そもそも“一眼レフ”ってなんだっけ?

11月15日(水)6時0分 ITmedia LifeStyle

オリンパスの「M-1」(1972年。OM-1の前身)

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 ちょっと間が空いちゃったけど、デジカメが抱える“35mmフィルムの呪いシリーズ”第4弾が用意できました。
 いやもう自分でもここにツッコんでいっていいのかなという気もするけど、テーマは「一眼レフ」。
 一眼レフの構造ってフィルムカメラ時代の「一眼レフ」の構造そのままだよな、という話。

●35mmフィルムの呪いシリーズ

・“35mmフィルム換算”とはどういう意味か?
・「ISO感度」ってなに? とその最適な設定のコツ
・「現像」は「プリント」のことじゃない

●一眼レフってなんだ?

 つまるところ、未だに「ミラーレス一眼レフ」なんていう人もいるわけで、ミラーレス一眼と一眼レフの違いをちょっと整理しておこうと思ったわけである。
 まずはこの写真をどうぞ。
 オリンパスのPEN……といってもフィルム時代のPEN。昔のコンパクトカメラのイメージそのままなので登場願った。
 写真を撮るとき、構図を決めるためにファインダーを覗く(まあ、行為としてはスマホで撮るときに背面モニターを見るのと変わらない)ので、レンズを通った光は目に届く。
 でも撮影するときは光をフィルムに当てなきゃいけない。
 で、PENの構造はシンプル。ファインダー用のレンズと撮影用レンズが別になってるから。
 でもこれだと、ファインダーと実際に撮影するレンズの位置かずれてるのでファインダーから見える範囲と実際に撮れる範囲が正確に一致しない。シンプルだけどデメリットもあるわけだ。
 お次は一眼レフ。
 オリンパスのOM-D……じゃなくて、フィルム時代の「OM-1」(正確にいうとM-1)。
 正面から見ると、レンズは1つしかない。
 一眼レフって語で言うと「SLR」。「シングル・レンズ・レフレックス」の略で、シングルレンズはそのまま「一眼」。レフレックスが縮まって「レフ」。
 ファインダー用のレンズと撮影用のレンズが同じなので、ファインダーで覗いたのと同じ像を撮れるし、レンズ交換にも向いている。
 じゃあどうやって1つのレンズをファインダー用と撮影用で兼用してるのかというと、そこに「レフ」が絡んでくるわけである。
 秘密はレンズの上にあるトンガリ頭部分。
 これはデジタル一眼レフ「PENTAX K-1」のカットモデルの写真。一眼レフの基本構造はフィルム時代もデジタル時代も同じ。
 ポイントは斜めに鏡が入ってること。正面から入ったレンズはここで上に反射し、ガラスプリズムで反射させてファインダーに送られる。このプリズムは五角形なので「ペンタプリズム」と呼ばれている。低価格な一眼レフだとプリズムの代わりに鏡が入っていて「ペンタミラー」。レンズの真上にあるトンガリ頭は「ペンタ部」。
 で、シャッターを押した瞬間だけぱこっとミラーが上に上がって、光路が開き、光がイメージセンサーに当たるわけである(ミラーが素早く上がってまた下がるので、クイックリターンミラーという)。
 レフレックス(反射)の「レフ」に相当する仕組みだ。
 このミラーが入ってるエリアを「ミラーボックス」と呼ぶ。
 で、このミラーボックスにはもう1つ秘密がある。
 次の写真をどうぞ。ニコン D4のカットモデルだ。
 斜めに置かれているミラーの奥にもう1つレンズがある。
 これがポイント。
 レンズを通した光はファインダーへ送られると同時に、その一部がミラーの裏に漏れてさらに下に反射して、ミラーボックス下部にあるセンサーに当たる。ここにAFセンサーなど各種センサーがあり、オートフォーカスが働くわけである。
 ミラーボックスとその下にAFセンサー、その上のペンタ部+ファインダーの組み合わせが「一眼レフ」の特徴だ。

●ミラーレス一眼には「レフ」がない

 さて一眼レフじゃないデジカメはどうなっているか。
 こちらはオリンパスのOM−Dのカットモデル。
 ミラーレス一眼と呼ばれているレンズ交換式カメラである。
 話は単純。レンズの後ろにすぐイメージセンサーがある。
 ミラーボックスがないので「ミラーレス」といったのはパナソニックだったか。
 デジタル一眼レフは、フィルム一眼レフ時代の構造をそのまま生かして、フィルムの位置にイメージセンサーを置いたものだったが、フィルムカメラではなくデジタルカメラのだから常時イメージセンサーに光を当ててやり、そこから得られた映像を見ながら撮影すればもっと単純な構造にできるというわけである。
 と、大げさに書いてるけど、これはコンパクトデジカメやスマホのカメラやビデオカメラが普通にやってることだ。ってことはコンパクトデジカメやスマホも「一眼」じゃないか、といわれると、はいその通りですとしかいいようがないのだが、まあ「デジタル一眼」は「レンズ交換式カメラの総称」みたいに使われてるのでそこはツッコまないのがお約束だ。厳密にいえば、レンズ交換できない「一眼レフ」だってあったわけだし。
 さて話を戻すとして、簡単にいえばコンパクトデジカメの流儀をレンズ交換式に応用したのがミラーレス一眼だと思えばいい。コンパクトデジカメというと一眼レフより画質が……と感じるかもしれないが、デジタル一眼レフと同じサイズのイメージセンサーを使えば画質は同じである。何の問題もない。
 かくして、世界初のミラーレス一眼をパナソニックが発表したのが、2008年9月のこと。2018年で10周年である。
 そのときの発表会の写真があった。
 ミラーレス構造によってミラーボックスがなくなって本体が薄くなるという話。
 この日から、「フィルムカメラの構造をデジタル対応させたレンズ交換式カメラ」(デジタル一眼レフ)と「デジタルカメラとして一から設計したレンズ交換式カメラ」(ミラーレス一眼)という逆方向からアプローチした2種類のレンズ交換式カメラが誕生したのである。
 で、両者の総称として「デジタル一眼」(つまり、『レフ』をつけない)が使われるようになったわけだ。
 ただ「ミラーレス一眼」は通称であり、メーカーによって使ったり使わなかったりしており、のちにカメラ映像機器工業会がミラーボックスを持たないカメラの総称として「ノンレフレックスカメラ」という分類を作ったが、一般には「ミラーレス一眼」が定着した。

●ミラーレス一眼の時代はくる?

 で、いつも話題になるのがどっちがいいのか、なんだけど、これは難しい。
 「デジタル一眼レフ」自体がフィルム時代の一眼レフの構造をずっとひきずってるのは確かで、そのおかげでフィルム時代と同じレンズを使え、同じ感覚で操作できるので移行がスムーズにいったのだが、ミラーボックスを中心とするメカ部分が必要なためカメラとしての性能を上げるにはそこにコストがかかり、どうしても大きく重くなる。
 今はデジタル一眼レフも「ライブビューモード」を持ってて、ライブビューで撮ってるときは「ミラーレス一眼」を使ってるのと変わらない。
 そういう意味では今のデジタル一眼レフは「一眼レフ」と「ミラーレス一眼」のハイブリッド構造といっていい。
 でもライブビューで撮るのなら、ミラーレス一眼の方がレンズも機構もライブビュー撮影に特化してるので快適に使える。
 数年前までは動体撮影時のAFやEVFの見やすさやレスポンスでミラーレス一眼はやや劣っていたが、そこが進化したことで、一眼レフである必然性は減ってきた。最後までついて回りそうなのはバッテリーの持ちかな。こればかりは常時イメージセンサーやディスプレイが働き続けるミラーレス一眼は不利だ。
 細かいメリットデメリットや機種間の差異を比較し出すと話がややこしくなるのでしないけど、総じて「一眼レフ」って構造はフィルムカメラ時代のものだと思うし、最終的にはミラーレス一眼が主流になるんじゃないかと思ってて、個人的にはメインカメラも1年前あたりからミラーレス一眼にシフトしちゃった次第である。

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