2017年に京都で出現の大火球は地球衝突リスクある二重小惑星の破片 国立天文台など

10月23日(水)12時0分 財経新聞

 2017年4月28日早朝に京都で大火球が観測された。大火球とは流星の中でも飛びぬけて明るいものを指す。例えば1等星と同じ明るさの流星になる宇宙の塵の重さは、1グラム程度であると言われている。京都の大火球は重さが29グラム、直径2.7cm程度であったと推定されているため、かなり明るかったことがうかがい知れる。

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 最近、この大火球をもたらした母天体が、国立天文台、京都産業大学、日本気象学会の科学者らによって突き止められた。その母天体は2003YT1と呼ばれる二重小惑星である。2003YT1はアポロ小惑星と呼ばれる地球近傍小惑星群に属し、いつか地球に衝突するリスクがあると考えられている。

 二重小惑星とは、二つの小天体が互いに引き付け合いながら宇宙を移動している存在で、元々は、一つの小惑星であった存在が、地球型惑星の近くを通過した際に潮汐力によって、引き裂かれて形成されたものであると考えられている。

 京都の大火球によって、誰も損害を受けることはなかったが、その存在の大きさから他の流星とは違い、それをもたらした小惑星を特定できるだけの軌道逆算データを得ることができたのだ。いっぽう流星群として出現する流星は、その母体が彗星であることにも注意してほしい。

 つまりせいぜい1等星程度の明るさにしかならないごく一般的な流星と、京都の大火球のような存在とでは、元々の発生源が全く異なるのだ。大火球の場合、発生源は今回特定されたような、地球近傍小惑星の破片である可能性が高いのだという。

 このことは、やがて地球に衝突するリスクのある小惑星の前触れとして、大火球が出現することを意味している。幸いにして、今回発表のあった2003YT1が、向こう1000万年間に地球に衝突する可能性は6%程度と見積もられており、21世紀中に地球に衝突する可能性はまずないと見られている。

 だが、安心してばかりもいられない。というのも、2003YT1とこの大火球がいつごろなぜ分裂したのかについては何もわかっていないからだ。コンピュータによる解析技術が向上した結果、大火球の軌道要素をリバースエンジニアリングによって時間を逆戻りさせていくと、過去の2003YT1のいた軌道に一致していたことが判明したに過ぎないのだ。

 アポロ小惑星のような地球近傍小惑星で地球に異常接近する可能性があり、監視が必要なものは、NASAによれば8500個程度存在しているという。これらが向こう100年間で地球に衝突する危険性はないとされてはいるが、2003YT1が京都に大火球をもたらしたように、次はもっと大きな破片を地球にもたらさないとも限らないのだ。

 それが大火球で済んでいればまだしも、たとえ直径1m程度の岩が都会を直撃ともなれば、大惨事は免れ得ない。だがそれを予測することは、誰にもできないのだ。

財経新聞

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