日本で省エネを武器に環境保護の推進を目指すデルタ電子 - CEATEC 2024

マイナビニュース2024年10月17日(木)0時20分


千葉県の幕張メッセで10月15日から18日まで開催されている“デジタルイノベーションの総合展”「CEATEC 2024」にてデルタ電子は、「AI」をテーマに、AIデータセンター向けトータルソリューションや、産業分野に向けたデジタルツインを活用した省エネ・省人化ソリューションなどの展示を行っている。そんな同社が16日、同ブースにて、自社の展開するグローバルブランド戦略や日本市場における事業戦略などの説明会を開催。データセンターソリューションなど注力分野の紹介を行った。
日本法人であるデルタ電子の代表取締役社長の華健豪氏は、現状の自社の注力分野は「輸送(Transportation)」「自動化(Automation)」「インフラ(Infrastructure)」の3つであり、これらは2050年のカーボンニュートラル実現を目指す日本でも注目を集める領域だとする。
現在、日本でもDXに加え、GX(グリーントランスフォーメーション)やSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)などの実現に向けた取り組みが進められつつあるが、例えばGXでは、自社のみならず、サプライチェーン全体におけるCO2排出の管理などが求められるようになるが、それにどう対応していくかが課題となっている。華氏は「そこにビジネスチャンスがある。コンサルティングやサービスを強化することで、ソリューションとしての提案を可能とし、日本企業のニーズに対応することで商機をつかむ」と、課題があるからこそ、それを解決できるソリューションが付加価値を生み出すことを強調する。
デルタ電子というと、電源関連で良く知られた存在だが、2010年にブランドの見直しを実施し、「From ODM to Brand」を掲げ、ODMメインから自社の産業ブランドの展開を開始。これまでに「インダストリアル/コマーシャル」「ESG」「ソリューション」という3つのブランドを打ち出しており、よりユーザーの近くに製品やサービスを届けるべく、組織体制の見直しや商品ラインナップの強化が図られてきたという。
その結果、再生可能エネルギー、ビルオートメーション、ファクトリオートメーション、セキュリティ、電気自動車の充電インフラ、そしてデータセンターインフラまで幅広くソリューションとして提供できる体制が整っており、「これらそれぞれについては競合はいるが、面として全体的に提供できるプレイヤーは貴重で、それが武器になる」(同)と、自社のソリューションの提供範囲の広さが武器となるとする。
AI時代のデータセンターニーズへの対応を促進
そんな同社が2024年のテーマとするのが“AI”であるという。PCを見れば、NPUの活用を促進するCopilot+ PCが立ち上がり、スマートフォン(スマホ)もiPhone 16でAI機能の活用促進、Androidも生成AI「Gemini」の普及が進んでいる。デルタ電子の副社長を務める平松重義氏は「以前、すべてのものがネットにつながる、という話があった。これからはすべてのものにAIが搭載される時代がやってくる」と、時代の変化が生じていることを説明。そうした時代にはリアルタイムの処理が必要なエッジAI分野と、より高度なAI処理を行うAIデータセンターの2つの存在が重要になるとする。
中でも、エッジAIで処理できるものは総じて、重くないAI処理であり、重いAIについてはデータセンターで処理する必要があるが、通常データセンターの建屋を建設するのには12~18カ月ほどかかり、機会損失が発生しやすい。そこで、より短期間、4カ月ほどで設置が可能なコンテナデータセンターに注目が集まっているという。
海上輸送に使われる20フィートほどのISO規格に準じたコンテナ内部にサーバや冷却機構、バッテリーなどデータセンターとしての機能一式を搭載することで、建屋を立てるよりも短期間で必要が演算性能を手に入れることができるソリューションであり、コンテナを複数つなげることで、演算性能をスケールさせることも可能となっている。
同社ブースでは、実物サイズのコンテナデータセンターが設置。実際にサーバラックも設置され、動作している様子を見ることができる。
平松氏は、そのメリットとして「持ち運びができる」「拡張性がある」「コンテナをその場に設置することですぐに利用できる」という3つを掲げ、すでに同社のコンテナデータセンターは全世界で200ユニット以上の納入を果たしており、日本でも設置実績があるとしている。
現状、AIの進化が劇的な速度で進んでおり、AIデータセンターの建屋が建つまで待っていられないという日本の顧客も多数でてきているとのことで、引き合いも出てきており、今後も積極的にトータルな観点からのサステナビリティの実現という意味も含め、日本での普及を図っていきたいとしていた。

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