というコンセプトが注目されている。
 位置情報活用の前例である「Pokemon GO」は既存のポケモンプレイヤーだけではなく、ポケモンに触れたことがなかった中高年層などにも「散歩を促進する健康アプリ」として広く受け入れられたのが印象深い。
 ドラクエウォークはどうだろうか。ところで、記者はドラクエシリーズに全く触れたことがない。いち「ドラクエ知らないユーザー」としてこのゲームに触れるのにうってつけの立場だといえる。
 記者はドラクエシリーズには触ってこなかった一方で、ポケモンシリーズや「Pokemon GO」にはどっぷりと浸かってきた。
 そんなドラクエ未プレイ勢の立場から、ドラクエウォークをレビューする。先にドラクエウォークを一言で表すなら、「リアルの地図を舞台にした王道のRPG」だと記者は感じた。「位置情報」「RPG」「ガチャ」という要素を持つこのゲームが、Pokemon GOのように広く受け入れられていくのかを考えていく。
●要するに「勇者が魔王を倒しに行く」ゲーム
 ゲームの冒頭では、「世界が悪い力に包まれそうになってるから、お前が頑張ってくれよな」(意訳)と女神から言われ、道案内をしてくれる味方のスライム「スラミチ」とともに冒険を始めることになる。日本的なRPGの王道である、「魔王を討つ勇者」の構図だ。
 ゲーム内容も、やるべきことはいわゆる「ロールプレイングゲーム」と考えると飲み込みやすい。地図上にモンスターが現れて戦う、というのはPokemon GOっぽくもある(ポケGOではバトルではなく捕獲)が、実際の対戦画面はターン制バトルとなっており、これまた「RPG的」だ。
 また、プレイヤー自身で次の目的地を決め、その場所へ向かうとストーリーが進んでいく。目的地では強い敵モンスターとバトルし、勝てば(そして必要なアイテムがあれば)次のストーリーが開放される、という仕組みだ。
 次にやるべきことが明快というのは、時に「お使いゲーム」と揶揄されることもあるが、多かれ少なかれ日本のRPGがプレイヤーに道筋を示すために使ってきた設計だ。
 ドラクエを知るプレイヤーはもちろん、知らないプレイヤーでも「次はこれをしたらいいんだな」と分かりやすいのはゲームを続けやすいポイントになるのではないだろうか。
●遊ぶ上で移動は必須 ガチャ要素あり 「リセマラきつい」の声も
 おそらく、これは「歩くことでストーリーが進むRPG」だ。ゲームシステムの根幹はあくまでRPGで、それをリアルの世界へ持ち込むために「地図と位置情報」を活用しているように感じる。
 今までのRPGでは主人公を十字キーで歩かせていたが、ドラクエウォークではまさしく自分自身の動きがゲーム内の動きに対応する、というと分かりやすいだろうか。
 逆に言えば、歩かなければ進まない。これが理由で、ネット上では「リセマラがきつい」という声も聞こえている。
 リセマラ(リセットマラソン)とは、チュートリアルで得られる「石」を使ってガチャを行い、良いアイテムが出なければゲームリセット、再びチュートリアルをこなしてガチャ……を繰り返す行為だ。時間さえかければ課金せず、高レアなアイテムをゲットしてゲームを進められることから、ガチャ要素のあるゲームでリセマラをするプレイヤーは少なくない。
 ドラクエウォークではチュートリアルをこなすのにある程度の移動が必須で、リセマラの1サイクルには数十分かかることになる。時間に加えて体力まで使うことになるため、リセマラは簡単とはいえない仕様だ。
●地名表示は消せる 全自動モードで「歩きスマホ」も抑止
 ドラクエウォークのβ版から賛否両論あったのが、マップ上の「地名表示」だ。ドラクエウォークのマップデータはGoogleマップを利用しているのだが、そのためかデフォルトでは主要な建物や道路などの名前がマップ上に表示されている。
 地名表示があると自分が今どこにいるのか把握しやすくなる一方、スクリーンショットをSNSなどに共有した際には不特定多数へ自身の位置情報を公開してしまうことにもつながる。
 正式リリース版のドラクエウォークでは地名表示をオフにできるようになっているため、もしスクリーンショットなどを撮る場合には設定から変更するといい。
全自動の「WALKモード」が便利
 位置情報ゲームの批判でよく指摘されるのが「歩きスマホ」だ。スマホでマップを見ながらモンスターを探したりするため、前方への注意がおそろかになってしまう場合がある。
 ドラクエウォークでは「WALKモード」という機能をオンにすると、歩いている際にスマホの画面を見る必要性が下がる。自身の位置の半径数十メートル以内にモンスターが出現すると、自動でバトルに入り、バトル自体もオートで完了するからだ。バトルではダメージを受けることもあるが、このモードでは回復アイテムも自動取得してくれる。
 Pokemon GOも同じような機能を持つが、「Pokemon GO Plus」という追加のデバイスが必要になる。アプリ単体で全自動モードを利用できるのは、Pokemon GOにはないドラクエウォークのメリットだ。
 目的地の位置などを確認するためには当然マップを見る必要はあるが、それ以外では目を離していても勝手にレベル上げが進んでいく。
 スマホを逆さにすると画面が暗転する「バッテリーセーバー」機能も備えるので、長時間歩き回る際などにはWALKモードとバッテリーセーバー機能を使うことになるだろう。
●「位置情報×RPG×ガチャ」は受け入れられるか
 正直、ガチャについての評価はまだ難しい。Pokemon GOにはポケモンのタマゴをふ化させる「ふかそうち」などの道具に課金要素はあれど、「課金した分他人より明らかに強くなる」という仕様ではない。
 ドラクエウォークではガチャで高レアの武器を得るとバトルが有利に進んでいくため、「課金した分強くなる」仕様だといっていいだろう。
 課金の有利性はある程度はあっていいと思うが、そのバランスをどのように設計するかで、無課金プレイヤーの裾野の広さが変わってくるのではないだろうか。
 このバランスについては、複数人のプレイヤーで巨大な敵モンスターと戦う「メガモンスターバトル」(いわゆるレイドバトル)や、今後ストーリー展開が進んでいくにつれて評価が定まっていくものと思われる。
 少なくとも今は、チュートリアルガチャで出た武器を使えばモンスターに勝てる状況なので、ゲームシステム的につまづくことはあまりないだろう。
 位置情報性については、目的地の設定が柔軟なことから、日常的に外を歩いているのであればプレイ上のハードルにはなりにくそうだ。上述したようにWALKモードを用いればほとんど画面を見る必要もない。
 あとは、RPG自体を楽しめるかどうかだ。個人的には、他のRPGで触れてきたような日本的なRPGシステムのまさしく本流にやっと触れたようで感慨深くもある(なぜ今までドラクエシリーズをやってこなかったのかというツッコミは置いておくとして)。
 ドラクエシリーズの累計出荷・配信数は2018年時点で7600万本を超えたという。その系譜である王道RPGが、受け入れられない道理はないのではないか。

ITmedia NEWS

「ドラクエ」をもっと詳しく

「ドラクエ」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ