吉田麻也会長、新設のJPFAアワードは「切磋琢磨につながる」 選手会の発展にも意欲
サッカーキング2023年1月18日(水)16時58分
JPFA会長を務める吉田麻也 [写真]=Getty Images
日本プロサッカー選手会(JPFA)会長を務める日本代表DF吉田麻也(シャルケ/ドイツ)が、18日に行われたJPFAアワード2022の授賞式にてコメントした。
吉田は昨年6月にJPFAの会長に就任。2022年度から新たに、J1、J2、J3、そしてリーグを問わない「JPFA」の4部門で最優秀選手とベストイレブンを選手間の投票によって決める「JPFAアワード」を設立した。初代のJPFA最優秀選手賞は、日本代表MF三笘薫(ブライトン/イングランド)が受賞した。
吉田は冒頭、「受賞された皆さん、本当におめでとうございます。W杯を通じ、たくさんの方に応援していただき、ありがとうございました」とコメント。続けて、アワードを設立した経緯などを次のように語った。
「設立したきっかけとしては、日本が強くなるため、多くの選手が海外に出ていかないといけないと思っています。Jリーグアウォーズとまたちょっと違う形で、実際に肌を合わせた選手から評価されることはまたちょっと違います。選手もモチベーションの一つにもなると思います。選手同士が切磋琢磨して、10年、20年、100年、200年と続き、評価が高まる一つのステータスにつながればと思います」
「外国籍選手が入っていないので、そこに今回はW杯に選出されたような選手が入ったことが大きいかなと思います。上田(綺世)選手や町野(修斗)選手はW杯に出た影響が大きいと思っています。ヨーロッパの選手たちの選考も、森保監督の選ぶメンバーと微妙に違うところもあり、これも選手ならではの、実際に戦ったり、選手が所属するカテゴリーやシーズンを通じてどれくらいのパフォーマンスを出したかというのを、他の選手が客観的に判断して評価したことが多少結果に表れていて、面白いと思いました」
「(構想を持っていたのは)サウサンプトンにいるときからですね。イングランドではPFA(選手会)が、規模は違いますが、賞を大々的にやり、選手が毎回記入し、選手に表彰される。それはすごく一つ価値のあることだったので。他の国、アジアの国などの賞でも、パク・チソンやソン・フンミンが取ったなど、アジアの他の国でも『誰々が取った』とある中で、なぜ日本にないのかと疑問に思っていたのは事実です。絶対にJPFAとして、Jリーグ以外で活躍している選手もしっかり評価するべきだとは、サウサンプトンにいるときからずっと思っていたことなので、一つ形にできて嬉しいです。三笘選手にも受賞の動画をお願いしたときにそういった説明をしっかりしました。三笘選手や冨安(健洋)選手は特にイングランドにいますし、そういうサッカー以外でも日本が成長しないといけない部分をたくさん感じると思うので、また日本サッカーにどんどん還元してほしいと思っています」
ベストイレブンに吉田の名前はなかったが、「客観的に見て、これは今までの実績ではなく2022年のパフォーマンスに対する評価ですし、僕のポジションで言えば、板倉(滉)選手、冨安選手が入っていますが、板倉選手は前半、シャルケを1部に上げ、22年の後半はボルシアMGに所属して、僕より確実にいい結果とパフォーマンスを出しているのは間違いない。冨安選手はまず所属しているカテゴリーが一つ上だということと、その中でしっかりとパフォーマンスを出している。3人とも代表でやっていることはそれほど変わらないと考えれば、非常にフェアな結果と言えます。これが先ほど言った、切磋琢磨につながるし、僕もそれを見て悔しさももちろんあるし、今年もう一度そこのポジションを取り返したいと思っているので。どのポジション、どのカテゴリーでもそういった刺激が起きればいいなと思っています。2人は受賞に値すると思っていますし、僕自身も今年もう一度、食い込めるようにチャレンジしていきたいと思っています」と、結果を前向きに捉えている。
また、吉田は選手会としてこれから挑戦していきたい取り組みについても語っている。
「選手が選手の価値を高める必要がなぜあるかというと、自分たちの労働環境というと大げさですが、立場やステータス、周りの環境は自分たちで作っていかないといけない。誰かにやってもらっていては、いつまで経ってもトップには追いついていけないんじゃないかなというところで、もちろん協会もW杯やいろいろなことで感じるだろうし、Jリーグも世界に近づきながら独自のものを育て、発展させていかないといけない。同時に選手も世界のスタンダードに追いついていかないといけないなと考えたとき、絶対に僕だけでは変えることはできないですし、日本の選手全員がそういった意識で、何かを選手会に振ってもらうということではなく、選手会を通じて、自分たちが変えていかないといけないという意識を持たないといけないと思いました。会長になる前から、身近な選手たちに『選手会に特に何もやってもらってないよね』とか、『入っていても意味がないよね』という声をチラホラ聴いていましたけど、受け身だなと僕は思っていて。そうではなく、自分たちから自発的にそこを変えていかないといけないんじゃないかと思っています」
「具体的に何を変えるかは正直いろいろあります。まず、リーグや協会に対して、フラットに意見が言える立場にならないといけない。何かルールを決めるとき、プレーヤーズファーストで、まず選手がどう思っているか意見を聞いてから何事も議案が討論されるべきだと思いますし、そういう当たり前のことに立ち返らないといけないということと、あとは僕がヨーロッパで感じたいいものを還元したいので、『こういったことがいいんじゃないか』ということをこれから話していきたいですし、実際に話は動き出していて、毎月の理事会やリーグ、協会ともいろいろなことを話している最中です。例えばライセンスのことや選手のA契約、B契約、C契約やシーズン移行など、いろいろと話している段階です」
吉田は最後に、次のようにコメント。FIFAワールドカップカタール2022で改めて高まった国民のサッカーに対する関心を継続させていく意気込みを示した。
「今回受賞された選手、そして僕も先ほど言った通り、受賞できずに悔しかったと思っている選手もたくさんいると思います。その中でいよいよJリーグが開幕します。W杯の後にも言いましたが、このサッカーの熱を日本全体で盛り上げていかないといけないと思っています。今年は女子W杯もありますし、Jリーグもまたいろいろな層のファンの方が足を運んでくれると思っています。各クラブがそういった方たちをどうやって掴んでいくかの努力ももちろん必要になってくるし、もちろん選手のいいパフォーマンスで、来ていただいた方に楽しんでいただくことが、非常に大事になってくると思います。この熱を日本サッカー全体で途絶えさせてはいけないと思っています。ぜひ選手の皆さん、そしてクラブの皆さん、頑張っていただきたいです」
「ファン・サポーターの皆さんには、この機会にぜひ、ご自宅の近くのクラブでも何でもいいと思います。取っ掛かりは何でもいいと思うので、いろいろなクラブの試合をぜひ見に行ってほしいと思います。JPFAとしてはより一層選手のサポートを厚くしていきたいですし、これから変えていこうとしていることに取り組んでいき、選手全員で力を合わせて、いろいろなものを勝ち取っていければいいなと思っています」
吉田は昨年6月にJPFAの会長に就任。2022年度から新たに、J1、J2、J3、そしてリーグを問わない「JPFA」の4部門で最優秀選手とベストイレブンを選手間の投票によって決める「JPFAアワード」を設立した。初代のJPFA最優秀選手賞は、日本代表MF三笘薫(ブライトン/イングランド)が受賞した。
吉田は冒頭、「受賞された皆さん、本当におめでとうございます。W杯を通じ、たくさんの方に応援していただき、ありがとうございました」とコメント。続けて、アワードを設立した経緯などを次のように語った。
「設立したきっかけとしては、日本が強くなるため、多くの選手が海外に出ていかないといけないと思っています。Jリーグアウォーズとまたちょっと違う形で、実際に肌を合わせた選手から評価されることはまたちょっと違います。選手もモチベーションの一つにもなると思います。選手同士が切磋琢磨して、10年、20年、100年、200年と続き、評価が高まる一つのステータスにつながればと思います」
「外国籍選手が入っていないので、そこに今回はW杯に選出されたような選手が入ったことが大きいかなと思います。上田(綺世)選手や町野(修斗)選手はW杯に出た影響が大きいと思っています。ヨーロッパの選手たちの選考も、森保監督の選ぶメンバーと微妙に違うところもあり、これも選手ならではの、実際に戦ったり、選手が所属するカテゴリーやシーズンを通じてどれくらいのパフォーマンスを出したかというのを、他の選手が客観的に判断して評価したことが多少結果に表れていて、面白いと思いました」
「(構想を持っていたのは)サウサンプトンにいるときからですね。イングランドではPFA(選手会)が、規模は違いますが、賞を大々的にやり、選手が毎回記入し、選手に表彰される。それはすごく一つ価値のあることだったので。他の国、アジアの国などの賞でも、パク・チソンやソン・フンミンが取ったなど、アジアの他の国でも『誰々が取った』とある中で、なぜ日本にないのかと疑問に思っていたのは事実です。絶対にJPFAとして、Jリーグ以外で活躍している選手もしっかり評価するべきだとは、サウサンプトンにいるときからずっと思っていたことなので、一つ形にできて嬉しいです。三笘選手にも受賞の動画をお願いしたときにそういった説明をしっかりしました。三笘選手や冨安(健洋)選手は特にイングランドにいますし、そういうサッカー以外でも日本が成長しないといけない部分をたくさん感じると思うので、また日本サッカーにどんどん還元してほしいと思っています」
ベストイレブンに吉田の名前はなかったが、「客観的に見て、これは今までの実績ではなく2022年のパフォーマンスに対する評価ですし、僕のポジションで言えば、板倉(滉)選手、冨安選手が入っていますが、板倉選手は前半、シャルケを1部に上げ、22年の後半はボルシアMGに所属して、僕より確実にいい結果とパフォーマンスを出しているのは間違いない。冨安選手はまず所属しているカテゴリーが一つ上だということと、その中でしっかりとパフォーマンスを出している。3人とも代表でやっていることはそれほど変わらないと考えれば、非常にフェアな結果と言えます。これが先ほど言った、切磋琢磨につながるし、僕もそれを見て悔しさももちろんあるし、今年もう一度そこのポジションを取り返したいと思っているので。どのポジション、どのカテゴリーでもそういった刺激が起きればいいなと思っています。2人は受賞に値すると思っていますし、僕自身も今年もう一度、食い込めるようにチャレンジしていきたいと思っています」と、結果を前向きに捉えている。
また、吉田は選手会としてこれから挑戦していきたい取り組みについても語っている。
「選手が選手の価値を高める必要がなぜあるかというと、自分たちの労働環境というと大げさですが、立場やステータス、周りの環境は自分たちで作っていかないといけない。誰かにやってもらっていては、いつまで経ってもトップには追いついていけないんじゃないかなというところで、もちろん協会もW杯やいろいろなことで感じるだろうし、Jリーグも世界に近づきながら独自のものを育て、発展させていかないといけない。同時に選手も世界のスタンダードに追いついていかないといけないなと考えたとき、絶対に僕だけでは変えることはできないですし、日本の選手全員がそういった意識で、何かを選手会に振ってもらうということではなく、選手会を通じて、自分たちが変えていかないといけないという意識を持たないといけないと思いました。会長になる前から、身近な選手たちに『選手会に特に何もやってもらってないよね』とか、『入っていても意味がないよね』という声をチラホラ聴いていましたけど、受け身だなと僕は思っていて。そうではなく、自分たちから自発的にそこを変えていかないといけないんじゃないかと思っています」
「具体的に何を変えるかは正直いろいろあります。まず、リーグや協会に対して、フラットに意見が言える立場にならないといけない。何かルールを決めるとき、プレーヤーズファーストで、まず選手がどう思っているか意見を聞いてから何事も議案が討論されるべきだと思いますし、そういう当たり前のことに立ち返らないといけないということと、あとは僕がヨーロッパで感じたいいものを還元したいので、『こういったことがいいんじゃないか』ということをこれから話していきたいですし、実際に話は動き出していて、毎月の理事会やリーグ、協会ともいろいろなことを話している最中です。例えばライセンスのことや選手のA契約、B契約、C契約やシーズン移行など、いろいろと話している段階です」
吉田は最後に、次のようにコメント。FIFAワールドカップカタール2022で改めて高まった国民のサッカーに対する関心を継続させていく意気込みを示した。
「今回受賞された選手、そして僕も先ほど言った通り、受賞できずに悔しかったと思っている選手もたくさんいると思います。その中でいよいよJリーグが開幕します。W杯の後にも言いましたが、このサッカーの熱を日本全体で盛り上げていかないといけないと思っています。今年は女子W杯もありますし、Jリーグもまたいろいろな層のファンの方が足を運んでくれると思っています。各クラブがそういった方たちをどうやって掴んでいくかの努力ももちろん必要になってくるし、もちろん選手のいいパフォーマンスで、来ていただいた方に楽しんでいただくことが、非常に大事になってくると思います。この熱を日本サッカー全体で途絶えさせてはいけないと思っています。ぜひ選手の皆さん、そしてクラブの皆さん、頑張っていただきたいです」
「ファン・サポーターの皆さんには、この機会にぜひ、ご自宅の近くのクラブでも何でもいいと思います。取っ掛かりは何でもいいと思うので、いろいろなクラブの試合をぜひ見に行ってほしいと思います。JPFAとしてはより一層選手のサポートを厚くしていきたいですし、これから変えていこうとしていることに取り組んでいき、選手全員で力を合わせて、いろいろなものを勝ち取っていければいいなと思っています」
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