東大とIBMが量子コンピューティングの技術革新と実用化で協業

12月19日(木)12時21分 マイナビニュース

東京大学と米IBMは12月19日、量子コンピューティングの技術革新ならびに実用化に向けたパートナーシップ構築を推進するための覚書を締結した。

両者は他大学や公的研究機関、産業界が幅広く参加できる幅広いパートナーシップの枠組みである「Japan-IBM Quantum Partnership」を設立し、このパートナーシップでは「産業界とともに進める量子アプリケーションの開発」「量子コンピュータシステム技術の開発」「量子科学の推進と教育」の3つの取り組みを進める。

同構想において、IBMが所有・運用する「IBM Q System One」を日本国内のIBM拠点に設置することを予定しており、アジア太平洋地域では初めて、全世界でも米国、ドイツに続いて3番目の導入となる。

Q System Oneは、量子アルゴリズム、アプリケーション、ソフトウェアの研究を進めるために使われ、ひいては量子コンピューティングにおける最初の実用的なアプリケーション開発につなげることを目指す。

また、両者は次世代量子コンピュータにおいて使用するハードウェアを含む技術開発を行うための世界初の量子システム技術センターを東京大学キャンパス内に開設。同センターには、量子コンピューティング向けの新しいハードウェア部品の開発を行うため、極低温技術およびマイクロ波テスト機能を含む実験設備を整備する。

加えて、量子コンピューティングの主要な基礎研究テーマについて共同研究を行うとともに、同大キャンパス内に研究交流スペースを設置し、学生、教職員、産業界の研究者が参加するセミナー、ワークショップなどのイベント開催する。

東京大学総長の五神真氏は「知識集約型社会への変革が人類にとってより良い社会をもたらすには、DFFT(Data Free Flow with Trust)を実現し、実空間とサイバー空間が高度に結合したグローバルコモンズ(=地球の資源と生態系を包含した概念)を持続可能かつ信頼できるものとすることが必要です。そのために、量子技術は最も重要な未来技術の一つです。量子コンピュータの商用利用を先導しているIBMと幅広い連携の枠組みを作ることで、基礎研究にとどまることなく利用技術につながる研究開発体制を我が国に一気に備えることができるとともに、それを担う人材育成を進める上でも大きな意義があると考えています」と述べている。

IBM Q System Oneは、多量子ビット演算の品質、安全性、信頼性、および再現性を確保できるように最適化されており、IBMはともに量子コンピューティングの発展と商用ならびに科学応用の開拓に取り組むFortune 500企業、スタートアップ、学術研究機関、研究所からなるコミュニティとして「IBM Q Network」を設立している。

IBMリサーチのディレクターであるダリオ・ギル氏は「このパートナーシップは、日本全体の経済的機会を生み出す上で戦略的に重要な研究開発活動を支えるコミュニティを構築し、成長させるため、産業界、公的研究機関、学界の専門家を集めて、日本の量子分野における研究力強化に貢献しようとするものです」とコメント。

同大はJapan-IBM Quantum Partnershipを率いて、大学や公的研究機関が有する卓越した学術知を、特に量子プログラミングとアプリケーションおよび技術開発のためのスキルや専門知識を中心に大企業やスタートアップ企業などに広く提供していく考えだ。

マイナビニュース

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