5歳児の2割弱が睡眠問題を抱えていると弘前大が発表、発達特性の因子を解明
マイナビニュース2024年4月16日(火)19時9分
弘前大学は4月15日、2013年から青森県弘前市の全5歳児に対して毎年実施している5歳児発達健診の結果を用いて睡眠に関する疫学調査を行ったところ、5歳の子どもの18%に睡眠問題が存在することがわかったと発表した。
同成果は、弘前大大学院 保健学研究科 心理支援科学専攻の斉藤まなぶ教授らの研究チームによるもの。詳細は、小児患者のケアと子どもの健康に関する全般を扱う学術誌「Frontiers in Pediatrics」に掲載された。
子どもの不眠は、肥満などの健康問題の他、学業成績、認知能力、行動の問題に加え、最悪の場合は自殺に至るケースもあるなど、心身の健康に影響することが近年明らかになってきており、神経発達症(NDS)があると、睡眠の問題が多いことも明らかにされつつある。
そこで研究チームは今回、2013年から毎年実施されている弘前市5歳児発達健診の結果より、(1)5歳における睡眠問題の有病率がどのくらいあるのか、(2)発達障害児がどれくらい多く睡眠問題を抱えているのか、(3)家庭背景や生活習慣は睡眠問題に関係するのか、の3点を明らかにするために研究を行うことにしたとする。
睡眠問題の有病率は、2018年と2019年に弘前市5歳児発達健診に参加した5歳児2055人から算出された。さらに、家庭背景や生活習慣の要因における睡眠問題の有病率を算出するため、2014年と2015年に精密検診に参加した5歳児281名が追加され、合計2336人が対象とされた。
今回は、未就学児のための日本睡眠質問票を用いて、合計スコアが86以上である場合に睡眠問題があると定義され、睡眠に影響を与える10の因子(NDSの診断、誕生月、保育場所、収入、兄弟姉妹の数、就寝時間、起床時間、睡眠時間、入眠遅延、スクリーンタイム(テレビなどの視聴時間)についての調査が行われた。そして解析の結果、誕生月と保育場所を除いた8つの因子において、有意に睡眠障害の有病率が高いグループが判明したという。
また、5歳児の18%に睡眠問題が存在していることも判明した。診断においては、ASDの50.4%、ADHDの39.8%に睡眠問題があった。NDSのない5歳児の睡眠問題の有病率は14.8%であり、ASD児で3.4倍、ADHD児で2.7倍も睡眠問題の有病率が高いことが確かめられた。
家庭環境では、収入200万円未満では30.5%、兄弟姉妹なしで24.2%に睡眠問題があり、生活習慣では就寝時間が22時以降で30.7%、起床時間が7時30分以降で30.7%、睡眠時間が9時間未満で25.3%、入眠遅延が30分以上で35.3%、スクリーンタイムが2時間以上/日で21.1%であり、これらのグループでは睡眠障害の有病率が各因子の中で有意に高いことが明らかにされた。
逆に睡眠障害が少ないグループでは、21時まで(遅くとも22時まで)に寝ること、6時半まで(遅くとも7時半まで)に起きること、20分以内(遅くとも30分以内)に寝付くこと、スクリーンタイムは2時間未満/日にすること、の4つの生活習慣が行われていた。この4つの生活習慣が推奨されるという。
今回の睡眠問題の有病率は、使用する調査尺度や睡眠問題の定義によって結果が変わる可能性があるとする。近年のメタアナリシス(複数の研究結果を統合して、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のこと)でも38~54%と、結果についての一貫性が示されていないという。なお今回用いられた睡眠尺度は大阪大学で開発され、睡眠障害の診断に基づいてカットオフが作られており、日本の子どもの睡眠評価には信頼性が高いものとする。
日本では伝統的に、未就学児は両親や兄弟と一緒に寝るとされており、兄弟姉妹がいる子は兄弟姉妹と一緒に寝、兄弟姉妹がいない子は両親と一緒に寝る。日本人の成人は睡眠時間が短い傾向にあるため、兄弟姉妹がいない子どもは一緒に寝る大人の生活習慣の影響を受けやすい。これは、両親と一緒に寝る子どもは兄弟姉妹と一緒に寝る子どもよりも睡眠問題を生じる可能性が高いことを意味するという。
睡眠は、認知機能、身体的・精神的健康、日中の行動に関連しており、子どもとってとても大切な生理機能。研究チームは今回の結果に対し、子どもの睡眠の問題を詳しく調査し、まずは環境や生活習慣を調整して子どもの睡眠を改善することが重要だとしている。これまでの研究から、簡単な環境や生活習慣の調整によって、子どもの睡眠を改善できることが示されているとした。また、子どもの睡眠の悩みを解決するには、子どもの睡眠に良い生活習慣を発達の早い段階から家族が知っておく必要があるとした。
同成果は、弘前大大学院 保健学研究科 心理支援科学専攻の斉藤まなぶ教授らの研究チームによるもの。詳細は、小児患者のケアと子どもの健康に関する全般を扱う学術誌「Frontiers in Pediatrics」に掲載された。
子どもの不眠は、肥満などの健康問題の他、学業成績、認知能力、行動の問題に加え、最悪の場合は自殺に至るケースもあるなど、心身の健康に影響することが近年明らかになってきており、神経発達症(NDS)があると、睡眠の問題が多いことも明らかにされつつある。
そこで研究チームは今回、2013年から毎年実施されている弘前市5歳児発達健診の結果より、(1)5歳における睡眠問題の有病率がどのくらいあるのか、(2)発達障害児がどれくらい多く睡眠問題を抱えているのか、(3)家庭背景や生活習慣は睡眠問題に関係するのか、の3点を明らかにするために研究を行うことにしたとする。
睡眠問題の有病率は、2018年と2019年に弘前市5歳児発達健診に参加した5歳児2055人から算出された。さらに、家庭背景や生活習慣の要因における睡眠問題の有病率を算出するため、2014年と2015年に精密検診に参加した5歳児281名が追加され、合計2336人が対象とされた。
今回は、未就学児のための日本睡眠質問票を用いて、合計スコアが86以上である場合に睡眠問題があると定義され、睡眠に影響を与える10の因子(NDSの診断、誕生月、保育場所、収入、兄弟姉妹の数、就寝時間、起床時間、睡眠時間、入眠遅延、スクリーンタイム(テレビなどの視聴時間)についての調査が行われた。そして解析の結果、誕生月と保育場所を除いた8つの因子において、有意に睡眠障害の有病率が高いグループが判明したという。
また、5歳児の18%に睡眠問題が存在していることも判明した。診断においては、ASDの50.4%、ADHDの39.8%に睡眠問題があった。NDSのない5歳児の睡眠問題の有病率は14.8%であり、ASD児で3.4倍、ADHD児で2.7倍も睡眠問題の有病率が高いことが確かめられた。
家庭環境では、収入200万円未満では30.5%、兄弟姉妹なしで24.2%に睡眠問題があり、生活習慣では就寝時間が22時以降で30.7%、起床時間が7時30分以降で30.7%、睡眠時間が9時間未満で25.3%、入眠遅延が30分以上で35.3%、スクリーンタイムが2時間以上/日で21.1%であり、これらのグループでは睡眠障害の有病率が各因子の中で有意に高いことが明らかにされた。
逆に睡眠障害が少ないグループでは、21時まで(遅くとも22時まで)に寝ること、6時半まで(遅くとも7時半まで)に起きること、20分以内(遅くとも30分以内)に寝付くこと、スクリーンタイムは2時間未満/日にすること、の4つの生活習慣が行われていた。この4つの生活習慣が推奨されるという。
今回の睡眠問題の有病率は、使用する調査尺度や睡眠問題の定義によって結果が変わる可能性があるとする。近年のメタアナリシス(複数の研究結果を統合して、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のこと)でも38~54%と、結果についての一貫性が示されていないという。なお今回用いられた睡眠尺度は大阪大学で開発され、睡眠障害の診断に基づいてカットオフが作られており、日本の子どもの睡眠評価には信頼性が高いものとする。
日本では伝統的に、未就学児は両親や兄弟と一緒に寝るとされており、兄弟姉妹がいる子は兄弟姉妹と一緒に寝、兄弟姉妹がいない子は両親と一緒に寝る。日本人の成人は睡眠時間が短い傾向にあるため、兄弟姉妹がいない子どもは一緒に寝る大人の生活習慣の影響を受けやすい。これは、両親と一緒に寝る子どもは兄弟姉妹と一緒に寝る子どもよりも睡眠問題を生じる可能性が高いことを意味するという。
睡眠は、認知機能、身体的・精神的健康、日中の行動に関連しており、子どもとってとても大切な生理機能。研究チームは今回の結果に対し、子どもの睡眠の問題を詳しく調査し、まずは環境や生活習慣を調整して子どもの睡眠を改善することが重要だとしている。これまでの研究から、簡単な環境や生活習慣の調整によって、子どもの睡眠を改善できることが示されているとした。また、子どもの睡眠の悩みを解決するには、子どもの睡眠に良い生活習慣を発達の早い段階から家族が知っておく必要があるとした。
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