「トヨタウォレット」が占う、今後のキャッシュレス決済の行方 その先は繁栄か、それとも...

12月2日(月)7時0分 J-CASTニュース

「TOYOTA Wallet」公式サイト

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トヨタのキャッシュレス決済アプリ「TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)」が始まった。

日本を代表する自動車メーカーが、キャッシュレスに進出——。それだけでも注目に値するが、このサービスのポイントは、他社技術を活用している点にある。



「iD」と「Origami Pay」、「銀行Pay」が使える



TOYOTA Walletはトヨタ自動車、トヨタファイナンシャルサービス、トヨタファイナンスの3社によるもの。「お客様の日常決済の利便性向上ならびにモビリティ社会の基盤づくりに貢献するプラットフォーム」と位置付けて、2019年11月19日からiOS版先行で開始した。Android版は20年2月以降にリリース予定だ。


使える電子マネーは、プリペイド型(前払い)の「TOYOTA Wallet 残高」、クレジット型(後払い)の「TOYOTA TS CUBIC Origami Pay」、デビット型(即時引き落とし)の「銀行Pay」の3種。他社と比べて珍しいのが、これら3タイプごとに、使える加盟店が異なることだ。


プリペイドは、三井住友銀行と三井住友カードの協力を受け、リーダーにかざして決済する「iD(アイディー)」を採用。同じくかざすタイプの「Mastercardコンタクトレス」導入店のほか、ネットショッピングなどの国内ECではマスターカード加盟店でも使える。「銀行Pay」はGMOペイメントゲートウェイが基盤システムを持つが、今回は三井住友銀行がこれを活用した「事業者型Pay」によって導入する。


「TOYOTA Wallet」が、これまでのキャッシュレス決済と違う点は、他社サービスをひとつにパッケージングして、自社ブランドを冠していることにある。公式サイトでも、複数決済をまとめて入れられることを打ち出し、日本でも世界でも使える「お金の乗りもの」だとしている。



自社アプリに「Origami」を組み込めるようになった



キャッシュレス決済というと、これまでシステム設計・開発から、自社主導で行うものが多かった。一方で、セブン&アイ・ホールディングス(HD)の7pay(セブンペイ)のように、ノウハウのない状態から参入すると、セキュリティーなど致命的な穴が開く可能性もある。「餅は餅屋」ではないが、既存サービスに乗っかるのも、ひとつの選択肢だろう。


オリガミ(Origami)は「Origami Network」と題して、各社のアプリにOrigami Pay機能を付加できるサービスを展開している。参加企業は、顧客データを入手できるほか、独自ポイントの付与や顧客管理機能のオープン化も計画されている。19年9月の発表時には、すかいらーくホールディングスや吉野家、Peach Aviation(LCC)、そしてフジテレビジョンまでもパートナーとなっている。日本経済新聞の11月25日付朝刊では、Origami Networkの取り組みを紹介。決済額の数%を手数料とし、クーポン配信時にも料金を取ると伝えていた。


決済システムを他社に任せることで、リスクを抑えつつ顧客データを得られるとなれば、魅力的に感じる異業種もいるだろう。反対に、参入障壁が低くなるため、いままでに増して「囲い込み」が進む可能性もある。その先にあるのは、繁栄か、衰退か。トヨタの例が、ひとつの試金石になりそうだ。


(J-CASTニュース編集部 城戸譲)

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