激戦のWRC第2戦スウェーデン。トヨタは3名が初日トップ4につける好発進。勝田も6番手
2月25日、WRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンのデイ1が同国北部のウメオを中心に行われ、シリーズ最高峰クラスにトヨタGRヤリス・ラリー1を投入しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合2番手につけたほか、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が同3番手、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組も同4番手につけている。
シーズン唯一のフルスノーラリーとして行われるラリー・スウェーデンの競技初日は、SS1からSS7の計7本のSS(スペシャルステージ)で争われた。主に舞台となったのは、今大会から新たなラリーの拠点となっているウメオの北側のエリアで、この日のSS合計距離は125.67kmと今大会最長だった。
先月行われた開幕戦モンテカルロで総合4位に入り、現在ドライバー選手権3番手につけているロバンペラは、デイ1を出走順1番手でスタートした。スノーステージでは通常、先頭走者は不利になることが多いが、彼はオープニングのSS1とSS2で2番手タイムをマーク。続くSS3ではベストタイムを記録し総合トップに立ってみせる。
午後のループの再走ステージは先頭走者にとって厳しい路面コンディションになったため、ロバンペラは順位を下げることになったが、1日の最後にサービスパークの近くで行われたのSS7でふたたびベストタイムを記録。首位につけるティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 Nラリー1)から、わずか4.3秒遅れの総合2番手でラリー初日を走破した。
チームメイトのエバンスは午後のオープニングとなったSS4でベストタイムを刻み、ロバンペラに替わって総合首位に立った。その後、彼はSS6まで首位を守り続けたものの、SS7でスタッドタイヤの摩耗により大きくタイムを失いポジションダウン。ふたりに逆転を許しロバンペラと3.1秒差の総合3番手で初日を終えている。
エバンスに続く総合4番手となったのは、2022年シーズンよりチームに復帰し今戦がラリー1カーでの初陣となっているラッピだ。彼は今大会最長27.81kmのSS2“カムヨーン1”で最速タイムを叩き出し総合トップに浮上してみせる。
直後のSS3でのエンジンストールなどによって順位を下げるも、午後のループで2番手タイムを2回、3番手タイムを1回記録するなど好調な走りを見せたラッピと3番手エバンスのタイム差は1.4秒。首位とのギャップは8.8秒だ。
■ラトバラ代表「首位とは僅差。まだ多くのドライバーに優勝の可能性がある」
またTOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから、トヨタGRヤリス・ラリー1でWRCにフル参戦している勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は、デイ1終了時点でを総合6番手につけている。
「ラリー・スウェーデンの初日は、とてもエキサイティングな1日だった」と語るのは、チーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラだ。
「トヨタGRヤリス・ラリー1とドライバーのパフォーマンスには満足しているし、終盤はリードを失ってしまったが、首位とは僅差。まだ多くのドライバーに優勝の可能性があり、カッレ(・ロバンペラ)、エルフィン(・エバンス)、エサペッカ(・ラッピ)にも間違いなくチャンスはある」
「カッレは出走順が1番手だったにも関わらず、本当にいい仕事をした。このラリーではかなり難しい走行条件だったはずだが、とてもいい戦いをしてくれた。(序盤は苦労していた)エルフィンも午後はハードにプッシュし、すぐ戦列に復帰した」
「そして、エサペッカのパフォーマンスは、他の選手のように定期的にラリーに出場していなかったにも関わらず素晴らしく、(彼の活躍を)本当にうれしく思う」
引き続き激しい優勝争いが繰り広げられることが予想されるラリー・スウェーデンのデイ2は、午前中にウメオの西側で2本のステージを走り、その後サービスパークの近くに設定されたステージを走行する。日中のサービスを挟んで行われる午後のループもこの3つのステージで争われる予定だ。6本のSSの合計距離は82.30km、リエゾン(移動区間)を含む1日の総走行距離は390.50kmとなっている。なお、当初予定されていたSS9と再走ステージのSS13はトナカイの群れの予期せぬ移動の懸念があるため事前にキャンセルとなっている。
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