マチュー・アマルリック「なんと幸運」デビュー作『月の寵児たち』劇場初公開にコメント
シネマカフェ2023年2月5日(日)14時0分
ジョージア出身の世界的名匠オタール・イオセリアーニの劇場初公開を含む全監督作21本をデジタル・リマスター版にて一挙上映する「オタール・イオセリアーニ映画祭 ~ジョージア、そしてパリ~」が2月17日(金)より開催。
そこで劇場初公開となる『月の寵児たち』の本編映像と、同作が役者デビューとなった、『007慰めの報酬』や『グランド・ブダペスト・ホテル』、昨年公開された『彼女のいない部屋』では監督も務めたフランスの名優マチュー・アマルリックのコメントが到着した。
『月の寵児たち』はイオセリアーニ監督が故郷ジョージアを離れ、パリに拠点を移して初めて手がけた長編作品で、ヴェネチア国際映画祭審査員大賞を受賞。
パリの画廊主と愛人の技師、鉄砲店主、美容師、警視、空き巣の父子、過激派の音楽教師、娼婦、暗殺者のアラブ人、ホームレスなど、彼らの行動が主役、脇役の区別なくポリフォニックに描かれ、とぼけた味わいのある奇想天外な群像劇となっている。
今回解禁となった本編映像は、正装に着替えた金持ち一家が車に乗り込み、出かける様子からはじまる。その後、出かけるのを待っていたかのように向かいのカフェで様子を見ていた空き巣親子が目を合わせて家に忍び込んでいく。マチューはその息子役を演じている。
親子は、周りに留意しながらも鍵を開けようと試している。その後、ピアノの音が流れる中で、隣人がドア越しに様子を伺う。そのまま空き巣親子は鍵を開けることに成功し、部屋に忍び込む。
金目になりそうなアクセサリーを次から次へと手に取っていき、ロック歌手が歌うテレビには目もくれず、部屋を散らかしながらも高価な鞄を手に取り、洋服からアクセサリーまで鞄や風呂敷に包みこんでゆく…。
併せて解禁された場面写真では、イオセリアーニ監督作品の特徴である食事シーンや窓の外で何かを見つめるマチュー演じる空き巣親子と隣人女性シーン、そしてテレビの映像に釘づけになる子どもたちの姿がとらえられている。
マチュー・アマルリックよりコメント到着
みなさんは何と幸運なのでしょう!
あなたたちは一人の映画作家を発見することになるのです。彼のおかげで世界は再び、生きていてよかったと思えるもので一杯になる。彼は皮肉屋だけれど心根はやさしく、不条理かと思えば音楽性に富んでいて、そして可笑しい。
まずは彼が故国で撮ったジョージア映画から見始めてください。
それから彼がフランスで撮った映画。
ぼくはオタールのおかげで映画の世界に入ることができて、とんでもなく幸運でした。彼がぼくの人生を見つけ出してくれたのです。彼は子供の頃からぼくを知っており、ピアノの練習を助けてくれたし、もっと後では、映画の編集を手伝ってくれました。毎日彼のことを思います。彼の精神の気高さ、遊びを許す正確さ、人やものに投げる優しい、いたずらっぽい視線。今ほど彼が求められる時代もありません。
お楽しみください。
マチュー・アマルリック
また、いち足早く劇場初公開となる作品を観たイラストレーター・たなかみさきによる『月の寵児たち』のイラストが到着。
「歴史、生活の中で繰り返される愛おしさと繰り返してしまう愚かさの同居に、悲しさがコメディになる事を思い出していました。
場所や音、モノ、動物達がそれを関係ないみたいに側で見ている事で、その哀愁漂う人間臭さが強調されていたのが印象的でした」と、たなかさんはコメントを寄せている。
オタール・イオセリアーニ映画祭とは?
「まさに、ジャック・タチやチャップリンのよう!」(テレラマ)と評される名匠オタール・イオセリアーニ監督。ジョージア(旧ソビエト連邦グルジア共和国)に生まれ、映画制作を行うも上映禁止など制限を受け、故郷を離れパリへと移り住んだ経歴をもつ。
それでも映画を制作し続け、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなどで数々の賞を受賞、日本でも『月曜日に乾杯!』や『皆さま、ごきげんよう』などのヒットで熱狂的なファンが多い。時代や場所が違えど、変わることなく繰り返される日々の営み、争いや略奪、犯罪は決してなくならないが、あふれるほどの愛や友情、希望は必ずあるー。観る者に、そんな人生の豊かさを気づかせてくれる人生の達人、オタール・イオセリアーニの全監督作品をたどることができる貴重な映画祭だ。
長編は、1作目にしてジョージアでは公開禁止となったがカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞した『落葉』をはじめ、各国でロングランヒットとなった『素敵な歌と舟はゆく』や、ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(監督賞)を受賞し世界の名匠としての地位を確立した『月曜日に乾杯!』、またレトロスペクティブが開催され、再評価が高まるピエール・エテックスや、『アメリ』などジャン=ピエール・ジュネ監督作品でおなじみのリュファスが出演していることも話題となった集大成的傑作『皆さま、ごきげんよう』など。
さらに、マチュー・アマルリックの役者デビュー作となった『月の寵児たち』、全編アフリカ・セネガルで撮影が行われた『そして光ありき』が日本初上映。いずれもヴェネチア国際映画祭にて審査員特別大賞を受賞した作品だ。
そのほか、本国ジョージアにて上映禁止を受けたものの、2000年にはカンヌ国際映画祭で復元版による特別上映が行われた中編『四月』、現在の世界情勢にも通ずる、ジョージアの映像資料を用いて歴史・文化を紹介した三部構成となる日本初公開のドキュメンタリー三部作『唯一、ゲオルギア』なども上映。
ノンシャランと笑い飛ばし、自由で独創性あふれる作品づくりで世界中の映画ファンを魅了し続けているオタール・イオセリアーニ監督の全作品に触れられる貴重な映画祭となっている。
「オタール・イオセリアーニ映画祭 ~ジョージア、そしてパリ~」は2月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムにて上映。
そこで劇場初公開となる『月の寵児たち』の本編映像と、同作が役者デビューとなった、『007慰めの報酬』や『グランド・ブダペスト・ホテル』、昨年公開された『彼女のいない部屋』では監督も務めたフランスの名優マチュー・アマルリックのコメントが到着した。
『月の寵児たち』はイオセリアーニ監督が故郷ジョージアを離れ、パリに拠点を移して初めて手がけた長編作品で、ヴェネチア国際映画祭審査員大賞を受賞。
パリの画廊主と愛人の技師、鉄砲店主、美容師、警視、空き巣の父子、過激派の音楽教師、娼婦、暗殺者のアラブ人、ホームレスなど、彼らの行動が主役、脇役の区別なくポリフォニックに描かれ、とぼけた味わいのある奇想天外な群像劇となっている。
今回解禁となった本編映像は、正装に着替えた金持ち一家が車に乗り込み、出かける様子からはじまる。その後、出かけるのを待っていたかのように向かいのカフェで様子を見ていた空き巣親子が目を合わせて家に忍び込んでいく。マチューはその息子役を演じている。
親子は、周りに留意しながらも鍵を開けようと試している。その後、ピアノの音が流れる中で、隣人がドア越しに様子を伺う。そのまま空き巣親子は鍵を開けることに成功し、部屋に忍び込む。
金目になりそうなアクセサリーを次から次へと手に取っていき、ロック歌手が歌うテレビには目もくれず、部屋を散らかしながらも高価な鞄を手に取り、洋服からアクセサリーまで鞄や風呂敷に包みこんでゆく…。
併せて解禁された場面写真では、イオセリアーニ監督作品の特徴である食事シーンや窓の外で何かを見つめるマチュー演じる空き巣親子と隣人女性シーン、そしてテレビの映像に釘づけになる子どもたちの姿がとらえられている。
マチュー・アマルリックよりコメント到着
みなさんは何と幸運なのでしょう!
あなたたちは一人の映画作家を発見することになるのです。彼のおかげで世界は再び、生きていてよかったと思えるもので一杯になる。彼は皮肉屋だけれど心根はやさしく、不条理かと思えば音楽性に富んでいて、そして可笑しい。
まずは彼が故国で撮ったジョージア映画から見始めてください。
それから彼がフランスで撮った映画。
ぼくはオタールのおかげで映画の世界に入ることができて、とんでもなく幸運でした。彼がぼくの人生を見つけ出してくれたのです。彼は子供の頃からぼくを知っており、ピアノの練習を助けてくれたし、もっと後では、映画の編集を手伝ってくれました。毎日彼のことを思います。彼の精神の気高さ、遊びを許す正確さ、人やものに投げる優しい、いたずらっぽい視線。今ほど彼が求められる時代もありません。
お楽しみください。
マチュー・アマルリック
また、いち足早く劇場初公開となる作品を観たイラストレーター・たなかみさきによる『月の寵児たち』のイラストが到着。
「歴史、生活の中で繰り返される愛おしさと繰り返してしまう愚かさの同居に、悲しさがコメディになる事を思い出していました。
場所や音、モノ、動物達がそれを関係ないみたいに側で見ている事で、その哀愁漂う人間臭さが強調されていたのが印象的でした」と、たなかさんはコメントを寄せている。
オタール・イオセリアーニ映画祭とは?
「まさに、ジャック・タチやチャップリンのよう!」(テレラマ)と評される名匠オタール・イオセリアーニ監督。ジョージア(旧ソビエト連邦グルジア共和国)に生まれ、映画制作を行うも上映禁止など制限を受け、故郷を離れパリへと移り住んだ経歴をもつ。
それでも映画を制作し続け、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなどで数々の賞を受賞、日本でも『月曜日に乾杯!』や『皆さま、ごきげんよう』などのヒットで熱狂的なファンが多い。時代や場所が違えど、変わることなく繰り返される日々の営み、争いや略奪、犯罪は決してなくならないが、あふれるほどの愛や友情、希望は必ずあるー。観る者に、そんな人生の豊かさを気づかせてくれる人生の達人、オタール・イオセリアーニの全監督作品をたどることができる貴重な映画祭だ。
長編は、1作目にしてジョージアでは公開禁止となったがカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞した『落葉』をはじめ、各国でロングランヒットとなった『素敵な歌と舟はゆく』や、ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(監督賞)を受賞し世界の名匠としての地位を確立した『月曜日に乾杯!』、またレトロスペクティブが開催され、再評価が高まるピエール・エテックスや、『アメリ』などジャン=ピエール・ジュネ監督作品でおなじみのリュファスが出演していることも話題となった集大成的傑作『皆さま、ごきげんよう』など。
さらに、マチュー・アマルリックの役者デビュー作となった『月の寵児たち』、全編アフリカ・セネガルで撮影が行われた『そして光ありき』が日本初上映。いずれもヴェネチア国際映画祭にて審査員特別大賞を受賞した作品だ。
そのほか、本国ジョージアにて上映禁止を受けたものの、2000年にはカンヌ国際映画祭で復元版による特別上映が行われた中編『四月』、現在の世界情勢にも通ずる、ジョージアの映像資料を用いて歴史・文化を紹介した三部構成となる日本初公開のドキュメンタリー三部作『唯一、ゲオルギア』なども上映。
ノンシャランと笑い飛ばし、自由で独創性あふれる作品づくりで世界中の映画ファンを魅了し続けているオタール・イオセリアーニ監督の全作品に触れられる貴重な映画祭となっている。
「オタール・イオセリアーニ映画祭 ~ジョージア、そしてパリ~」は2月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムにて上映。
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