ウィキリークス巡るサイバー戦争激化 アマゾン、ビザ、マスターも攻撃対象?

12月9日(木)8時0分 J-CASTニュース

2008年、抗議行動に参加した「アノニマス」のメンバー (C)Vincent Diamante (Wikimedia Commonsより)

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   内部告発サイト「ウィキリークス」の存続を巡る動きが激しくなってきた。サーバーの利用停止や銀行口座の凍結を受け、寄付金を送金してもらうための決済サービスもストップされた。



   創設者のジュリアン・アサンジ氏が英国で逮捕され、ピンチに陥るウィキリークスだが、今度は全世界のハッカー軍団が立ち上がる。反ウィキリークス活動を行う企業に向けて、逆にサイバー攻撃を仕掛け始めたのだ。



ウィキリークスサーバーにDDoS攻撃


   米政府の外交公電をインターネット上で公開し続けるウィキリークスだが、締め付けも厳しさを増してきた。


   ウィキリークスはウェブサイト上で寄付金を募っているが、この決済業務を担っていた米ペイパルは米国時間12月3日、寄付金用アカウントの停止を発表した。同社の利用規約に反して、不法な目的のためにアカウントを使ったというのが理由のようだ。またスイスの銀行は、アサンジ氏の銀行口座を凍結、12月7日には、大手カード会社のビザとマスターカードも、ウィキリークスとの取引を停止したことを明らかにした。


   ウェブサイトも、米外交公電の公表を始めた当初からサイバー攻撃を受けている。「ジェスター」(道化師)を名乗る人物は11月29日、ツイッターで数回にわたり「我が国の兵士たちの命や資産、外交関係を危機に陥らせようとする企てを排除せよ」と投稿、矛先をウィキリークスに向けて攻撃の意思を示した。身分は明かしていないが、その言い回しから米軍に何らかの関係をもつハッカーと考えられる。


   ジェスターが実際に行動に移したかは不明だが、以後ウィキリークスのサーバーは、大量のデータを一挙に送りつける「DDoS攻撃」を仕掛けられ、たびたび不能に陥る。さらに米国内でサーバーを貸し出していたアマゾンや、ドメインサービスを提供していた「エブリDNS」といった企業も次々に手を引いたため、米国内では運営を継続できずスイスにサーバーを移すなどして自衛に努める有様だ。



「ウィキリークスのために闘う」

   苦境に立たされるウィキリークスに、「救いの手」を差し伸べる協力者たちも現れた。サーバーがダウンしても機密情報の公表が続けられるようにと、同じ内容を別サイトで提供する「ミラーサイト」が世界中に続々と登場したのだ。ウィキリークスの発表では、12月7日現在で1005個ものミラーサイトがつくられている。


   さらに、ネット集団「アノニマス」(匿名の、という意味)がウィキリークスの「味方」として行動することが明らかになった。アノニマスはネット上で緩やかにつながる世界のユーザーたちの集まりだが、ハッカーも多く加わっていると見られる。アノニマスの名の下に、さらにさまざまな集団に分化しているようだ。過去にも、ネット上の表現の自由を妨げたり検閲を行ったりしたと見なした団体に向けて、過激な抗議デモやサイバー攻撃を仕掛けていた。


   アノニマスに属するハッカー集団「オペレーション・ペイバック」はウェブサイトで、「目的を同じくするウィキリークスのために闘う」と宣言。アマゾンやペイパル、エブリDNSといった企業を「攻撃対象」として名指しした。実際にこれまでも、ペイパルのブログサイトが攻撃を受け、一時的に閉鎖状態に陥った模様だ。


   「冷血」と名乗る別のアノニマスのメンバーは、英BBCの取材に対して「政府の圧力に屈したサイトに制裁を加える。複数の活動が同時に進行している」と回答。ウィキリークスを「妨害」した団体に向けた攻撃が、一斉に始まろうとしていることをにおわせた。ツイッター上でも、別のメンバーと思われるアカウントで続々と攻撃参加を表明する投稿が見られる。中には、アサンジ氏に逮捕状を出したスウェーデンの検察当局に向けたものもあり、実際にビザやマスターカードへのサイバー攻撃が行われ、サイトがダウンした。当面はこの種の動きが収まりそうにない。

J-CASTニュース

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