大ケガ乗り越えた東俊希、声援響くEスタで7カ月ぶり復帰「サッカーができる幸せを感じた」
サッカーキング2023年2月21日(火)8時24分
開幕戦で先発出場した東俊希 [写真]=J.LEAGUE
久々に立ったピッチからスタンドを見渡すと、復帰を待っていてくれたサポーターたちがいた。「スタンドに『お帰り』という文字が見えて、声援が聞こえたときは鳥肌が立ちました」。2023シーズンのJ1リーグ開幕戦、サンフレッチェ広島のMF東俊希が大ケガを乗り越えて、約7カ月ぶりに公式戦復帰を果たした。
昨年の7月30日、東はホームでのFC東京戦で負傷交代を余儀なくされた。病院で診断されたのは「左下腿コンパートメント症候群」。打撲や骨折による内出血などで足の筋肉、血管、神経が圧迫され、血行障害を引き起こす症状だという。治療が遅れると、筋肉壊死や神経麻痺が起きる深刻なケガだった。「あの痛みは忘れられない」と本人が言うほど激しい痛みが伴い、翌日には筋膜切開手術を受けた。
サッカー選手では珍しいケガだった。あまり前例がないため、先が見えない日々だったが、自分の身体と向き合ってきた。「こういうケガをした選手がいなくて、僕も1日1日わからない状況だった。徐々に足の可動域が広がっていくのを確認しつつ、『治っているな』と実感しながらの生活でした」
プロになって初めての長期離脱。入院やリハビリの日々ではチームメイトが支えてくれたという。「よくご飯にも連れて行ってもらえたし、入院中は差し入れを頻繁にしてくれた。支えられているなって感じたし、チームメイトに感謝する気持ちになりました」
復帰に向けて一歩一歩進み、年明けにはキャンプにも参加できた。トルコ遠征では強度の高い海外のチームを相手にプレー。徐々に調子を取り戻し、宮崎キャンプ最後の練習試合では「コンディションが戻った感覚があった」。
大ケガを乗り越えて臨む2023シーズン。開幕戦の前日、東は離脱していた日々を思いつつ気持ちを高ぶらせていた。「自分はこの半年ぐらい、ケガでサッカーができていなくて、出場したら復帰戦でもある。いろんな気持ちがこもった試合になると思う」
2月18日、北海道コンサドーレ札幌をホームに迎えた開幕戦。東はスタメンで約7カ月ぶりにエディオンスタジアムのピッチに立った。周りにはサッカーをする仲間がいて、雨の中でも熱い声援を送るサポーターがいる。本来の居場所に戻ってきた。
「やっと帰ってきた。サッカーができる幸せや練習試合とは違う雰囲気を久しぶりに感じることができた。緊張していたけど、今日で慣れたし、次は勝てるように頑張りたい」
広島は今季の開幕戦でもアグレッシブに戦ったが、再三のチャンスを活かせず、スコアレスドローで終わった。84分までプレーした東は守備面での連携に手応えを感じつつも、「満足できる内容じゃなかった。もっとチームに貢献したい」と話す。ケガからの復帰を喜ぶというよりも、すでに勝利や結果を見据えている。
この開幕戦はJ1通算100試合出場の節目でもあった。だが、「実感はあまりないし、ただの通過点」ときっぱり。印象に残っている試合は「Jリーグではまだない」と言う。本人としては納得できるほどの活躍をリーグ戦でまだ見せられていない感覚のようだ。
大ケガから復帰した東は久々に声援を受けて、「サポーターがいるから僕たちがプレーできる。大事にしたい」と再認識。今シーズンは、自身も納得する鮮烈な活躍をサポーターに届けたい。
取材・文=湊昂大
昨年の7月30日、東はホームでのFC東京戦で負傷交代を余儀なくされた。病院で診断されたのは「左下腿コンパートメント症候群」。打撲や骨折による内出血などで足の筋肉、血管、神経が圧迫され、血行障害を引き起こす症状だという。治療が遅れると、筋肉壊死や神経麻痺が起きる深刻なケガだった。「あの痛みは忘れられない」と本人が言うほど激しい痛みが伴い、翌日には筋膜切開手術を受けた。
サッカー選手では珍しいケガだった。あまり前例がないため、先が見えない日々だったが、自分の身体と向き合ってきた。「こういうケガをした選手がいなくて、僕も1日1日わからない状況だった。徐々に足の可動域が広がっていくのを確認しつつ、『治っているな』と実感しながらの生活でした」
プロになって初めての長期離脱。入院やリハビリの日々ではチームメイトが支えてくれたという。「よくご飯にも連れて行ってもらえたし、入院中は差し入れを頻繁にしてくれた。支えられているなって感じたし、チームメイトに感謝する気持ちになりました」
復帰に向けて一歩一歩進み、年明けにはキャンプにも参加できた。トルコ遠征では強度の高い海外のチームを相手にプレー。徐々に調子を取り戻し、宮崎キャンプ最後の練習試合では「コンディションが戻った感覚があった」。
大ケガを乗り越えて臨む2023シーズン。開幕戦の前日、東は離脱していた日々を思いつつ気持ちを高ぶらせていた。「自分はこの半年ぐらい、ケガでサッカーができていなくて、出場したら復帰戦でもある。いろんな気持ちがこもった試合になると思う」
2月18日、北海道コンサドーレ札幌をホームに迎えた開幕戦。東はスタメンで約7カ月ぶりにエディオンスタジアムのピッチに立った。周りにはサッカーをする仲間がいて、雨の中でも熱い声援を送るサポーターがいる。本来の居場所に戻ってきた。
「やっと帰ってきた。サッカーができる幸せや練習試合とは違う雰囲気を久しぶりに感じることができた。緊張していたけど、今日で慣れたし、次は勝てるように頑張りたい」
広島は今季の開幕戦でもアグレッシブに戦ったが、再三のチャンスを活かせず、スコアレスドローで終わった。84分までプレーした東は守備面での連携に手応えを感じつつも、「満足できる内容じゃなかった。もっとチームに貢献したい」と話す。ケガからの復帰を喜ぶというよりも、すでに勝利や結果を見据えている。
この開幕戦はJ1通算100試合出場の節目でもあった。だが、「実感はあまりないし、ただの通過点」ときっぱり。印象に残っている試合は「Jリーグではまだない」と言う。本人としては納得できるほどの活躍をリーグ戦でまだ見せられていない感覚のようだ。
大ケガから復帰した東は久々に声援を受けて、「サポーターがいるから僕たちがプレーできる。大事にしたい」と再認識。今シーズンは、自身も納得する鮮烈な活躍をサポーターに届けたい。
取材・文=湊昂大
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