IGTC:マツダとベントレー“掛け持ち”のジャービス、ベントレー復帰は「チーム哲学の変化」が後押し
2020年のデイトナ24時間レースでマツダチーム・ヨーストの77号車マツダRT24-Pをドライブし、予選では2年連続でポールポジションを獲得したオリバー・ジャービスは、並行してベントレー・モータースポーツからIGTCインターコンチネンタGTチャレンジにもフル参戦する。そのジャービスは自身にとって2年ぶりとなるベントレー復帰を決めた背景には「チーム哲学の変化」があると明かした。
1月31日〜2月2日の週末にかけて、オーストラリア大陸を代表する名トラック、マウントパノラマを舞台に開催されるバサースト12時間耐久レースに参戦するジャービスは、マツダRT24-Pをドライブしたデイトナ24時間を終え、すぐに現地へと移動。
このイベントを開幕戦に位置付けるIGTCの2020年シーズンを、8号車のベントレー・チームMスポーツのコンチネンタルGT3でアレックス・バンコム、セバスチャン・モリスとともに戦うことが発表されている。
これはジャービスにとって、2017年にIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップでマツダ・チーム・ヨーストに加入して以来2年ぶりのベントレー・モータースポーツ復帰を意味する。このようなふたつのマニュファクチャラーにまたがる“ダブルワーク”が実現した背景には、ベントレー・モータースポーツ側に「哲学の変化があったからだ」と、ジャービスは説明する。
「僕は2017年にベントレーのためにレースを戦ったが、その年末にはマツダのDPiプログラムに加入するチャンスを得た。ただ当時のベントレーの哲学は“ベントレー・ボーイズたるもの、他のマニュファクチャラーとの掛け持ちはご法度”というものだった。そのため、僕は両方のメーカーのために走ることができなかったんだ」
20年以上にわたりベントレーで働いてきたキャリアを持つブライアン・グッシュが引退し、新たに元エンジニアのポール・ウイリアムスがディレクター職を引き継いだことも、この変化を方向性を決定付けたという。
「それ以来、ベントレーの組織内で哲学の変化が起こり、僕にとって非常に素晴らしい環境が実現した。つまり、レースを愛するふたつの素晴らしいマニュファクチャラーとともに働く機会を得ることができたんだからね」
「北米ではマツダのマシンをドライブすることができたけど、ベントレーが新型モデルを投入する直前にチームを去らなくてはならなかったのは本当に残念だった。今回、最新のコンチネンタルGT3に乗るのは初めてだけど、新型をドライブできることに心から興奮しているよ」
ベントレーとは2年ぶりの“再会”となるジャービスだが、2018年のIGTC参戦休止を経て2019年には自ら機会を作り出しKCMGのシートを獲得。ニッサンGT-RニスモGT3でIGTCに参戦し、マウントパノラマのトラックも経験している。これは「大きなポジティブ要素だ」と36歳のジャービスは付け加える。
「昨年はKCMGとともに戦い、その1年後にまさかこんな状況が実現するなんて、自分としても本当に驚いたと言わざるを得ない。2018年は本当につまらなかったし、出たかったレース(バサースト)への参戦機会を失ったわけだからね」
「この週末、僕にとってはまったく新しいマシンでの勝負になるけれど、2019年の経験が極めて重要になると思っているし、それを望んでいる。バサーストで初勝利を挙げたいし、他のドライバーたちもそう思っているだろうね」
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