アスペルガー症候群の友達と耳がきこえない監督の“心の越境”ドキュメンタリー『友達やめた。』予告編
シネマカフェ2020年7月7日(火)19時30分
生まれつき耳の聞こえない映画監督が、アスペルガー症候群の友人との関係に悩み、彼女と友達でいる方法を考えるために、自分たちに向けてカメラを回したドキュメンタリー映画 『友達やめた。』の公開が決定。予告編とともに、今村彩子監督と“まあちゃん”からのコメントが到着した。
空気を読みすぎて疲れてしまい、人と器用につき合うことができない、アスペルガー症候群のまあちゃん。理解があるような顔をして内心、悶々としたものをかかえる映画監督のわたし。些細なことで、ふたりの仲がギクシャクするたび、これって、彼女がアスペだから? それとも、わたし自身の問題なの? わかり合おうとしなくちゃ…いい人でいなくちゃ…ああ、でも! まあちゃんと友達でいるために、わたしは自分たちに向けてカメラを回しはじめた…はずが、たどりついた答えは、友達やめた!?
沖縄~北海道日本縦断の自転車旅を通してコミュニケーションの壁に苦しむ自身の姿を、エイヤ!と晒した『Start Line』から4年、生まれつき耳のきこえない今村監督が、新たな葛藤と向きあっていく本作。人と人ってほんとうに分かりあえるの? 友達って何? 普通ってどういうこと? わたしたちを縛るやっかいな“常識”を捨て、もっと自由に軽やかに、心と心を重ねあう。ヒリヒリして、イラッときて…でも何だかほっこりする、まあちゃんとわたし、ふたりの“違い”から生まれたものがたり。
“見えない障がい”といわれる発達障がい当事者の困りごとにフォーカスを当てるのではなく、「自分と異なるバックグラウンドをもつ人とどうすればうまく共存できるのか」という極めて本質的な問題について、理想論だけではなく感情の部分にまでしっかりと向きあった本作は、<わたし=今村監督>と<まあちゃん>、ふたりだけの小さな世界の物語でありながら、誰しもが経験したことのある人間関係のすれ違いや心のモヤモヤを描き、人間の面倒くささとややこしさ、その尊さと愛おしさを嫌味なく感じさせつつ、クスリと笑える作品に仕上げている。
監督 今村彩子
これまで私は「耳がきこえない」という少数派として、物事を捉え考えて生きてきた。でも、アスペルガー症候群のまあちゃんから見ると私は「一般の脳みそ」を持った人間、多数派となる。私は“多数派”に立った経験がほとんどない。まあちゃんと親しくなるにつれ、行動で戸惑うことも出てきた。その度、私は悩み、葛藤するようになった。 そこで、私はまあちゃんを「撮る」ことにした。どうしたらまあちゃんと仲良くやっていけるのかを考えるために。撮ったものを画面で見て、更に編集することで客観的に見つめられると思ったのだ。「友達やめた。」は、こうして生まれた。
「いい○○(友達、家族、パートナー etc…)でありたい」と考える人は多いと思う。でも、自分の役割を果たさなければと、頑張りすぎてはいないだろうか。実際、私は「いい友達でいなきゃ」と、たくさんのことを飲み込み、我慢を続けて爆発した…。この映画が「○○でなければいけない」と自分で自分を縛りつけている縄をほどき、あなたが気にかけているあの人との人間関係を見直すきっかけになったら、こんなに嬉しいことはない。
出演者 まあちゃん
初めて監督に会ったのは、12年前のこと。お互いあいさつ程度で、話した記憶はない。わたしは監督が映画を作っている人だということを知っていたが、「食っていけてるんだろうかこの人は?」と思っていた。
意気投合してひんぱんに会うようになり、ちょいちょい「まあちゃんを撮りたい」と言い出すようになった。わたしに何のネタがあるのか?と、ほとんど聞き流していた。冗談で言ってるのだろうと思っていた。それぐらいの空気はわたしにだって読める。
わたしの知り合いの中で「いただきますを言わないから」「飲み物を勝手に飲んだから」「お菓子を勝手に取ったから」「ピシッと叩いたから」といって本気で怒るのは、監督だけだ。なぜそんなに怒るのか、わたしには正直わからない。いまでもわからない。
人はしょせんわかり合えない。それは圧倒的事実だ。
大事なのは、わかりたいという気持ち、わかろうとする努力なのだと思う。
『友達やめた。』 は9月19日(土)より新宿K's cinemaほか全国にて順次公開。
空気を読みすぎて疲れてしまい、人と器用につき合うことができない、アスペルガー症候群のまあちゃん。理解があるような顔をして内心、悶々としたものをかかえる映画監督のわたし。些細なことで、ふたりの仲がギクシャクするたび、これって、彼女がアスペだから? それとも、わたし自身の問題なの? わかり合おうとしなくちゃ…いい人でいなくちゃ…ああ、でも! まあちゃんと友達でいるために、わたしは自分たちに向けてカメラを回しはじめた…はずが、たどりついた答えは、友達やめた!?
沖縄~北海道日本縦断の自転車旅を通してコミュニケーションの壁に苦しむ自身の姿を、エイヤ!と晒した『Start Line』から4年、生まれつき耳のきこえない今村監督が、新たな葛藤と向きあっていく本作。人と人ってほんとうに分かりあえるの? 友達って何? 普通ってどういうこと? わたしたちを縛るやっかいな“常識”を捨て、もっと自由に軽やかに、心と心を重ねあう。ヒリヒリして、イラッときて…でも何だかほっこりする、まあちゃんとわたし、ふたりの“違い”から生まれたものがたり。
“見えない障がい”といわれる発達障がい当事者の困りごとにフォーカスを当てるのではなく、「自分と異なるバックグラウンドをもつ人とどうすればうまく共存できるのか」という極めて本質的な問題について、理想論だけではなく感情の部分にまでしっかりと向きあった本作は、<わたし=今村監督>と<まあちゃん>、ふたりだけの小さな世界の物語でありながら、誰しもが経験したことのある人間関係のすれ違いや心のモヤモヤを描き、人間の面倒くささとややこしさ、その尊さと愛おしさを嫌味なく感じさせつつ、クスリと笑える作品に仕上げている。
監督 今村彩子
これまで私は「耳がきこえない」という少数派として、物事を捉え考えて生きてきた。でも、アスペルガー症候群のまあちゃんから見ると私は「一般の脳みそ」を持った人間、多数派となる。私は“多数派”に立った経験がほとんどない。まあちゃんと親しくなるにつれ、行動で戸惑うことも出てきた。その度、私は悩み、葛藤するようになった。 そこで、私はまあちゃんを「撮る」ことにした。どうしたらまあちゃんと仲良くやっていけるのかを考えるために。撮ったものを画面で見て、更に編集することで客観的に見つめられると思ったのだ。「友達やめた。」は、こうして生まれた。
「いい○○(友達、家族、パートナー etc…)でありたい」と考える人は多いと思う。でも、自分の役割を果たさなければと、頑張りすぎてはいないだろうか。実際、私は「いい友達でいなきゃ」と、たくさんのことを飲み込み、我慢を続けて爆発した…。この映画が「○○でなければいけない」と自分で自分を縛りつけている縄をほどき、あなたが気にかけているあの人との人間関係を見直すきっかけになったら、こんなに嬉しいことはない。
出演者 まあちゃん
初めて監督に会ったのは、12年前のこと。お互いあいさつ程度で、話した記憶はない。わたしは監督が映画を作っている人だということを知っていたが、「食っていけてるんだろうかこの人は?」と思っていた。
意気投合してひんぱんに会うようになり、ちょいちょい「まあちゃんを撮りたい」と言い出すようになった。わたしに何のネタがあるのか?と、ほとんど聞き流していた。冗談で言ってるのだろうと思っていた。それぐらいの空気はわたしにだって読める。
わたしの知り合いの中で「いただきますを言わないから」「飲み物を勝手に飲んだから」「お菓子を勝手に取ったから」「ピシッと叩いたから」といって本気で怒るのは、監督だけだ。なぜそんなに怒るのか、わたしには正直わからない。いまでもわからない。
人はしょせんわかり合えない。それは圧倒的事実だ。
大事なのは、わかりたいという気持ち、わかろうとする努力なのだと思う。
『友達やめた。』 は9月19日(土)より新宿K's cinemaほか全国にて順次公開。
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