立川市が給食費の公会計化に向けた実証実験 - 事務で約80%の削減効果

9月30日(木)8時50分 マイナビニュース

東京都立川市は、2021年5月17日〜2021年6月30日、給食費の公会計化に向けた実証実験を行った。これは、文部科学省が令和元年7月31日に発表した「学校給食費等の徴収に関する公会計化等の推進について」という通知に対応するためのものだ。
この中では、「地方公共団体における学校給食費の公会計化を促進し、保護者からの学校給食費の徴収・管理業務を地方公共団体が自らの業務として行うことにより、公立学校における学校給食費の徴収・管理に係る教員の業務負担を軽減する」と、公会計化の目的が示されている。
給食費の徴収に関する公会計化に向けては、文部科学省は「学校給食費徴収・管理に関するガイドライン」を作成し、公開しており、自治体はこれに沿って公会計化を進めていくことになる。
このガイドラインでは、学校給食費の公会計化におけるメリットを次のように記載している。
・学校給食費の徴収・管理業務を地方公共団体に集約すると、当該業務を行う専任職員の配置や債権管理部門との連携、督促業務の外部委託を通じて、業務の効率化を図ることが可能となる
・地方公共団体の財務会計システム等も活用可能となります。たとえば、学校給食費を管理するシステムを導入し、地方公共団体の財務会計システムと連携させることで、効率的に納付状況等を管理することができる
・各学校等で各々処理されていた食材等の購入に関する支払業務も、教育委員会事務局において一括して行うことが可能となり、学校給食の実施に関する業務も効率化することができる。
文部科学省では、学校給食費の公会計化の準備期間をおおむね2年程度に設定するのが標準的だとしている。
そして立川市では、この対応に向け今年の4月、「給食費管理システムの LGWAN 環境下でのクラウドシステム実証実験」の事業者を募集し、NTTファイナンスの提案が採用された。
「これまで給食費の管理は学校現場ですべて行っていました。教育委員会では業務に携わっていなかったので、どうすれば業務を集約でき、効率化するにはどうすればいいのかという点について相談を受けました。」と、NTTファイナンス ビリング事業本部 ビリングソリューション部 サービス開発部門 部門長 井上誠一氏は説明する。
NTTファイナンスが提案したのは、同社が2020年10月に提供を開始した、ユーザー情報や請求情報を管理し、定期的な料金の請求・回収業務を自動化するクラウドシステム「楽々クラウド決済サービス」を、総合行政ネットワーク(以下、「LGWAN」)環境下で利用するもので、実証実験では、徴収・管理業務の公会計化移行における技術的課題の抽出、業務要件等の明確化、コスト・業務効率化等についてダミーデータを使って検証した。
他市では通常のインターネット回線を利用しているところもあるが、立川市はセキュリティポリシー上、LGWAN(Local Government Wide Area Network)を利用することにしたという。
NTTファイナンスがLGWANを利用するのは初めてで、同社にとってもLGWANに接続するための実証実験という意味もあったという。
「新たにシステムを構築する必要がなく、初期費用の負担が少ないというのがメリットだと思います」と、NTTファイナンス ビリング事業本部 ビリングソリューション部 サービス開発部門 営業支援担当課長 市川英祐氏は「楽々クラウド決済サービス」を利用するメリットを語る。
「立川市は、公会計化によってどれくらいの効果が生まれるのか、システム化によってどれくらい効率化できるのか、われわれは、事務処理フローにしたがって操作を行った場合、楽々クラウド決済サービスがどれくらい効果を出せるのか、LGWAN上でシステムがきちんと動作するのかを確認しました」(井上氏)
実証実験の結果、各学校での給食費に関する事務で約80%、教育委員会の事務で約40%の削減効果が得られる見込みだという。
LGWAN接続についても、ログインから一連の動作検証を実施し、スムーズに利用できることを確認したという。
実証実験では、担当者間で情報を共有するためのメモ帳機能の要望もあり、汎用性もあることから、今後、機能として追加する方向で検討するという。
今後、立川市は今回の実証実験の結果を踏まえ、給食費の公会計化に向けたシステムの本格導入に向け検討を進めていく。
NTTファイナンスは、今回の実証実験でLGWAN環境でも利用できることが確認できたことから、「楽々クラウド決済サービス」を、自治体の情報セキュリティポリシー及びLGWAN環境に応じて、これまでの「インターネット接続タイプ」に加え、よりセキュアな「LGWAN接続タイプ」も提供する。
また、給食費だけではなく、PTA会費や教材費など、他の費用での徴収に関しても利用を進めていく考えだ。

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