QNAPがクラウド戦略をアピール——新製品も多数展示

11月11日(月)7時35分 ITmedia PC USER

HybridMountとVJBOD Cloudの2つ異なるクラウドゲートウェイを提供

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 QNAP Systemは、2019年10月24日、同社NASを用いたビジネス向けバックアップの解説を中心としたイベント「QNAP 2020 TechDay」を開催した。
●増大するストレージ需要と、移り変わるデータの利用方法
 冒頭で挨拶に立ったQNAP Systemマネージング・ディレクター Japan & Koreaのジャック・ヤン(Jack Yang)氏は、2025年までに世界の集計データ量は現在の32ZB(ゼタバイト)から175ZBに達すると紹介。そのうち、ほぼ半分の49%がクラウド環境で保存・管理され、生成されるデータの30%はリアルタイムで処理される状況になると、今後のストレージとデータの取り扱われ方の変化を示した。
 ストレージ業界、つまりQNAPのような企業は今後7年で42ZBの容量を市場に供給していくと予想している。そして従来までのストレージに加えて、同社はそれを支えるネットワーク製品にも注力していくと説明した。実際、同社はNASメーカーであるとともに、近年は10GbEスイッチなどの製品をリリースしており、製品展示にも各種スイッチや10GbEアダプターなどが見られた。
●次世代のクラウドによるデータの保護やアクセスの向上、バックアップ
 午前〜夕方までにかけて行われた各セッションでは、QNAP製品で利用されるOS「QTS 4.4.1」の新機能などを中心に、機能の説明、デモンストレーションが展開された。QTS 4.4.1は先日正式リリースされたばかりのバージョンで、ビジネスにおけるバックアップやクラウド連携などのさまざまな新機能が追加されている。
 「クラウドストレージゲートウェイ」と題されたセッションでは、HybridMountとVJBOD Cloudの2つの機能が紹介された。
 まず、クラウドサービスを1つに集約してしまうとリスクが高く、最低でも2つ以上のサービスでバックアップを撮ることを推奨しているが、一方で複数のサービスを契約すると、サービスごとにクライアントを各PCに導入する必要があるなど管理の手間がかかる。QNAPのクラウド戦略は、パブリッククラウドをQNAP製NAS上にマウントして統合し、バックアップを取るとともに管理の手間を軽減するというものだ。
 HybridMountはファイルベース、VJBOD Cloudはブロックベース管理と異なり、VJBOD Cloudの場合はローカルキャッシングとしても機能することでアクセス速度を向上させる。
 「全面的なデータバックアップのためのBoxafe × HBS 3」と題されたセッションで取り上げられたのは、QTS 4.4.1の「HBS 3」はバックアップ、復旧、同期機能だ。今回は、その中でも重複排除機能「QuDedup」にフォーカスが当てられた。ソース側で圧縮を行うことによりデータ帯域の圧迫を防ぐことができ、バックアップに要する時間も短縮されるのが特徴だ。
 また、これをより高効率に運用するための手法として、HDDだけのシステムよりもHDD+SSDのシステムが推奨されるとのことだ。また、重複排除によって容量の節約も行え、世代バックアップにおいては、保存できる世代数を増やせるなど、信頼性を高めることが可能だ。
 BoxafeはQTS 4.4.1でまだ実装されておらず、この1カ月中にβ版を提供予定のソフトウェアである。Boxafeは、Google Q SuiteやMicrosoft Office 365といったSaaSに対象を絞ったバックアップソリューションだ。SaaSのデータを手元にバックアップしておくことで、ネットワークに障害が生じた際への対応や、万が一の復旧にかかる時間を短縮するなどを目的としている。
 この他、同日はクラウド上からQTSを動作させる「QTScloud」、PoE製品やファイバーチャネル製品、「QTS hero」などのセッションも行われた。
●今後投入される新製品を一足先にチェック
 ジャック・ヤン氏が注力すると述べたネットワーク製品では、Thunderbolt 3 to 10GbEアダプターが2製品、USB 3.0 to 5GbEアダプターが1製品、10GbEスイッチが1製品展示されていた。
 Thunderbolt 3 to 10GbEアダプタの「QNA-T310G1T」と「QNA-T310G1S」は、既に販売中の製品だ。ポータブルSSD程度のサイズのボディーに、Thunderbolt 3端子を備え、QNA-T310G1TはRJ45、QNA-T310G1SはSFP+端子を1基搭載している。10GbEの他、5/2.5/1GbEなどマルチギガに対応している。同社製のNAS用というわけではなく、Thunderbolt 3端子を搭載するWindows/Macで利用でき、同社製10GbE対応NASとの間で高速な通信を実現する。
 USB 3.0 to 5GbEアダプターの「QNA-UC5G1T」は、Thunderbolt 3対応のアダプターと比べて半分ほとのサイズになる。USB側の端子はType-Cで、LAN側の端子はRJ45だ。5/2.5/1GbEおよび100BASE-Tに対応する。
 「QSW-308-1C」は、アンマネージメント10GbEポートスイッチだ。既に販売中のモデルで、8ポートの1GbEと、Rj45/SFP+コンボタイプの10GbEを1ポート、2ポートの10GbE(SFP+)を搭載している。ACアダプター駆動でファンレスを実現しており、部門内でNASやサーバといったトラフィックが集中する機器に、10GbEポートを接続することでボトルネックを解消する。
 ストレージオプションとしては、2.5インチSSDサイズのボディー内にM.2 2280 SSDを2枚、ハードウェアRAIDを用いて搭載できる「QDA-A2MAR」が展示されていた。インタフェースはSATA 6Gbpsだ。通常の2.5インチSATAストレージとして取り扱うことが可能なので、同社のNASやRAIDボックスなどで利用できる。
●ボックスタイプのNASをチェックする
 ボックス型のNASでは、「TVS-672XT」や「TS-453BT3」など、Thunderbolt 3、10GbEおよびM.2 SSDキャッシングに対応したモデル、AMD製クアッドコアCPUを搭載し2.5インチ型のSSDをキャッシングとして利用できる10GbE対応モデル「TS-963X-2G」などを展示。
 ラックマウント型では、Xeonを搭載し10GbEにも対応、拡張カードスロットを備えカードによる拡張性を実現した「TS-1283XU-RP」が、家庭向けファンレスNASでは10GbEに対応する「HS-453DX-4G」、QTSが動作しVMにも対応したスマートPoEエッジスイッチ「QGD-1600P」といった製品が展示されていた。

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