スポーツデータ活用最前線 - NTT Com×データスタジアムの両社長が対談

10月8日(火)7時1分 マイナビニュース

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、10月3日と4日の2日間、都内のホテルで開催した「NTT Communications Forum 2019」において、データスタジアム 代表取締役社長 加藤善彦氏とNTTコミュニケーションズ 代表取締役社長 庄司哲也氏による「スポーツデータ利活用の最前線」と題した対談を行った。

データスタジアムは、スポーツ分野におけるデータの取得、分析、分析結果のコンテンツ化を行っている企業で、とくにスポーツの試合データや選手のパフォーマンスデータが主軸だという。同社は2001年創業だが、創業当時からサッカー、野球、ラクビー、バスケットボールのデータを扱い、最近は卓球やパラリンピック種目のほか、ゲートボールも分析の対象にし、20数種目のスポーツデータの分析を行っているという。

データスタジアム 代表取締役社長 加藤善彦氏は、「わが社のデータ活用領域は、勝つためのデータと観せるため/楽しむためのデータの2つがあります」と説明する。

勝つためのデータ活用には、サッカー向けの「Football BOX」というソリューションがあり、Jリーグの多くのクラブが利用し、データと映像をリンクしてチェックできるようになっているという。

一方、観せるためのデータ活用では、一般の人向けにデータを活用したエンターテインメントコンテンツを提供し、スポーツの楽しみ方を提案している。

NTTドコモが提供している、ライブ/トリーミングによる映像配信サービス「DAZN(ダゾーン)」 のJリーグ中継ではCGを提供し、データとグラフィックを融合させている。DAZNでは、選手の走行距離、速度、ヒートマップなどを中継向けに提供している。

NTT Comでは、ラクビーの国内トップリーグにおいて「ShiningArcs(シャイニングアークス)」というチームを持っており、練習中からGPSを身につけ、運動量がリアルタイムでわかるような仕組みを取り入れている。

同チームにおけるデータ活用について、NTTコミュニケーションズ 代表取締役社長 庄司哲也氏は、「選手のデータがデジタルデータによって管理されており、オーバーワークになると、休憩やインターバルを取るように指導するなど、コンディション調整に利用しています。また、試合中のメンバー交代のタイミングを図る際にも利用しています。GPSで得られるデータは限られているので、対戦相手の分析は試合のビデオを分析に頼っています、われわれは過去の映像をディープラーングで学習させて、相手の選手の特性して把握しています。それによって、対戦相手の強点、弱点を分析して試合に臨んでいます。さらに、NTT研究所の映像伝送技術のKirari!を使って、ラクビーのスクラムを、加速度センサーによって、個人とチームの力の方向を分析して、ベクトルの方向をあわせ、相手のスクラムの力を分散させるようにしています」と説明した。

観せるためのデータ活用については、同社は今年5月、鹿島アントラーズとヴィッセル神戸のパブリックビューイングにおいて、リアルタイムでスタジアムを再現し、4K映像とKirari!ワイドでピッチ全体が見渡せるようにしたという。Kirari!ワイドは米国でも利用されており、大リーグにも提供するべく、パートナーシップを締結している。

「Kirari!は球場全体と個別選手の映像を組み合わせることができるため、観せるためのテクニックになります」(庄司氏)

ただ、庄司氏は、ラクビーにおける魅せるためのデータ活用はまだまだだと指摘し、次のように語った。

「野球やサッカーの試合では統計データが表示されますが、ラグビーの試合では実現されていません。今回のラクビーワールドカップの試合を観にいきましたが、会場ではプレーに関する解説が一切なく、おもしろくありません。中継されているテレビの情報を見たりしていますが、今後はこういったものを複合的に提供していくべきだと思います」(庄司氏)

そして、同社が考えるラグビーの試合でのデータ活用のイメージを紹介した。

加藤氏は、観せるためのデータ活用について、「視聴者も観るための手がかりが必要で、データはそういったものの接点になると思います。情報を確認しながら中継を観るのは、今後の視聴者にマッチした流れになると思います」と述べた。

そして、データ活用の意味について、「いままで見えなかったものを可視化できるのがデータの価値だと思います。さらに、データが関係者の共通言語になるということがポイントだと思います。コーチが選手に説明するときに言葉で伝えるよりも、伝わりやすく、外国人選手とのコミュニケーションもやりやすくなると思います。ヨーロッパのサッカー界は早くからデータを活用していますが、多国籍の人が集まっているなかで、共通言語として、データが位置づけられています」と指摘した。

大リーグのある日本人選手がケガをしたき、ケガの前と後でデータをチェックしたところ、変化球の回転数が明らかに異なっていたという。

「ケガの予兆は出ていました」と、加藤氏は、ケガの予防でも十分活用できると説明した。

そして庄司氏は最後に、こういったデータ活用のメリットを多くの人に理解してもらう必要性を指摘し、「今後は、データ活用の魅力をどんどん伝えていきたいと思います」と語った。

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