ショップの来店予約が“取れない” 一体なぜ?

10月6日(日)13時5分 ITmedia Mobile

キャリアショップの来店予約はどう受け付けているのか?(写真はイメージです)

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 先日、インターネット上で「ドコモショップに解約の手続きの来店予約を行いたいのにできず、新規契約で予約を選べば行える。解約させたくないからといって、これはひどくないか?」という、あるユーザーの怒りの声が話題になりました。
 販売代理店にショップ運営を委託しているNTTドコモ自身は、「解約を受け付けないこと」「新規契約を優先するような設定を行うこと」を代理店に要請していないこと、当該代理店において来店予約システムの一部設定に誤りがあったことや、来店予約に対して特定の要件での来店を断るような運用を行わぬように代理店を指導したとのことです。
 長時間待たされることも多い携帯電話ショップですが、「解約」や「料金の支払い」といった、相談の必要のない手続きはすぐにしてほしいと考えるのは当然です。すぐに終わる手続きだからこそ、待たないために来店予約を活用したいと考えるのも自然なことです。筆者自身も、来店予約を活用しています。
 NTTドコモの説明では「設定の誤り」とされた本件。キャリアショップでは、実際にどのように来店予約を受け付けているのでしょうか。また、店頭で働くスタッフから見て、今回の報道はどのように映ったのでしょうか。
 今回は来店予約の仕組みと、それにまつわる販売スタッフの声を紹介します。
●来店予約の「枠」は決まっている
 当たり前ですが、ドコモショップに限らず、携帯電話ショップの「受付カウンター」と「出勤しているスタッフの人数」には限りがあります。そのため、その日に対応できる客の人数にも限界があります。
 また、ショップの来店について一部で予約制の拡大は行われましたが、“完全な”予約制の導入とはなっていません。そのため、“飛び入り”で来店する人のことを考えると、全てのカウンターとスタッフを予約枠に割り当てることは難しいでしょう。
 さらにいえば、ショップの立地によって、昼間に混雑するショップもあれば、夕方以降に混みあうショップもあります。
 ショップでは、受け付けカウンターや来店予約枠を以下の基準で設定します。
1. 用件別に必要な時間枠を予め設定する(例:端末購入は「2時間」、解約は「1時間」)
2. 1.で決めた枠を9時間の受付枠と店舗ごとのライン数(※)に当てはめる
※ 店舗にあるカウンター数や当日のスタッフの出勤予定人数やシフトを考慮して設定
 例えば、営業時間を「午前10時から午後7時まで」に設定しているショップでは、新規契約の予約が1組で2時間だとすると、9時間のラインに対して4件の新規契約と、残った1時間分で解約など他の業務(オーダー)の予約を受け付けられます。
 しかし、来店予約の枠は「15分単位」や「30分単位」で行っているため、あるラインに10時30分から4件連続で新規契約の予約が入ると、当該ラインの残り枠は、午後6時30分からの「30分」になってしまいます。ゆえに、30分より大きな時間枠を設定されている用件について来店予約を受け付けられなくなるのです。
 多くのショップでは「シフト勤務」を導入しています。そのため、以下のようなことが起こり得ます。
・毎日同じ人数が勤務しているわけではない
・時間帯によっても勤務している人数が変動する
 このようないった事情もあり、設定されるラインの数は日によって変わります。
 実際に店頭に立つスタッフの話では、新機種発売の時期など、特定の手続きで混雑が予想される時期には、予約枠の設定を変えるなどの対応も行っているとのこと。この仕組みが本当ならば、ドコモの「設定に誤りがあった」という説明もある程度は納得できます。
●来店予約について現場の声は?
 キャリアショップにおける来店予約について、複数の現役店員から話を聞いてみると、さまざまな意見が出てきました。
 ある店員からは、こんな声が。
 解約を受け付けると、事業者(キャリア)からの評価が下がってしまいます。 特に販売不振の続く店舗であれば、売った数に対しての解約した数が割合として大きくなってしまうのを避けるために、「システムの穴」を突いて、解約のために来店予約をするお客さまを減らそうと考えても不思議ではありません。
 ショップに課せられた、解約に対するペナルティへの同情とも取れます。
 一方、別のショップに勤める店員からはこんな意見やアドバイスが出ました。
 解約や料金の支払いなど手続きが簡単なものであれば、混雑している中でもすき間時間を使って(予約なしでも)優先的に対応できる場合があります。 もちろん、来店予約を使って頂いた方がお待たせする時間は短くて済みますが、簡単な手続きこそ立ち寄りやすい店舗で相談してみてほしいです。
 来店予約の枠は、当日に出勤するであろうスタッフの人数に対して設定しています。 しかし、慢性的に人手不足となっている店舗では、予約の枠を新たに用意するのも難しいので、かなり前もって予約をしてもらうしかありません。
 システム上では、当日予約を受け付けられません。また、システムの制約から受け付けできる余裕があっても「予約枠がない」と出てしまうことがあります。 このような場合は、電話で来店予約を承れることがあります。全部の店舗がそうであるとは限りませんが、オンライン予約できない場合は、一度電話して相談してみるのも手です。
 予約システムの問題点やショップが現在抱える課題を指摘しつつ、ユーザーへの理解を求めつつ、予約が取れない場合のアドバイスとも取れる話を聞けました。 ここまで来ると、「来店しなくてもできる手続きを増やせばよいのでは?」とも思うわけですが、店員からもその点を改善すべきだとするる声が上がりました。
 MVNOサービス(格安SIM)など、(契約業務全般を代行する)実店舗を持たない通信サービスでは、解約を含む一部の手続きがネットや電話で行えます。 MVNOサービスと大手キャリアのサービスは、どちらも法的には手続き時の説明義務は変わらないはずなのに、大手キャリアはキャリアショップに来店しないと(手続きを)行えないのは改善すべきです。来店客にもよくそう言われます。 もし、ネットでできる手続きが増えれば、スタッフ(店員)の負荷もお客さまの負荷も軽減できるはずです。
 筆者自身がショップの販売現場に立っていた時、長時間待たせてしまったお客さまからお叱りの言葉を受けたことは何度もあります。その度に、「事前予約を活用してほしい」とお伝えすることもありました。
 一方、現在はいちユーザーとして来店予約を使う立場ですが、その予約枠に融通が利かないことに不満を感じる1人でもあります。
 端末修理のネット受け付け対応など、店頭でないと行えない手続きは減ってきているものの、今回話として挙がったように、解約などいまだにネットではできない手続きもあります。もっとも、各種手続きをネットでもできることを知らない人も少なからずいて、知っていても自分でネット手続きをするのは不安だというユーザーも多くいます。
 ショップの事前予約はもっと活用されるべきです。しかし、本稿でも述べてきたように、手続きを受け付けることが店舗にとっての「リスク」や「デメリット」となりうる、現状のキャリアと代理店の関係や、“複雑な”料金やサービスによってオンライン手続きを煩雑に感じてしまうユーザー心理を改善していくような工夫も合わせて行わなければ、「宝の持ち腐れ」になってしまうのではないでしょうか。

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