トニー賞4冠&グラミー賞受賞の傑作ミュージカル、紆余曲折の映画化への道『イン・ザ・ハイツ』
シネマカフェ2021年6月8日(火)19時0分
米Entertainment Weeklyがオンライン上で行ったアンケート調査で、超大作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』を大きく上回り(31%)、6月の一番観たい作品に選出されたミュージカル映画『イン・ザ・ハイツ』(56%)。公開を前にアメリカで大きな話題となっている本作は、2008年にブロードウェイで上演されたミュージカル劇が原作。それ以降、世界各地で上演され、いまなお愛され続ける人気演目だ。今年日本でもMicro(Def Tech)と平間壮一のW主演で再演されている。今回は映画の原点となる、原作ミュージカルに迫った。
●「イン・ザ・ハイツ」はトニー賞4冠&グラミー賞に輝くブロードウェイミュージカル
「イン・ザ・ハイツ」の草稿が完成したのは2000年のこと。のちに『メリー・ポピンズ リターンズ』のジャック役や、同じくディズニー作品の『モアナと伝説の海』の楽曲を手掛けることで映画ファンの間でも有名になるリン=マニュエル・ミランダが、ウェズリアン大学在学中に書き上げた。80分間の一幕ものでキャンパス内での3日間の上演だったが、作詞・作曲も手掛けるミランダの才能に大きな注目が集まった。
その後、現在のかたちにスケールアップさせたのは劇作家のキアラ・アレグリア・ウデス。舞台製作者のジル・ファーマンがウデスの戯曲に「イン・ザ・ハイツ」との共通点を見いだし2人を引き合わせた。このコラボにより「イン・ザ・ハイツ」は2007年にオフ・ブロードウェイでの上演が決定。そして2008年にオン・ブロードウェイへと進出すると、たちまち観客や批評家を夢中にさせて大ヒット。
トニー賞13部門の候補に入り、作品、楽曲、振付、編曲の4部門を制覇。そして、劇中歌を収録したアルバムがグラミー賞の最優秀ミュージカルアルバム賞を受賞。いちやくリン=マニュエル・ミランダの名を世に知らしめた。
●紆余曲折があった映画化、満を辞して今年公開!
ブロードウェイで大ヒットしていた頃、米大手映画会社ユニバーサル・ピクチャーズが映画化権を早々に取得。「ハイスクール・ミュージカル」の監督でも知られるケニー・オルテガが起用され、2011年の全米公開を目指していた。
しかし、この企画は途中で頓挫。そこから数年間の沈黙を破り2016年5月、ミランダがワインスタイン・カンパニー(TWC)とタッグを組んで映画化に着手したとの報道が出る。だが、承知の通り2017年10月、TWCの創業者ハーヴェイ・ワインスタインの性暴行問題が浮上。告発が相次ぎ、その影響で経営困難に陥ったTWCは「イン・ザ・ハイツ」の権利も手放すことになった。
その後、ワーナー・ブラザースが映画化権を取得。ミランダが手掛けたミュージカル「ハミルトン」の社会現象級のヒットもあり、複数の会社から手があがり争奪戦は激化したが、米「Deadline」によれば、パラマウント・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー、Netflix、Appleなどの強豪を抑えワーナー・ブラザースがおよそ5000万ドルで獲得したという。そして、この大きな期待がかかった企画に『クレイジー・リッチ!』が大ヒットとなったジョン・M・チュウ監督が抜擢された。
こうしてミランダとジョン・M・チュウ、2大ヒットメーカーのコラボが実現した本作。全米公開はもうまもなく6月11日に控えており、ニューヨークの片隅、“ワシントン・ハイツ”から一大センセーショナルが巻き起こるに違いない。
『イン・ザ・ハイツ』は7月30日(金)より全国にて公開。
●「イン・ザ・ハイツ」はトニー賞4冠&グラミー賞に輝くブロードウェイミュージカル
「イン・ザ・ハイツ」の草稿が完成したのは2000年のこと。のちに『メリー・ポピンズ リターンズ』のジャック役や、同じくディズニー作品の『モアナと伝説の海』の楽曲を手掛けることで映画ファンの間でも有名になるリン=マニュエル・ミランダが、ウェズリアン大学在学中に書き上げた。80分間の一幕ものでキャンパス内での3日間の上演だったが、作詞・作曲も手掛けるミランダの才能に大きな注目が集まった。
その後、現在のかたちにスケールアップさせたのは劇作家のキアラ・アレグリア・ウデス。舞台製作者のジル・ファーマンがウデスの戯曲に「イン・ザ・ハイツ」との共通点を見いだし2人を引き合わせた。このコラボにより「イン・ザ・ハイツ」は2007年にオフ・ブロードウェイでの上演が決定。そして2008年にオン・ブロードウェイへと進出すると、たちまち観客や批評家を夢中にさせて大ヒット。
トニー賞13部門の候補に入り、作品、楽曲、振付、編曲の4部門を制覇。そして、劇中歌を収録したアルバムがグラミー賞の最優秀ミュージカルアルバム賞を受賞。いちやくリン=マニュエル・ミランダの名を世に知らしめた。
●紆余曲折があった映画化、満を辞して今年公開!
ブロードウェイで大ヒットしていた頃、米大手映画会社ユニバーサル・ピクチャーズが映画化権を早々に取得。「ハイスクール・ミュージカル」の監督でも知られるケニー・オルテガが起用され、2011年の全米公開を目指していた。
しかし、この企画は途中で頓挫。そこから数年間の沈黙を破り2016年5月、ミランダがワインスタイン・カンパニー(TWC)とタッグを組んで映画化に着手したとの報道が出る。だが、承知の通り2017年10月、TWCの創業者ハーヴェイ・ワインスタインの性暴行問題が浮上。告発が相次ぎ、その影響で経営困難に陥ったTWCは「イン・ザ・ハイツ」の権利も手放すことになった。
その後、ワーナー・ブラザースが映画化権を取得。ミランダが手掛けたミュージカル「ハミルトン」の社会現象級のヒットもあり、複数の会社から手があがり争奪戦は激化したが、米「Deadline」によれば、パラマウント・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー、Netflix、Appleなどの強豪を抑えワーナー・ブラザースがおよそ5000万ドルで獲得したという。そして、この大きな期待がかかった企画に『クレイジー・リッチ!』が大ヒットとなったジョン・M・チュウ監督が抜擢された。
こうしてミランダとジョン・M・チュウ、2大ヒットメーカーのコラボが実現した本作。全米公開はもうまもなく6月11日に控えており、ニューヨークの片隅、“ワシントン・ハイツ”から一大センセーショナルが巻き起こるに違いない。
『イン・ザ・ハイツ』は7月30日(金)より全国にて公開。
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