【動画】メルセデスF1の『もうひとつの頭脳』。ブラックリーで働くレースサポートルームのスタッフたち
F1中継を見たことがある人なら誰でも、ピットに詰めるチームスタッフの多さに驚いたことがあるだろう。しかしサーキットの外にも、チームの勝利のために働く大勢の人が居ることをご存知だろうか?メルセデスは、そんな知られざる『RSR(レースサポートルーム)』のスタッフたちの姿を動画で公開した。
カタールGPの決勝当日。サーキットがレース前の緊張感と興奮に包まれるなか、遠く離れたイギリスはブラックリーのメルセデスF1チーム本部でも、スタッフたちがレースに向けた準備を行っていた。
『RSR(レースサポートルーム)』に所属する彼らの仕事は、簡単に言えばチームの後方支援。現地から送られてくる大量の情報を分析し、その結果をサーキットにいるスタッフたちに提供するのが彼らの役目だ。メンバーの多くはメルセデスの若手エンジニアとインターンシップ中の学生ボランティアで占められており、RSRは彼らが実戦経験を積むための研修の場でもある。
とはいえ、その仕事は決して簡単なものではない。NASAのミッションコントロールセンターのような彼ら専用のオフィスにはモニターが立ち並び、現地の映像やGPS、マシンからのテレメトリーデータなど、ありとあらゆる情報がそこに表示される。
刻一刻と変わるレースの状況の中で、彼らはその大量のデータを処理することが求められる。テレメトリーデータや映像を細かくチェックすることで、マシンにトラブルがないかを監視し続け、ライバルとの位置関係やラップタイムの変化から最適な戦略を割り出す。インターン生にとっては、他チームの無線を聞くことも重要な任務だ。
分析結果はすぐに無線でサーキットのエンジニアやストラテジストに伝えられ、彼らの決断をサポートする。チームによれば、レースウィーク中にやり取りされるデータの総量は120GBほどになるという。RSRはまさししくメルセデスの『もう一つの頭脳』なのだ。
彼らの献身により、カタールGPはルイス・ハミルトンが勝利を飾った。RSRのスタッフたちにはシャンパンが振る舞われ、ささやかな祝勝会が開かれた。おそらくカタールではハミルトンのシャンパンファイトが行われている頃だろう。物理的には遠く離れていても、彼らはサーキットのクルーたちと心を一つにしている。
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