アルモドバル監督の私物が衣装やセットに『ペイン・アンド・グローリー』メイキングカット
シネマカフェ2020年5月30日(土)14時0分
アントニオ・バンデラスが第72回カンヌ国際映画祭で主演男優賞を初受賞、第92回アカデミー賞にノミネートされるなど高評価を受けたペドロ・アルモドバル監督最新作『ペイン・アンド・グローリー』が、 6月19日(金)より公開。待望の日本公開を前に、本作の色彩豊かな“アルモドバル・カラー”の秘密が詰まったメイキングカットと監督のコメントを入手した。
色彩の極致…インテリア&アートに酔いしれる
アルモドバル監督は、自身の半数以上の作品で組んできた撮影監督ホセ・ルイス・アルカイネとの制作について、「アルカイネは、常に映画を照らし出す絵画に触発されています。ベラスケス、レンブラント、エドワード・ホッパーのような画家を参考にすること」と語り、「本作については、フランシス・ベーコンの光、彼が描く孤独な男たちを参考にしました」と振り返る。
詳しく話さずとも同じ基準を分かち合っていると全幅の信頼を寄せながらも、アルカイネには2つの明確な指示を出したという。1つは、夜だけではなく主人公の生きる場所の暗さといった明暗法を意識すること。もう1つは、色彩に溢れ、インテリアや芸術品に囲まれた“過去の栄光”がつまった背景にできるだけ焦点を当て、映画監督の主人公・サルバドールを包む孤独感を一層際立たせること。
「(セットについて)全然違う部屋や衣装でもよかったのです。しかし自分の家、自分の洋服がA・バンデラスにフィットしました。この選択はあくまでも実利的な理由から。プロダクションデザイナーにとっては私の自宅に来て、必要なものをピックアップすればいいから楽だったでしょう(笑)」と監督。主人公を演じたバンデラスを自身の髪型に似せ、靴や洋服の多くは私物、洋服の色も自分の好みであることを明かす。
さらには、スタジオのセットで彼の部屋を再現するため、アルカイネは1日の異なる時間の光の当たり方を確認するために何度も監督の家を訪れたという。 劇中でもサルバドールが「家と美術品に金を注ぎ込んだ」と吐露する場面もあるが、こうして作られた彼の部屋はまさにアルモドバル監督の生活空間の一部を再現しているといえる。
メイキング写真からもその徹底した美意識、こだわりの一端がうかがい知れるが、全編を通して描かれる追憶とともに、光と影、蒐集された数々の美術品やインテリアの美しさにも目を奪われるはずだ。
『ペイン・アンド・グローリー』は6月19日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開。
色彩の極致…インテリア&アートに酔いしれる
アルモドバル監督は、自身の半数以上の作品で組んできた撮影監督ホセ・ルイス・アルカイネとの制作について、「アルカイネは、常に映画を照らし出す絵画に触発されています。ベラスケス、レンブラント、エドワード・ホッパーのような画家を参考にすること」と語り、「本作については、フランシス・ベーコンの光、彼が描く孤独な男たちを参考にしました」と振り返る。
詳しく話さずとも同じ基準を分かち合っていると全幅の信頼を寄せながらも、アルカイネには2つの明確な指示を出したという。1つは、夜だけではなく主人公の生きる場所の暗さといった明暗法を意識すること。もう1つは、色彩に溢れ、インテリアや芸術品に囲まれた“過去の栄光”がつまった背景にできるだけ焦点を当て、映画監督の主人公・サルバドールを包む孤独感を一層際立たせること。
「(セットについて)全然違う部屋や衣装でもよかったのです。しかし自分の家、自分の洋服がA・バンデラスにフィットしました。この選択はあくまでも実利的な理由から。プロダクションデザイナーにとっては私の自宅に来て、必要なものをピックアップすればいいから楽だったでしょう(笑)」と監督。主人公を演じたバンデラスを自身の髪型に似せ、靴や洋服の多くは私物、洋服の色も自分の好みであることを明かす。
さらには、スタジオのセットで彼の部屋を再現するため、アルカイネは1日の異なる時間の光の当たり方を確認するために何度も監督の家を訪れたという。 劇中でもサルバドールが「家と美術品に金を注ぎ込んだ」と吐露する場面もあるが、こうして作られた彼の部屋はまさにアルモドバル監督の生活空間の一部を再現しているといえる。
メイキング写真からもその徹底した美意識、こだわりの一端がうかがい知れるが、全編を通して描かれる追憶とともに、光と影、蒐集された数々の美術品やインテリアの美しさにも目を奪われるはずだ。
『ペイン・アンド・グローリー』は6月19日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開。
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