「カジノの商売、手伝って」金正恩氏がトランプ氏に要請か
韓国紙・東亜日報は5日、米韓外交筋の情報として、北朝鮮の金正恩党委員長がトランプ米大統領に対し、国内で建設しているカジノなど観光施設への投資協力を要請したと伝えた。
売春と薬物も
同紙によれば、金正恩氏の協力要請は1日、北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長がトランプ氏とホワイトハウスで会談した際に伝えられた。北朝鮮は現在、日本海に面した東海岸に大規模リゾート「元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区」を造成中だ。近くには馬息嶺(マシンリョン)スキー場もある。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、金正恩氏は最近、ここにワールドクラスのカジノホテルを建設するよう指示を下したとされる。
核兵器開発を巡る経済制裁で、石炭や海産物の輸出、労働者の海外派遣の道を封じられた北朝鮮は、観光産業で外貨収入の不足を補おうとしていると見られる。東亜日報によれば、韓国政府は北朝鮮のカジノ・リゾートが年間5000万ドル(約55億円)の外貨を稼ぎだすと見ているという。
ちなみに、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が民間衛星写真の分析結果として伝えたところでは、この現場はもともと、中距離弾道ミサイル「火星10」(ムスダン)や、短距離地対艦ミサイルの発射実験が行われていた場所だという。
昨年3月には、運搬中だったミサイルが爆発する事故も起きた。
このような場所がリゾート施設に生まれ変わり、米国の大統領に投資協力を求めるというのも、非核化に向けた「本気度」を示すための、金正恩氏なりの演出でもあるのだろうか。
一方、RFAによると、カジノ建設の方針を受けて庶民の間では「わが国に国家認定の賭博場ができるなんて!」と困惑が広がっているという。それも当然だろう。賭博は売春や覚せい剤の乱用などと並び、北朝鮮当局が忌み嫌う資本主義文化の典型とされており、法律でも厳しく禁じられているからだ。また、この3つは「セット」で行われることも多く、北朝鮮当局はその蔓延に手を焼いている。
カジノの設置を不安がる世論が出るのは、日本も北朝鮮も同じであるようだ。
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