“家電”が使えるがキーワード。快適&便利機能が満載の最新キャンピングカー選び
ジャパンキャンピングカーショーは、その年の初めに開催される専門ショーということもあって、各メーカーの最新モデルが揃うことでも有名だが、コロナ禍明けの今年は、例年以上に工夫を盛り込んだモデルが揃っていた。
その中で外せないのは、バンコンバージョン(通称バンコン)の高機能化が進んだことだ。これまでは、トヨタ・ハイエースにベッドを設置するなど、“寝ること”に特化した車両が人気だったが、最新モデルでは、エアコンや電子レンジの設置が当たり前となっている。なかにはベース車を軽自動車/コンパクトカーにすることで価格を抑えながらも高機能化を実現しているモデルや、キャブコンバージョンも顔負けの豪華キャビンに仕立てたモデルも目立った。
この動きが際立ったのは、クルマで使える電気製品やサブバッテリーの性能が著しく向上したことも大きいが、それ以上に“クルマ旅”の時も普段通りの生活をしたい、というユーザーマインドの変化がある。
購入額が多少高くなっても「快適に過ごせるクルマが欲しい」という流れは、この先のキャンピングカー選びの大きなトレンドになっていくだろう。ここでは、そんな愛好家の贅沢な希望をカタチにしている10台のキャンピングカーを選んでみた。手頃な軽自動車から欧州で人気を集めている本格バンまで購入価格は大きくバラけているが、いずれも個性派が揃う。キャンピングカーを本気で探しているユーザーはもちろん、いずれは狙ってみたいというユーザーにも、いち押しのモデルだ。
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■フィールドライフ/KONG(コング)
ニッサンNV100クリッパーをベースに仕立てた軽キャンパー。人気シリーズ『KONG』(コング)の最新モデルは、ソファー調のシートを倒すことで容易にフラットベットになるなど、利便装備を充実させている。9型テレビやDC冷蔵庫、FFファンヒーターといった旬のギアを組み込むことで、休憩&宿泊時にくつろげる“動く秘密基地”といえる仕立てとなっている。
■スマイルファクトリー/LUANA(ルアナ)
スマイルファクトリーの『LUANA(ルアナ)』の最新モデルは、横開き式のポップアップルーフテントを装着。大人2名が楽々と寝れるスペースながら、走行時はスマートに格納することができる。多目的テーブルやLED照明、断熱材施工など基本性能も充実。4000回の充放電が可能な大容量リチウムイオンバッテリーも備えるなど、キャンパーとしての性能も申し分がない。
■ホワイトハウス/DAYs ノア、DECK ONE ステップワゴン
キャンピングカーの老舗ビルダーのホワイトハウスで大きな注目を集めていたのが、今回のショーに合わせて発売を開始した、トヨタ・ノア/ヴォクシーとホンダ・ステップワゴンのキャンパーモデル。両車とも昨年デビューの最新ミニバンだが、トヨタ・ハイエースと比べるとサイズは手狭。だが、ポップアップルーフやフルフラット可能なダイニング&フラットベット、スライド式テーブルを備える本格シンクキットを巧みに配置することで、ハイエースと同等の機能を実現している。写真は上級仕様の『JOY』で、価格は約500万円強という設定も魅力だ。
■ナッツ/CRESSON Journey (クレイソンジャーニー)エボライト タイプW
日本最大級のキャンピングカーメーターのナッツは、豪華な内装と独自の充電システム『EVOLITE』と3つの100Ahサブバッテリーを組み合わせることで、電気製品も使える最新キャブコンの『クレイソンジャーニー』の最新モデルをお披露目。室内には家庭内エアコンや電子レンジ&ガスコンロ、70リッター級冷蔵庫も備わるなど、豪華なキャンピングカーだ。
■トイファクトリー/Casa BLACK EDITION ハイエース
キャンピングカー専門店のトイファクトリーは、スペイン語で家を表す“Casa”と名付けた人気のモデルに、高級感漂う『BLACK EDITION』を新たに追加。トヨタ・ハイエースをベースに、大人4名がくつろげる対面式のダイネットスペースやベッド機能、キッチンまで備えているコンバージョンモデル。トイファクトリーが得意とする電力マネジメントが投入されているため、電気製品の利用も自由自在。室内には100VコンセントやUSBポートが設置されるほか、バッテリー残量などの電装管理が行えるインフォメーションボードも設けられている。
■ホワイトハウス/CAMPER ベルランゴ
シトロエンの人気ミニバン、ベルランゴをキャンパー仕様にカスタマイズ。ルーフ部にポップアンプテント、後席/荷室スペースにスライド収納を備えたフラットベッドを設置することで4名就寝にも対応している。簡易的なシンク機能やサブバッテリーで駆動するエアヒーターなど、レジャーシーンで重宝できる工夫も数多く盛り込まれている。
■エアロ/キャンピングトレーラー
航空機体を製造するメーカーでもあるエアロは、自らが持つ精密設計や航空機構造組立技術を用いたキャンピングトレーラーの筐体を展示。アルミむき出しの筐体は車両重量350Kg以下を実現している。展示車両の架装は老舗ビルダーのレクヴィが手掛けており、家具や架装材に一般的なベニヤ材よりも軽量化されたYDパネル(ベニア材比で1/2以下)を用いることで、豪華さと軽量化を両立している。けん引免許が不要なキャッピングトレーラーを求めているユーザーにとって見逃せない1台だ。
■トイファクトリー/デュカト・オリジン 5.4
2022年冬に国内導入されたフィアット・デュカトをキャンパーに仕立てた1台。ドイツの著名カーデザイナーであるフランク・ヴェンダー氏によるレイアウト・内装設計に加えて、ボディ内装に断熱セラミック塗装を施工し、天井や壁、床にも断熱加工を施すことで外気温の影響を最小限に抑える工夫も盛り込まれている。内装加飾のイメージが異なるシリーズモデルも用意される。
■ミスティック/J-cabin H
ピックアップトラックの荷台部分にキャンパーシェルを備え付けている“トラキャン”専門店であるミスティックの最新モデルが登場。キャンパーシェルはトヨタ・ハイラックス専用設計で車体にがっちり装着できるほか、内装の仕立てもダイネットソファーやバンクベッドを備える本格キャンパー顔負けの内容を持つ。求めやすい価格設定(246万4000円〜)も大きな魅力。
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