ローソン×三菱商事×KDDI、ローソンの「未来のコンビニ」に向けて始動

2024年9月18日(水)20時23分 マイナビニュース

三菱商事とKDDI、ローソンの3社は9月18日、合同で記者会見を開き、ローソンの「未来のコンビニ」への変革に向けた取り組みを開始すると発表した。
「新しいコンビニモデルの幕開けに」 - 三菱商事 中西社長
ローソンでは、新型コロナウイルス感染症拡大を契機に消費者の生活スタイルや消費行動、価値観が変化する中、デジタル技術を活用しつつニューノーマルへの対応を進めており、現代社会においてコンビニは食品や日用品を安定供給できる社会インフラとして欠かせない存在になっているという。
三菱商事は2000年の出資参画以降、20年以上にわたり、原料調達や製造物流などサプライチェーンの分野に加え、海外での幅広い事業ネットワークを活用し、ローソンを支援してきた。
三菱商事 代表取締役社長の中西勝也氏は「2000年にローソンに対する投資を決断できたのはローソンが小売業の枠組みを超えて、社会インフラとしての可能性を秘めていると確信を持ったからだ。来年にローソンは創業50周年を迎えるタイミングで、KDDIという新しいパートナーを迎え入れる。2019年の資本業務提携以降、ローソンを通じて着実に関係を深め、今では当社と同じようにローソンに対して小売業の枠を超えた可能性を感じてもらっている。テクノロジーや強固な顧客基盤を持つKDDIとともに、ローソンの成長を支え、生活者の方に新しい価値を提供することに挑戦する。今回の提携を未来への布石とし、新しいコンビニモデルの幕開けにしたいと考えている」と語った。
9月から出資比率は三菱商事が50%、KDDIが50%となり、共同経営体制に切り替わった。今後は加速する事業環境の変化に対応すべく、通信関連事業を基盤とした顧客接点と、デジタルを強みにさまざまなサービスを有するKDDIとの連携を強化し、三菱商事、KDDIの2社共同体制でローソンの変革を進めていく。
中西氏は、将来的に目指すローソンのコンセプトについて「ローソンの1万4000店の店舗網と1000万人の来店者、それらを支えるサプライチェーンといったリアルの価値にテクノロジーを掛け合わせた『Real Tech』という新しい価値を生み出し、ローソンがReal Techコンビニに進化していく。進化したローソンを核に地域社会とのつながりを強化し、ローソン、KDDI、三菱商事の3社の力を結集しつつ、各地域の社会課題に向き合う取り組みにも挑戦する」と意気込んだ。
一方、KDDI 代表取締役社長CEOの高橋誠氏は「当社として実現していきたいことはネットのショッピング体験をリアル店舗で実現する『新しい顧客体験』、人手不足を解消する『AIロボティクスによる店舗業務支援』、AI・データ活用による超速配送を行う『クイックコマース』、AI・有人による『リモート接客』、デジタルツインの活用をはじめとした『スタートアップとの協力』の5つだ」と話す。
3社の強みを生かした「Real Tech」の店舗へ
三菱商事とKDDIが2社が有する事業基盤やAI・DX(デジタルトランスフォーメーション)技術を活用することで「Real×Tech Convenience」の拡大を推進するとともに、自治体と連携して店舗と地域が抱える社会的課題を解決していくコンビニに変革し、「マチのほっとステーション」としての役割をさらに深化していくという。
ローソン 代表取締役社長の竹増貞信氏は「当社は2024年度に『Global Real × Tech Convenience LAWSON Groupへ』をスローガンに掲げており、店舗最適化など12テーマからなる3社協業のワーキンググループを立ち上げている」と述べた。
同氏は店舗DXとして、ロボティクスやデジタル化で2030年度に店舗オペレーションを30%削減するほか、本部DXとして本部・店舗のシステムを2028年度までに刷新し、あらゆる業務をデジタル化する。
店舗を通じた顧客体験も変革していく。2019年のKDDIとロイヤリティ マーケティングによる資本業務提携以降、三菱商事、KDDI、ローソンの3社は、ロイヤリティ マーケティングが展開する共通ポイント「Ponta」のネットワークによるPonta経済圏の拡大・活性化に向けて連携してきた。
今後、Ponta経済圏の活性化と利便性向上のため、KDDIは10月2日もクーポンやコンテンツのセットサービス「auスマートパスプレミアム」を「Pontaパス」へリニューアルし、サービス開始記念に伴う期間限定の特典付与をはじめ、ローソンでの買い物を楽しむためのサービスを提供していく。KDDIの高橋社長は「ポイント循環による経済圏を拡大していき、2000万会員を目指す」と強調した。
まずは、ローソンで利用できる無料・割引クーポンを週替わりでの提供やスマホ決済「au PAY」利用時にPontaポイント還元率を上乗せなどを可能としていく。さらに、KDDIのオンライン専用ブランド「povo」との連携として、ローソン来店時にデータ容量をチャージできる「povo Data Oasis」を年内に開始を予定し、店頭でのデータ専用eSIMを年度内に販売開始を予定している。
また、品揃え・在庫量の充実を図り、自動配送やドローン配送、リモートによる暮らしに関する相談なども受け付ける。竹増氏は「世界一成長する店舗、世界一お客さまから評価してもらえる店舗を目指す」と力を込めた。
来春に移転予定のKDDI本社に店舗を設置
こうした施策を進めるためにKDDIが2025年春をめどに本社の移転を予定している「TAKANAWA GATEWAY CITY」に、ローソンを2店舗(オフィスフロア、一般フロア)を開店。ここでは、実証を行うため各種の機能を導入し、「スマホレジ」として店舗内でのフリクションレス決済、スマートフォンを介した商品レコメンドを実施。
さらに、「AIサイネージ」はAIカメラを活用して来店客の属性や会員情報に合わせたおすすめ商品やキャンペーン情報の表示するほか、「店舗業務の最適化」として品出しや店内清掃、商品配送などの業務に対してロボットを活用。
「次世代リモート接客プラットフォーム」は、専門のスタッフなどによるリモート接客ブースを店内に設置し、開始時点では通信やでんき・ガスなど、生活インフラに関するお客さまからの相談に対応し、以降は対象サービスの拡大や、AIの活用も検討している。
将来的にはReal Techローソンを核に賛同企業や自治体などをパートナーとし、2030年には団地のリノベーションやローソンファームの併設、クリーンエネルギーの活用、商業施設、子ども向け施設、医療モール、自動運転バスなどを含めた「ハッピー ローソン・タウン」の実現を図る。
そして、地域の課題解決に向けて防災や交通など、自治体との連携を強化する。3社は9月18日にローソンを基軸とした防災・災害発生対処活動に関する協定を締結しており、災害発生時には被災地域のライフラインの早期復旧を図り、被災者の安心や生活支援に貢献するために、相互協力を実施するとともに、平常時から防災に関する協力体制を構築していく。
加えて、KDDIの提供するStarlink通信環境やドローンによる周辺パトロールや地域安全の強化、三菱商事とKDDIが事業会社を通じて提供するオンデマンド乗合交通(のるーと、mobi)との連携による移動支援など、地域の課題解決にも貢献していく方針だ。

マイナビニュース

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