トキソプラズマを駆逐する新たな化合物を発見 帯広畜産大などの研究

10月8日(火)8時23分 財経新聞

トキソプラズマの電子顕微鏡像。MCFの添加により原虫の死滅が確認された。(画像:帯広畜産大学発表資料より)

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 ヒトに感染する原虫トキソプラズマの治療薬になりうる化合物が発見された。帯広畜産大学原虫病研究センター西川義文教授、微生物化学研究所の二瓶浩一上級研究員、飯島正富上級研究員らの研究グループによるものである。

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 トキソプラズマは、ほぼすべての哺乳類と鳥類に感染する能力を持った寄生性原生生物である。あらゆる原虫の中でもっとも感染者数が多いもので、その数は全人類の3分の1ほどに及ぶと考えられている。日本でも国民の2割ほどが常時感染している。ただし、一度感染すると抗体ができる。

 ヒトの場合一般の健常者ではほとんど症状などは出ないのだが、HIVなどの免疫疾患の患者にはトキソプラズマ性脳炎などの重篤な症状をもたらすほか、特に知られているのが妊婦への害である。

 妊娠中の女性がトキソプラズマに感染すると、先天性トキソプラズマ症によって死産、流産、産児の精神遅滞、視力障害、脳性麻痺などがもたらされることがある。この疾患の感染者は、日本国内で年間数百人程度と推計されている。

 トキソプラズマの治療薬は既に2つほど開発されており、パラアミノ安息香酸や葉酸の代謝を阻害することで効果を発揮するのだが、副作用が大きいという問題がある。そこで、新しい治療薬が求められていた。

 今回発見された化合物は、Metacytofilin(MCF)という。メタリジウムという菌類から分離・精製されたもので、細胞内に寄生するトキソプラズマだけでなく、細胞外で生存するトキソプラズマに対しても殺滅作用を発揮するという。

 詳しく分析したところ、MCFは直接トキソプラズマ原虫の代謝に作用し、効果を発揮していたとのことである。

 研究の詳細は、アメリカの科学誌The Journal of Infectious Diseasesのオンライン版で公開されている。

財経新聞

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