【ネタバレなし】映画「マーベルズ」に超ド級のサプライズが / 良くも悪くも感じた成熟したシリーズ作品の難しさ
ロケットニュース242023年11月10日(金)6時0分
2023年11月10日、映画『マーベルズ』が公開される。本作はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のフェーズ5にして第46弾(映画だと32作目)で、キャプテン・マーベルとしては2作目の作品となっている。
私(サンジュン)は一足お先に『マーベルズ』を鑑賞してきたのだが、最後の最後に超ド級のサプライズが! ただし、それも含めて良くも悪くも「マーベルはどうしたらいいのかね?」と考えさせられる内容であった。
・3人のヒーロー
本作の絶対的な主人公「キャプテン・マーベル(キャロル・ダンバース)」は、アベンジャーズ内でも最強クラスの戦闘力を誇ることで知られている。エンドゲームの終盤のキャプテン・マーベルは最高に強かったなぁ……!
で、本作は『マーベルズ』のタイトル通り、キャプテン・マーベル以外の “マーベル” が登場する。まずは以下であらすじをご覧いただこう。
「アベンジャーズ最強のヒーロー、キャプテン・マーベル。キャプテン・マーベルを家族のように慕う敏腕エージェント、モニカ・ランボー。アベンジャーズオタクで中でも特にキャプテン・マーベル推しの高校生ヒーロー、ミズ・マーベル(カマラ・カーン)。3人は突如、共通する謎の現象に見舞われる。
そんな中、キャプテン・マーベルの “ある過去” を憎み復讐を誓う謎の敵が出現。一人では救えない危機が迫る中、3人はチームを結成することに。果たしてアベンジャーズ最強のヒーローは、チーム一丸となり危機を乗り切ることができるのか?」
・超ド級のサプライズ
ネタバレを控えるため超ざっくりな言い方になるが『マーベルズ』は、普通におもしろい。もちろん個人の好みにより「ちょっとなぁ」という箇所もあるにはあったが、全体を通せば劇場に足を運んで「損したな」とは思わない作品と言えるだろう。
また特に終盤ではマーベル作品の中でも指折りの “超ビッグサプライズ” が待ち受けている。仮にアメリカの映画館なら大騒ぎになること間違いなし! それも含めてマーベル作品ファンなら『マーベルズ』は自信を持ってオススメだ。
・諸刃の剣
さて、劇場で『マーベルズ』を観終えた私は、率直に「マーベルの良さも悪さも出た作品だったな」と感じた次第である。さらに言えば「良くも悪くも」と捉えられることも多かった。やや難解かもしれないが、なるべくわかりやすく説明したい。
まずシンプルに良かった点は、内容自体が一定のマーベル水準を超えていたところ。エンドゲーム以降、興行収入的にはドカンと爆発しないマーベル作品ではあるものの、ごくごく一部の作品を除いて「映画として面白い作品」がほとんどである。
ディスるワケではないし個人の価値観も大いに関係しているが、初期のMCU作品の中には「今だったら考えられないクオリティの作品」が意外と紛れている……と思う。確信を持って「現在のマーベル映画はハイクオリティ」と言い切ってもいい。
・本格的な伏線回収へ
また、本作では「本格的な伏線回収」のターンに入った点もプラスポイントだ。モニカ・ランボーはドラマ「ワンダヴィジョン」でパワーを得ており、カマラ・カーンはドラマ「ミズ・マーベル」でデビューしたヒーローである。
エンドゲーム以降「ロキ」「ムーンナイト」「シーハルク」「ホークアイ」……などなど、複数のオリジナルドラマで種をまいてきたMCUだが、マーベルズでは「いよいよ収穫のフェーズに入ったな」と胸が熱くならざるを得なかった。
一方で「ドラマを観てない人はどう思うのだろう?」と感じたことも事実。ドラマを観ていなくても違和感はないだろうが、思い入れや事前知識があると無しでは感じ方は違うハズ。壮大なMCUの世界観をどこまで理解しているかによって、感度は異なるに違いない。
・嬉しいけど!
さらに付け加えると、マーベル作品のお約束「本編終了後のサプライズ」に頼りすぎるのはどうなのかと感じた次第だ。マーベルはとにかくカードが豊富なため、我々が想定していないサプライズをいとも簡単に繰り出して来る。ある意味でマーベル作品最大の強みと言えよう。
私自身、それに興奮してしまう性質(たち)なのだが、サプライズが強すぎると本編の印象が薄くなってしまう感は否めない。またそのサプライズもある程度のマーベル脳が必要なため「痛しかゆし」の側面があるハズだ。
・成熟してきたがゆえ
先述のようにエンドゲーム以降、ドカンと爆発しないマーベル作品ではあるが、そのクオリティも壮大さも確実にパワーアップしている。ただ「それを追いかけるがまあまあ大変」という点が非常に悩ましい。
なので私のようなマーベルオタクからすれば「この路線で突っ走って欲しい!」と思う一方で、一般層も巻き込まないとMCU自体が縮小しかねないという現実。地球上の全員がマーベル好きになってくれればいいが、そういうワケにはいかないもんなぁ。
ざっと以上が『マーベルズ』で「良くも悪くも」と感じたポイントである。本作のビッグサプライズに、私はアメリカ人ばりに「ワーオ」と口に出してしまったが、なんのこっちゃ理解できない方もいらっしゃるハズ。MUCが成熟してきたがゆえの難しさを感じずにはいられなかった。
ただし、マーベルを全く知らない人でも『マーベルズ』は娯楽作品として楽しめるハズ。やっぱり強いぜ、キャプテン・マーベル。映画『マーベルズ』は2023年11月10日に公開だ。
参考リンク:マーベルズ公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:(c)2023 Marvel
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私(サンジュン)は一足お先に『マーベルズ』を鑑賞してきたのだが、最後の最後に超ド級のサプライズが! ただし、それも含めて良くも悪くも「マーベルはどうしたらいいのかね?」と考えさせられる内容であった。
・3人のヒーロー
本作の絶対的な主人公「キャプテン・マーベル(キャロル・ダンバース)」は、アベンジャーズ内でも最強クラスの戦闘力を誇ることで知られている。エンドゲームの終盤のキャプテン・マーベルは最高に強かったなぁ……!
で、本作は『マーベルズ』のタイトル通り、キャプテン・マーベル以外の “マーベル” が登場する。まずは以下であらすじをご覧いただこう。
「アベンジャーズ最強のヒーロー、キャプテン・マーベル。キャプテン・マーベルを家族のように慕う敏腕エージェント、モニカ・ランボー。アベンジャーズオタクで中でも特にキャプテン・マーベル推しの高校生ヒーロー、ミズ・マーベル(カマラ・カーン)。3人は突如、共通する謎の現象に見舞われる。
そんな中、キャプテン・マーベルの “ある過去” を憎み復讐を誓う謎の敵が出現。一人では救えない危機が迫る中、3人はチームを結成することに。果たしてアベンジャーズ最強のヒーローは、チーム一丸となり危機を乗り切ることができるのか?」
・超ド級のサプライズ
ネタバレを控えるため超ざっくりな言い方になるが『マーベルズ』は、普通におもしろい。もちろん個人の好みにより「ちょっとなぁ」という箇所もあるにはあったが、全体を通せば劇場に足を運んで「損したな」とは思わない作品と言えるだろう。
また特に終盤ではマーベル作品の中でも指折りの “超ビッグサプライズ” が待ち受けている。仮にアメリカの映画館なら大騒ぎになること間違いなし! それも含めてマーベル作品ファンなら『マーベルズ』は自信を持ってオススメだ。
・諸刃の剣
さて、劇場で『マーベルズ』を観終えた私は、率直に「マーベルの良さも悪さも出た作品だったな」と感じた次第である。さらに言えば「良くも悪くも」と捉えられることも多かった。やや難解かもしれないが、なるべくわかりやすく説明したい。
まずシンプルに良かった点は、内容自体が一定のマーベル水準を超えていたところ。エンドゲーム以降、興行収入的にはドカンと爆発しないマーベル作品ではあるものの、ごくごく一部の作品を除いて「映画として面白い作品」がほとんどである。
ディスるワケではないし個人の価値観も大いに関係しているが、初期のMCU作品の中には「今だったら考えられないクオリティの作品」が意外と紛れている……と思う。確信を持って「現在のマーベル映画はハイクオリティ」と言い切ってもいい。
・本格的な伏線回収へ
また、本作では「本格的な伏線回収」のターンに入った点もプラスポイントだ。モニカ・ランボーはドラマ「ワンダヴィジョン」でパワーを得ており、カマラ・カーンはドラマ「ミズ・マーベル」でデビューしたヒーローである。
エンドゲーム以降「ロキ」「ムーンナイト」「シーハルク」「ホークアイ」……などなど、複数のオリジナルドラマで種をまいてきたMCUだが、マーベルズでは「いよいよ収穫のフェーズに入ったな」と胸が熱くならざるを得なかった。
一方で「ドラマを観てない人はどう思うのだろう?」と感じたことも事実。ドラマを観ていなくても違和感はないだろうが、思い入れや事前知識があると無しでは感じ方は違うハズ。壮大なMCUの世界観をどこまで理解しているかによって、感度は異なるに違いない。
・嬉しいけど!
さらに付け加えると、マーベル作品のお約束「本編終了後のサプライズ」に頼りすぎるのはどうなのかと感じた次第だ。マーベルはとにかくカードが豊富なため、我々が想定していないサプライズをいとも簡単に繰り出して来る。ある意味でマーベル作品最大の強みと言えよう。
私自身、それに興奮してしまう性質(たち)なのだが、サプライズが強すぎると本編の印象が薄くなってしまう感は否めない。またそのサプライズもある程度のマーベル脳が必要なため「痛しかゆし」の側面があるハズだ。
・成熟してきたがゆえ
先述のようにエンドゲーム以降、ドカンと爆発しないマーベル作品ではあるが、そのクオリティも壮大さも確実にパワーアップしている。ただ「それを追いかけるがまあまあ大変」という点が非常に悩ましい。
なので私のようなマーベルオタクからすれば「この路線で突っ走って欲しい!」と思う一方で、一般層も巻き込まないとMCU自体が縮小しかねないという現実。地球上の全員がマーベル好きになってくれればいいが、そういうワケにはいかないもんなぁ。
ざっと以上が『マーベルズ』で「良くも悪くも」と感じたポイントである。本作のビッグサプライズに、私はアメリカ人ばりに「ワーオ」と口に出してしまったが、なんのこっちゃ理解できない方もいらっしゃるハズ。MUCが成熟してきたがゆえの難しさを感じずにはいられなかった。
ただし、マーベルを全く知らない人でも『マーベルズ』は娯楽作品として楽しめるハズ。やっぱり強いぜ、キャプテン・マーベル。映画『マーベルズ』は2023年11月10日に公開だ。
参考リンク:マーベルズ公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:(c)2023 Marvel
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