中国企業に対抗?45億ユーロの投資でドイツに電池の「スーパー工場」建設―独メディア
28日、環球時報は、ドイツで45億ユーロを投じたEV用電池のスーパー工場プロジェクトが始動したことを報じた。
2024年3月28日、中国メディアの環球時報は、ドイツで45億ユーロ(約7400億円)を投じた電気自動車(EV)用電池のスーパー工場プロジェクトが始動したことを報じた。
記事は、ドイツメディアの報道として、スウェーデンの電池メーカー・ノースボルトがドイツに投資するスーパー工場の定礎式が25日にデンマークに近いシュレスウィヒ・ホルスタイン州で行われ、ドイツのショルツ首相を含む複数の政府関係者が出席したと紹介。投資規模は45億ユーロに上り、ドイツがここ数年進めている新エネルギー技術産業チェーン構築の象徴的なアクションだとした上で、2026年に予定している生産開始後は年間100万台分のEV向けに電池を供給できると伝えた。
また、同社がドイツに工場を建設する背景として「欧米間の新エネ助成競争によるところが大きい。当初は『インフレ削減法』による手厚い補助を目当てとして米国への工場設置を検討していたが、ドイツが工場建設に9億ユーロを超える補助を出す政策を打ち出したことで逆転した」というアナリストの見方を紹介するとともに、独キール世界研究所のシュラディック所長が「ノースボルトの工場建設コストは非常に高い。経済的に見て、ドイツ政府の補助が本当に割に合うものかどうかはわからない」との見解を示したことを伝えた。
さらに、同社の電池生産能力についてドイツメディアが「近ごろリチウムイオン電池を開発したが、中国企業が現在優位性を持つリチウムイオン電池製品の代わりとなるためには、さらにエネルギー密度の高い次世代製品を研究開発する必要がある」と指摘したほか、工場が技術者不足、大きなプロジェクトを支える上でインフラが不十分といった問題にも直面していると報じていることを紹介した。
このほか、ドイツメディアが中国の電池産業は依然として欧州域内で高い競争力を保っているとし、スイスUBSが「2027年には中国電池メーカーのEU市場シェアが50%にまで高まる可能性がある」との予測を示していることなども伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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