障害者の8割「パラリンピック開催で障害への理解が進むとは思わない」――「精神障害者は蚊帳の外」「努力が足りないと思われそう」
障害者の就労支援などを行うゼネラルパートナーズは1月23日、東京オリンピック・パラリンピックに向けたアンケート結果を発表した。調査は昨年10〜11月にインターネットで実施し、障害者492人から回答を得た。
「東京パラリンピックを観戦したいと思う」と回答した人は59%。しかし東京オリンピック・パラリンピックを通じて障害への理解が進むかを聞くと、「出場対象障害への理解は進むが、それ以外の障害への理解は進まないと思う」(49%)が約半数となった。
「その時だけは注目されるし関心も高まる。しかし継続はしない」具体的な意見としては、「一時は理解が広まるとおもうのですが、出場選手に限られるのではないでしょうか。障害者が身近にいなければ、分からないことが多いと思います」(40代女性/聴覚障害)という声があがっている。
また「精神障害者・発達障害者はパラリンピックについては『蚊帳の外』という認識しかない」(40代男性/精神障害)という人も。実際、対象障害は肢体不自由、視覚障害、知的障害などで、聴覚障害・内部障害・精神障害・発達障害などは対象外とされている。
次いで「すべての障害への理解が進まないと思う」が38%で、
「その時だけは注目されるし関心も高まる。しかし継続はしない」(30代男性/精神障害)
「出場選手のようなレベルになれないのは、単に本人の努力が足りないだけと思われそう」(50代男性/肢体不自由)
という人もいた。8割以上が「障害者への理解は限定的」と回答している。
「障害への表面的な理解でなく、本質的な理解を求めている」一方で、「すべての障害への理解が進むと思う」という人も13%いた。「障害者の活躍と、そこに至る日々の努力に触れることで、障害に対する理解が進む」(60代男性/肢体不自由)という人もいる。
同社が運営する障がい者総合研究所の中山伸大所長は「障害者の多くはパラリンピックによる障害への理解促進に対し、あまり期待していないことが分かります」と話す。
また障害は種類も個性もさまざまであること、パラリンピックが日常とかけ離れていることから「障害者は、障害への表面的な理解でなく、本質的な理解を求めているともいえる」とコメントしている。
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