アルピーヌ育成のドゥーハン、来季はレース帯同とテストに集中。狙うは2025年のレギュラーシートか
アルピーヌF1のリザーブ兼テストドライバーを務めるジャック・ドゥーハンは、2024年シーズンはF1でのプログラムに完全に集中し、他のカテゴリーでのレースは行わないことを選択した。
そのプログラムには、2022年仕様のアルピーヌA522を使用した12〜16日間のプライベートテストが含まれている。チームはドゥーハンを、2025年シーズンのレギュラードライバー候補として考えていると予想される。
インビクタ・ビルトゥジ・レーシングから2023年のFIA F2に参戦し、ドライバーズランキング3位となったドゥーハンは、アルピーヌの2024年WEC世界耐久選手権ハイパーカークラスでのシートを検討していたが、WECでのレースは将来のF1キャリアにとって最善の準備ではないと考えた。特に、シーズンハイライトとも言えるル・マン24時間レースには多くの準備が必要で、サーキットで丸1週間の作業が必要になることもその理由のひとつだ。
また、全日本スーパーフォーミュラ選手権でのシートも検討された。アルピーヌは、リアム・ローソンが日本でスーパーフォーミュラに参戦するなかで、F1マシンをドライブする準備がいかに整っているかを認識していたが、あらゆる契約期限が迫っていたため、チームはドゥーハンのために、オスカー・ピアストリが2022年に行っていたものと実質的に同じプログラムを組むことを決めた。
このプログラムでドゥーハンは、バルセロナ、レッドブル・リンク、ハンガロリンク、シルバーストン、モンツァなどのコースで2日間のテストを行うことが予定されている。
またこのテストには、2台目のA522を追加し、才能よりも資金力のある若いドライバーにテストの費用を実質的に支払ってもらうことでマシンをドライブさせる計画のようだ。昨シーズンでもすでにこの方式でのテストは何度か行われており、そのなかでシーズン後半に行われたポルティマオでのテストでは、ドゥーハンとともにベルギーのF2ドライバーであるアムーリ・コルデールが参加している。
ドゥーハンは「F1マシンに乗る時間が長くなればなるほど、多くのことを学ぶことができる」と2024年シーズンをF1でのプログラムに専念することにした理由を語った。
「2024年はすべてのグランプリに参加し、すべてのミーティングに出席し、ピットガレージでドライバーとエンジニアのコミュニケーションを聞くことも重要だと思う。そのなかで大まかな流れを把握していれば、僕の番が来たときに、チームやF1での仕事に自然に溶け込むことができると思う」
アルピーヌで2024年シーズンを戦うピエール・ガスリーとエステバン・オコンの契約は、どちらも2024年シーズンの末までとなっているため、2025年のアルピーヌはふたつのシートが空く可能性がある。
2023年はともに1回ずつ表彰台に上がったオコンとガスリーだが、もしドゥーハンがテストプログラムでチームの期待通りの仕事を見せたならば、ふたりは2025年シーズンのレギュラードライバー契約をめぐって激しい競争をすることになるかもしれない。
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