世界初、海水中で繰り返し使える接着剤を開発 北大の研究

11月15日(金)9時12分 財経新聞

開発された接着剤。(画像:北海道大学発表資料より)

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 参考にしたのは、貝の一種イガイの接着タンパク質であるという。北海道大学のフアン・ハイロン研究員、グン・チェンピン教授らの研究グループは、海水中で素早くかつ強力に接着し、なおかつ繰り返しの使用が可能な新しい接着剤を開発した。

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 イガイやフジツボなどといった海洋付着生物は、「接着タンパク質」と呼ばれる生化学物質を自ら分泌することによって、海水中で岩にくっついている。イガイのそれは、極めて強力である。

 イガイというのは食用で有名なムール貝(ヨーロッパイガイないしムラサキイガイ)の近縁種で、日本近海の在来種なのだが、この仲間は非常に強力な接着能と強大な繁殖力のために事実上人類の能力では駆逐することができず、世界各地に広まって、侵略的外来種として認識されている。

 しかし今回の研究は、その侵略的外来種の侵略的外来種たるゆえんの能力を有益な研究に応用したものだ。

 これまで人類が開発してきた人工接着剤は、そのほとんどが空気中で用いる前提として開発されたもので、水中や海中で使用できるものはほぼない。

 研究グループは、イガイの接着タンパク質の性質に着目し、その性質を再現した高分子化合物を合成した。すると得られた高分子化合物は、海水中で接着剤として機能し、ガラスや石、プラスチックといった様々な個体を強力に素早く接着することができた。

 その接着強度は、最大で60kPa、つまり接着面1平方メートルあたり6トンの荷重に耐えることができる、というものである。さらに、その上剥がして再び貼ることもでき、何度もそれを繰り返すこともできる。

 今回発見された接着剤は、海水中における仮止め剤、破損の修復のために利用できるほか、応用としては海水中でのコンクリート製造も可能になるのではないかという。

 なお詳細は、Nature Communicationsに掲載されている。

財経新聞

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