「実質1円スマホ」がなくなったと聞きました。もうスマホを安く買うことはできませんか?
All About2024年3月28日(木)21時5分
「実質1円スマホ」のしくみと法改正、またスマホを安く購入するための代替プログラムなどについて、「All About」携帯電話・スマートフォンガイドの太田百合子が解説します。
2023年12月末、法改正により「実質1円スマホ」がなくなったことが話題に。消費者にとってはうれしいしくみでしたが、もうスマホを安く購入することはできないのでしょうか?
「実質1円スマホ」について、「All About」携帯電話・スマートフォンガイドの太田百合子が解説します。
(今回の質問)
実質1円スマホがなくなったと聞きました。もうスマホを安く買うことはできませんか?
(回答)
法規制により、以前のような投げ売りはできなくなりましたが、ソフトバンクでは、購入端末を早期に返却することで、「iPhone 15」の実質支払い額が12円など、安価に購入できるしくみも新たに提供されています。
どういうことなのか、以下で詳しく説明します。
2019年10月の法改正で、回線契約を前提とする値引きには2万2000円までという上限が設けられました。しかしその後も、回線契約を前提とするキャンペーンなどでの割引と、販売店によるスマホ本体の割引の合わせ技によって、実質1円スマホは続きます。一方で安価に購入された端末が転売されるケースも増え、問題視されていました。
そこでガイドラインが見直され、2023年12月27日からは、回線契約を伴わないスマホの割引額も規制の対象となるように、ルールが変更されています。割引の上限額は4万4000円で、上限額は端末の価格によって変動。8万8000円以上の場合は4万4000円引きまでですが、4万4000円〜8万8000円の場合は50%引きまで、4万4000円以下の場合は2万2000円引きまでと定められています。
例えばドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルでは現在、一定の条件のもと端末を割賦払い(48回など)で購入し、一定期間(24回など)支払ったタイミングで返却すると、残りの支払いが免除されるといった、端末の購入プログラムを提供しています。キャリアによってしくみに多少の違いはありますが、いずれもその端末の2年後の下取り価格を推定してその分の金額を差し引いたり、その金額を原資にして残債分を免除するしくみです。
ソフトバンクは今回の改正にあわせてこのプログラムを一新し、従来の「新トクするサポート(スタンダード)」に加えて、最短12回の支払い後に端末を返却できる「新トクするサポート(バリュー)」を開始しました。返すタイミングをより下取り価格の高い1年後にすることで、ルール変更後もこれまでと同様に、スマホを安価に購入できるようにしています。
「新トクするサポート(バリュー)」の対象端末はその時々で変化しますが、ソフトバンクにMNPして「iPhone15(128GB)」をこのプログラムで購入した場合、ソフトバンクオンラインショップのMNPによる割引を加味すると、13ヵ月目に返却する場合の実質的な支払い額は月額1円×12回=12円(2024年3月時点)。
新しい端末を次々に乗り換えたい人にとっては、従来の実質1円スマホ並みに安価に購入できるしくみと言えそうです。
この記事の筆者:太田 百合子
3度の食事と同じくらい、デジタルガジェットが大好物なスマホ女史ライター。あれこれ自腹買いして試した知識と経験をもとに、デジタルが苦手という女性や初心者の方にもわかりやすく、スマートフォン・タブレットの選び方・楽しみ方を紹介します。
(文:太田 百合子)
「実質1円スマホ」について、「All About」携帯電話・スマートフォンガイドの太田百合子が解説します。
(今回の質問)
実質1円スマホがなくなったと聞きました。もうスマホを安く買うことはできませんか?
(回答)
法規制により、以前のような投げ売りはできなくなりましたが、ソフトバンクでは、購入端末を早期に返却することで、「iPhone 15」の実質支払い額が12円など、安価に購入できるしくみも新たに提供されています。
どういうことなのか、以下で詳しく説明します。
法改正により「実質1円スマホ」は消滅
実質1円のように極端な値引きによるスマホの販売方法は、キャリアがユーザーを囲い込むための施策として行われてきたものです。2019年10月の法改正で、回線契約を前提とする値引きには2万2000円までという上限が設けられました。しかしその後も、回線契約を前提とするキャンペーンなどでの割引と、販売店によるスマホ本体の割引の合わせ技によって、実質1円スマホは続きます。一方で安価に購入された端末が転売されるケースも増え、問題視されていました。
そこでガイドラインが見直され、2023年12月27日からは、回線契約を伴わないスマホの割引額も規制の対象となるように、ルールが変更されています。割引の上限額は4万4000円で、上限額は端末の価格によって変動。8万8000円以上の場合は4万4000円引きまでですが、4万4000円〜8万8000円の場合は50%引きまで、4万4000円以下の場合は2万2000円引きまでと定められています。
代わりに「実質12円スマホ」が登場!?
そもそも価格が安い端末はともかく、高価な端末を実質1円のように投げ売りすることはできなくなったのですが、ではもう以前のようにスマホを安く買えないのかというと、そうとも言い切れません。例えばドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルでは現在、一定の条件のもと端末を割賦払い(48回など)で購入し、一定期間(24回など)支払ったタイミングで返却すると、残りの支払いが免除されるといった、端末の購入プログラムを提供しています。キャリアによってしくみに多少の違いはありますが、いずれもその端末の2年後の下取り価格を推定してその分の金額を差し引いたり、その金額を原資にして残債分を免除するしくみです。
ソフトバンクは今回の改正にあわせてこのプログラムを一新し、従来の「新トクするサポート(スタンダード)」に加えて、最短12回の支払い後に端末を返却できる「新トクするサポート(バリュー)」を開始しました。返すタイミングをより下取り価格の高い1年後にすることで、ルール変更後もこれまでと同様に、スマホを安価に購入できるようにしています。
「新トクするサポート(バリュー)」の対象端末はその時々で変化しますが、ソフトバンクにMNPして「iPhone15(128GB)」をこのプログラムで購入した場合、ソフトバンクオンラインショップのMNPによる割引を加味すると、13ヵ月目に返却する場合の実質的な支払い額は月額1円×12回=12円(2024年3月時点)。
新しい端末を次々に乗り換えたい人にとっては、従来の実質1円スマホ並みに安価に購入できるしくみと言えそうです。
この記事の筆者:太田 百合子
3度の食事と同じくらい、デジタルガジェットが大好物なスマホ女史ライター。あれこれ自腹買いして試した知識と経験をもとに、デジタルが苦手という女性や初心者の方にもわかりやすく、スマートフォン・タブレットの選び方・楽しみ方を紹介します。
(文:太田 百合子)
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