ヨーロッパにしか植生しない樹種、その半数以上が絶滅の危機

10月12日(土)19時0分 GIZMODO


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Photo: Jean Mottershead/Flickr
セイヨウトチノキ
他の大陸の状況も気になります。

ヨーロッパ固有の樹種の半数以上が絶滅の危機に瀕していることが、最新の評価報告書で明らかになりました。

ほかの生命や経済にも影響を与える先週、国際自然保護連合(IUCN)はヨーロッパにおける樹木のレッドリストを公開。ヨーロッパの在来種454種のうち、5分の2がヨーロッパ地域において絶滅危惧種となっていました。また一方で、ヨーロッパ固有の種を見てみると、主に侵入種や害虫のせいで58%が絶滅の危機に瀕していたのです。そのうち15%が絶滅にもっとも近い、近絶滅種とされていました。

「ヨーロッパ固有種の半分以上が今、絶滅の危機に瀕しているというのは憂慮すべきこと」だとIUCNレッドリストユニットを率いるCraig Hilton-Taylor氏は声明の中で述べています。「樹木は地球の生命に不可欠であって、それぞれが変化に富むヨーロッパの木々は、鳥やリスのような無数の動物種の食糧源と住まいであり、重要な経済的な役割を果たす」と語っています。

害虫と人間の活動で消えてしまうかも危機に瀕している樹木には以下のような種類があります。Heberdenia excelsaはスペインとポルトガルの諸島で育つ低木で、山火事と人間による使用のせいで深刻な生息域の減少に直面しています。Sorbus albensisは橙赤色の実をつける低木で、チェコ共和国の北ボヘミア地域の変化しつつある森林では成長しにくくなっています。そしてSerbian Spruceは、ボスニア・ヘルツェゴヴィナとセルビア共和国に植生する珍しい紫色の球果がなる針葉樹です。

木々はあらゆる脅威に直面していますが、報告書によれば「侵入種や問題のある種」その頂点に立つとのこと。セイヨウトチノキといった樹木を傷つける葉潜蛾のような害虫は、ヨーロッパの樹種の38%に影響を及ぼします。主なリスク因子として山林開拓、木材収穫そして都市開発が続きます。

しかし、気候変動も大きな脅威なのです。その影響はいまだにきちんと理解されておらず、過小評価されているかもしれないと報告書には書かれています。報告書の著者らは気候変動が3つの種にとって脅威であると理解はしていますが、Serbian Spruceのようにその影響がすでに明白な樹種にしか記載していません。この樹木についての別の研究もまた、移住の補助のような介入がなければ「近い将来」消えてしまうかもしれないと述べています。現在、気候変動はおよそ50種の樹木を直接的に脅かしているのです。

これからの対策ヨーロッパに輸入される草木は、害虫がこれ以上侵入しないよう慎重に検査される必要があるとGuardian紙は報じています。各国が木々を温室効果ガスの排出を相殺するための二酸化炭素吸収源として見る場合は、特にこれが当てはまります。ヨーロッパの樹木は、人類と広範囲に及ぶその行ないの影響の被害者の1例にすぎません。カエルや鳥類など他の種も、人間のせいで苦しんでいます。

Source: International Union for Conservation of Nature, Springer Link, the Guardian,

GIZMODO

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