タブレットを買うときの通信種別について 【岡嶋教授のデジタル指南】
OVO[オーヴォ]2024年3月25日(月)12時43分
現状ではタブレットに限らず多くの情報端末が何らかの通信機能を持っています。過去から言われていた「どこでもコンピューティング」「ユビキタスコンピューティング」などが、様式の違いはあれど実現しつつある状況です。
そこでタブレットです。まず、通信機能なしという選択肢自体がほとんどありませんから、移動体通信(SIMを挿して、携帯の電波を使う)なのか、Wi-Fiを使うのかから選択することになると思います。外回りの多い仕事であれば、移動体通信のつながり易さは魅力です。いくらWi-Fiスポットが増えたといっても、多くのエリアをカバーしているわけではありません。
もっともSIM搭載モデルは高いですし、月々のランニングコストもかかってくるので、本当にそれが必要なのかは慎重に判断しましょう。仕事で使うものであって、会社がタブレットの費用も日々の通信費も支払ってくれるのであれば、大手を振って買ってもらうのがいいと思います。
個人での利用であれば、コストはなるべく抑えたいところです。もし外で活用する機会が多くても、スマホでつなぎ放題の契約をしているようでしたら、テザリング(スマホを母艦として、スマホとタブレットの間をWi-Fiでつなぐ)で良いと思います。スマホとタブレットの両方で携帯電話料金を支払わなくてもよいでしょう。その場合、タブレットの側は安価なWi-Fiモデルを選択します。
あまり出歩かず、自宅の無線通信環境も整備されている方にとっても、Wi-Fiモデルがコスパのよい選択肢です。Wi-Fiは基本的には、新しいものほど高性能で安全なので、できる限り新しいものを選択します。そんなにコストのかかる部品ではないので、いま売っているモデルであれば、その時々の最新版のWi-Fi技術が搭載されていると思います。
Wi-FiのバージョンはWi-Fi 6、Wi-Fi 7のように表記されるようになり、だいぶ分かりやすくなったので、自分でも確認してみましょう。数字が大きいほど新しいバージョンです。ただし、通信は相手があって初めて成立する行為ですから、どこに接続するかも勘案する必要があります。
古い仕様のWi-Fiは通信速度が遅かったり、セキュリティーが脆弱(ぜいじゃく)だったりしますが、自宅のアクセスポイントが古いので、どうしても古いWi-Fiとして機能させなければならないケースもあると思います(おすすめしませんが)。その場合は、後方互換性といって、過去のバージョンを利用できるかどうか確認することになります。
自宅でしか使わず、あまり出歩きもしないのだけれども、そもそも自宅に通信環境がないんだという方もおられるでしょう。通信を全く使わずに、例えばタブレットをメモ帳代わりに使うような方法もありますが、せっかくのタブレットの機能をほとんど使わない運用になります。せっかくの機会ですから、もしこれに該当する方は移動体通信の契約をしてネットワークにつながった情報機器の便利さを体験してみてはいかがでしょうか。
【著者略歴】
岡嶋 裕史(おかじま ゆうし) 中央大学国際情報学部教授/政策文化総合研究所所長。富士総合研究所、関東学院大学情報科学センター所長を経て現職。著書多数。近著に「思考からの逃走」「プログラミング/システム」(日本経済新聞出版)、「インターネットというリアル」(ミネルヴァ書房)、「メタバースとは何か」「Web3とは何か」(光文社新書)など。
そこでタブレットです。まず、通信機能なしという選択肢自体がほとんどありませんから、移動体通信(SIMを挿して、携帯の電波を使う)なのか、Wi-Fiを使うのかから選択することになると思います。外回りの多い仕事であれば、移動体通信のつながり易さは魅力です。いくらWi-Fiスポットが増えたといっても、多くのエリアをカバーしているわけではありません。
もっともSIM搭載モデルは高いですし、月々のランニングコストもかかってくるので、本当にそれが必要なのかは慎重に判断しましょう。仕事で使うものであって、会社がタブレットの費用も日々の通信費も支払ってくれるのであれば、大手を振って買ってもらうのがいいと思います。
個人での利用であれば、コストはなるべく抑えたいところです。もし外で活用する機会が多くても、スマホでつなぎ放題の契約をしているようでしたら、テザリング(スマホを母艦として、スマホとタブレットの間をWi-Fiでつなぐ)で良いと思います。スマホとタブレットの両方で携帯電話料金を支払わなくてもよいでしょう。その場合、タブレットの側は安価なWi-Fiモデルを選択します。
あまり出歩かず、自宅の無線通信環境も整備されている方にとっても、Wi-Fiモデルがコスパのよい選択肢です。Wi-Fiは基本的には、新しいものほど高性能で安全なので、できる限り新しいものを選択します。そんなにコストのかかる部品ではないので、いま売っているモデルであれば、その時々の最新版のWi-Fi技術が搭載されていると思います。
Wi-FiのバージョンはWi-Fi 6、Wi-Fi 7のように表記されるようになり、だいぶ分かりやすくなったので、自分でも確認してみましょう。数字が大きいほど新しいバージョンです。ただし、通信は相手があって初めて成立する行為ですから、どこに接続するかも勘案する必要があります。
古い仕様のWi-Fiは通信速度が遅かったり、セキュリティーが脆弱(ぜいじゃく)だったりしますが、自宅のアクセスポイントが古いので、どうしても古いWi-Fiとして機能させなければならないケースもあると思います(おすすめしませんが)。その場合は、後方互換性といって、過去のバージョンを利用できるかどうか確認することになります。
自宅でしか使わず、あまり出歩きもしないのだけれども、そもそも自宅に通信環境がないんだという方もおられるでしょう。通信を全く使わずに、例えばタブレットをメモ帳代わりに使うような方法もありますが、せっかくのタブレットの機能をほとんど使わない運用になります。せっかくの機会ですから、もしこれに該当する方は移動体通信の契約をしてネットワークにつながった情報機器の便利さを体験してみてはいかがでしょうか。
【著者略歴】
岡嶋 裕史(おかじま ゆうし) 中央大学国際情報学部教授/政策文化総合研究所所長。富士総合研究所、関東学院大学情報科学センター所長を経て現職。著書多数。近著に「思考からの逃走」「プログラミング/システム」(日本経済新聞出版)、「インターネットというリアル」(ミネルヴァ書房)、「メタバースとは何か」「Web3とは何か」(光文社新書)など。
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