SK hynix、韓国ガスメーカーとリソグラフィ向けNeガスのリサイクル技術を開発
マイナビニュース2024年5月2日(木)9時36分
SK hynixは、韓国の半導体向け特殊ガスメーカーTEMCと共同でネオン(Ne)ガスリサイクル技術の開発に成功したと発表した。
近年、地政学的リスクの拡大により、海外からの輸入に依存しているネオンの供給に不確実性が高まっていることに対する対応策として開発が進められてきたという。すでに同社は2024年2月にはリサイクル材料の使用を強化することを推進する中長期ロードマップを策定、それに沿う形で半導体製造に用いるリサイクル材料の割合を2025年には25%に、2030年には30%以上にまで高めることを目指すことを掲げており、今回のネオンガスのリサイクル技術の開発は、この中長期目標の実現に向けた重要な一歩となると同社では説明している。
希ガスの1つであるネオンは主に半導体リソグラフィプロセスで用いられるエキシマレーザーガス(希ガス、ハロゲンガス、バッファガスの混合ガス)の重要な成分。レーザー光源として使用しても化学分解や変質を起こさないため、分離・精製することでリサイクル・再利用が可能であり、その特性を利用する形でリサイクルプロセスでは、リソ後にスクラバー(半導体工場から排出されたガスを収集・処理する装置)を用いてネオンガスを捕捉、タンクに収納。その後ネオンガスは、TEMCのガス処理プロセスにて選択的に分離および精製されてから、半導体製造プロセスでの再利用に向けSK hynixに供給されるという。2024年春の時点で、排出量、回収量、精製収率を掛け合わせて測定されるネオン回収率は72.7%ほどで、SK hynixではこの精製収率を継続的に向上させていき、将来的には77%まで高める計画としている。
リサイクル技術の大きなメリットの1つとして、半導体工場(今回の場合、SK hynixが建設中の龍仁半導体クラスタの1つのファブを想定)におけるネオン購入コストを年間400億ウォン削減できると試算されるとする。SK hynixでは、専門知識を有する複数の材料および製造装置パートナーとの連携を高めていくことで、リサイクル技術の開発ができたことを強調しており、今後もそうしたパートナーとの協力関係を高めていくとしている。
2025年までに10種類の原料リサイクル技術を開発へ
SK hynixのマテリアルリサイクル部門では、2050年までにネットゼロエミッションを達成するための研究、製造、設備、環境、調達に関わる全社組織であるカーボン管理委員会の分科会として、半導体プロセス中に化学的に分解および変換されないすべての材料をリサイクルすることを目指した取り組みを進めているとおり、2025年までにネオン、重水素、水素、ヘリウムガスや硫酸などの化学物質を中心に計10種類の原料リサイクル技術を開発する計画を掲げているほか、2030年までにすべての対象材料の技術レビューを完了することも目指しているとする。
なお、これらの目標達成に向け、同社の分科会ではリサイクル技術の開発を技術の成熟度に基づいて5つの段階に分類して取り組みを進めており、最終的には、主に海外からの輸入に頼る材料供給の不安定さを解消し、安定した材料利用環境の構築を通して競争力の強化を図ることを目指すとしている。
近年、地政学的リスクの拡大により、海外からの輸入に依存しているネオンの供給に不確実性が高まっていることに対する対応策として開発が進められてきたという。すでに同社は2024年2月にはリサイクル材料の使用を強化することを推進する中長期ロードマップを策定、それに沿う形で半導体製造に用いるリサイクル材料の割合を2025年には25%に、2030年には30%以上にまで高めることを目指すことを掲げており、今回のネオンガスのリサイクル技術の開発は、この中長期目標の実現に向けた重要な一歩となると同社では説明している。
希ガスの1つであるネオンは主に半導体リソグラフィプロセスで用いられるエキシマレーザーガス(希ガス、ハロゲンガス、バッファガスの混合ガス)の重要な成分。レーザー光源として使用しても化学分解や変質を起こさないため、分離・精製することでリサイクル・再利用が可能であり、その特性を利用する形でリサイクルプロセスでは、リソ後にスクラバー(半導体工場から排出されたガスを収集・処理する装置)を用いてネオンガスを捕捉、タンクに収納。その後ネオンガスは、TEMCのガス処理プロセスにて選択的に分離および精製されてから、半導体製造プロセスでの再利用に向けSK hynixに供給されるという。2024年春の時点で、排出量、回収量、精製収率を掛け合わせて測定されるネオン回収率は72.7%ほどで、SK hynixではこの精製収率を継続的に向上させていき、将来的には77%まで高める計画としている。
リサイクル技術の大きなメリットの1つとして、半導体工場(今回の場合、SK hynixが建設中の龍仁半導体クラスタの1つのファブを想定)におけるネオン購入コストを年間400億ウォン削減できると試算されるとする。SK hynixでは、専門知識を有する複数の材料および製造装置パートナーとの連携を高めていくことで、リサイクル技術の開発ができたことを強調しており、今後もそうしたパートナーとの協力関係を高めていくとしている。
2025年までに10種類の原料リサイクル技術を開発へ
SK hynixのマテリアルリサイクル部門では、2050年までにネットゼロエミッションを達成するための研究、製造、設備、環境、調達に関わる全社組織であるカーボン管理委員会の分科会として、半導体プロセス中に化学的に分解および変換されないすべての材料をリサイクルすることを目指した取り組みを進めているとおり、2025年までにネオン、重水素、水素、ヘリウムガスや硫酸などの化学物質を中心に計10種類の原料リサイクル技術を開発する計画を掲げているほか、2030年までにすべての対象材料の技術レビューを完了することも目指しているとする。
なお、これらの目標達成に向け、同社の分科会ではリサイクル技術の開発を技術の成熟度に基づいて5つの段階に分類して取り組みを進めており、最終的には、主に海外からの輸入に頼る材料供給の不安定さを解消し、安定した材料利用環境の構築を通して競争力の強化を図ることを目指すとしている。
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