「竜」の争いに見る、中国経済への読み誤り―豪メディア
14日、環球時報は、「竜」の英語訳をめぐる論争から、西側が往々にして中国に対する見方を誤る要因が垣間見えるとするオーストラリアメディアの文章を紹介する記事を掲載した。
2024年3月14日、中国メディアの環球時報は、「竜」の英語訳をめぐる論争から、西側が往々にして中国に対する見方を誤る要因が垣間見えるとするオーストラリアメディアの文章を紹介する記事を掲載した。
記事は、オーストラリアのウェブメディア「Pearls and Irritations」の11日付文章を紹介している。文章は、辰年にあたる今年に入って「竜」の英語名をめぐる激しい論争が起きており、中国人が西洋の伝説中に存在する「ドラゴン」ではなく中国語を音訳した「ロン(loong)」を用いるべきだとの主張をますます強めているとし、この論争からは「なぜ中国経済に対する西洋の誤った解釈があふれ、このような表面的で陳腐な解釈によってミスリードが起きやすくなっているのか」が見て取れると指摘した。
そして、米国のある学者が2001年に中国を「崩壊寸前」だと予測したものの、その後中国経済は急成長して08年の金融危機から世界を救う大きな役割を果たしたと紹介したほか、15年にも米国の中国政治学者デイビッド・シャンボー氏が「中国の終末が始まった」と主張する「同じ間違い」を犯し、近ごろ欧米メディアが再び新たな「中国崩壊論」を唱えていると伝えた。
その上で、不確実性が高まる世界において一国の発展を左右する要素は実に雑多だとする一方で、対中強硬派は根深い偏見によって理性が雲隠れし、中国経済に対してバランスの倒れた見方や予測をすることが難しくなっていると指摘。また、西側の経済学者が往々にして、中国とはまったく異なる自国の経済モデルを使って中国を研究していることも大きな問題だとしている。
文章は、中国には市場の役割を強調すると同時に、政府が社会や経済のマネジメントでしかるべき役割を果たすという独特の経済統治システムがあり、中国経済の現状や先行きを判断する上で、この点を考慮すべきであることを指摘した。
そして「世界経済が低迷する中、中国経済に対する誤った解釈が増えれば、政策立案者や投資家が誤った判断を下すことになりかねない」とし、西洋の物差しで中国を見ようとすることに起因する「竜」の論争は、中国と西洋の理解の溝を埋めるために、より多くのコミュニケーションが必要であることを示唆しているとの見解を示した。(翻訳・編集/川尻)
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