楽天モバイル、ちゃんと使えるのはいつ? スマホ業界2019年振り返り【業界動向編2】

12月21日(土)6時0分 マイナビニュース

2019年も残りあとわずかになりましたが、今年も携帯電話業界では大きな出来事が目白押しでした。そうした携帯電話業界の1年間のトピックを、Q&A形式でわかりやすく解説していきましょう。今回はキャリアにまつわる業界動向編、その2(主に2019年後半のトピック)です。その1は「通信料、結局4割も下がってないのでは? スマホ業界2019年振り返り【業界動向編1】」をどうぞ。
○Q1:新規参入した楽天モバイル、いつからちゃんと使えるの?

これまでMVNOとしてスマートフォン向けの通信サービスを提供してきた楽天モバイルですが、2019年10月に携帯電話会社として新規参入を果たしました。ですが同社は再三総務省から指導を受けるなどネットワーク整備が大幅に遅れており、現在提供しているサービス内容も、5,000人に限定した「無料サポーター会員」に向けた試験的な内容に限られています。

そうしたことから楽天モバイルはネットワーク整備を急いでいるようで、2019年12月には3,000の基地局で電波射出予定であることなども明らかにしています。また筆者も楽天モバイルの回線を実際に使わせてもらったことがありますが、KDDIのローミングをフル活用していることもあり、建物の内部やエリアの境界線付近などでは不満を抱く部分があるものの、データ通信に限れば予想より使えるという印象です。

とはいうものの、ここ最近の楽天モバイルの動向を見ていると不安を抱く出来事が少なくないというのも事実です。サポートの混乱や誤請求、まだ提供していないはずの料金プランがWebサイトに流出する……など、サービス開始後も諸々の体制が整っておらず、混乱している様子が見られます。

それに加えて2019年12月9日には、2時間以上の通信障害が発生、全く通信できなくなるという事象が発生しています。現在は実質的な試験サービスというべき状況だったため、その影響範囲は大きくはありませんでしたが、2018年末にはソフトバンクが大規模な通信障害を起こし、社会的に非常に大きな影響を与えたことがあるだけに、こうした障害は決して見逃せないものです。

そうした事象を総合的に見て、まだ楽天モバイルのサービス提供には少なからず不安があるというのが正直なところです。2020年にどうやって現在の体制を立て直し、本格サービス提供につなげられるかが注目されます。
○Q2:5Gって結局始まったの? 始まってないの?

次世代のモバイル通信規格「5G」は、現在主流の「4G」よりも通信速度が非常に高速なのに加え、ネットワークの遅延が小さく、同時に多数の機器を接続できる特徴があります。自動運転などを含めあらゆる産業のデジタル化に寄与するなどの理由から、注目や関心が非常に高まっているようです。

確かに米国や韓国、中国や欧州のいくつかの国では既に5Gの商用サービスが開始され、5Gに対応したスマートフォンで2時間の映画を数秒でダウンロードするといった体験ができるようです。しかしながら日本では、元々2020年の東京五輪に合わせて商用サービスを提供する方針であったことから、まだ5Gサービスは提供されていません。

ですが2019年には、携帯電話会社が「プレサービス」と称して、限定的ながらも一般ユーザーが5Gを何らかの形で体験できるサービスを提供しています。実際ソフトバンクは2019年7月の「FUJI ROCK FESTIVAL '19」など、NTTドコモは2019年9月のラグビーW杯など、KDDIは2019年11月の東京モーターショウなどで、5Gのプレサービスを実施。2画面スマートフォンでの情報表示やAR、ドローンレースなど高速通信を活かした体験を提供しています。

しかし始まったのはあくまで試験的な「プレサービス」。では、日本で5Gの商用サービスはいつ提供されるのかというと、2020年3月の開始が予定されています。それゆえ東京五輪の頃には、5Gスマートフォンを購入・利用できるようになるでしょうし、東京五輪などでも5Gを活用したさまざまな取り組みが披露されることが予想されます。
○Q3:シャオミはなぜ日本に参入したの?

2019年12月9日、新たに日本市場への参入を表明したシャオミという企業。同社は1億万画素を超えるカメラを搭載したスマートフォン「Mi Note 10」「Mi Note 10 Plus」に加え、「Mi IH炊飯器」、つまり炊飯器も日本で販売すると発表し、驚きをもたらしました。

このシャオミ(Xiaomi、小米科技)という企業は中国で2012年に創業した新興のスマートフォンメーカーで、非常に高い性能を持つスマートフォンを、利益を下げ販路をインターネットに絞るなどして、低価格で販売することで急成長。その後スマート家電など多様な製品の開発に力を入れ、なおかつコストパフォーマンスを武器に新興国で人気を獲得したことにより、現在では出荷台数世界第4位のスマートフォンメーカーとなるに至っています。

そのシャオミが日本市場に参入したのには、やはり電気通信事業法の改正が大きく影響したといえるでしょう。法改正によって高額なスマートフォンの大幅な値引きが困難になったことで、アップルのように高額モデルに強みを持つ企業にとっては厳しい環境となった一方、シャオミのように価格に強みを持つスマートフォンメーカーには、値引きなしで競争ができるのでむしろチャンスが生まれたワケです。

法改正に商機を見出した中国メーカーはシャオミだけではありません。2018年に日本に参入した中国のオッポ(OPPO)も、2019年にはFeliCaを搭載した日本オリジナルモデルながら、3万円台という非常にリーズナブルな価格を実現した「Reno A」を投入。CMキャラクターにタレントの指原莉乃さんを起用するなど、攻めの姿勢を見せたことで話題となりました。

そうしたことからシャオミだけでなく、コストパフォーマンスに強みを持つ中国企業が日本市場で販売を拡大する動きは、2020年以降一層広がってくるものと考えられます。世界的にシェアを持つ中国のスマートフォンメーカーは他にも存在することから、2020年はそうした企業が、日本市場に向けどのようなアクションを起こしてくるのか注目されるところです。

著者プロフィール佐野正弘

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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