タナクが2SSを制す好スタート。WRC第2戦アークティック初日はヒュンダイが1-2
2月26日、WRC世界ラリー選手権第2戦アークティックが、フィンランド北部のロバニエミで開幕した。競技初日はSS1とSS2が行われ、この両ステージでベストタイムを記録したオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)がデイ1終了時点でトップに立っている。
WRC史上初、北極圏を含むエリアで開催されているアークティック・ラリー・フィンランドは、新型コロナウイルス感染症の影響で開催が中止となったラリー・スウェーデンに代わるイベントとして急きょ、WRCのカレンダーに組み込まれた。
シーズン唯一のフルスノーラリーとなる今戦は、凍てつく森のなかで26日(金)に開幕を迎え、その初日は同日午前中に行われたシェイクダウンでもトップタイムをマークしたヒュンダイのタナクがSS1と、同じステージを舞台に暗闇のなかで実施されたSS2で、ともにステージ優勝を飾った。
SS1とSS2は今大会最長、全長31.05kmのロングステージ。これを制したエストニア人ドライバーはオープニングで2番手につけた僚友クレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)に3.6秒差をつけると、日没後に行われたステージでは優勝候補のひとりであるカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)より9.8秒早いタイムでステージウイン。
この結果、2019年の王者は序盤の2ステージを終えた段階で、総合2番手となったブリーンに16秒2のギャップを築き、3番手につけたロベンペラに対しては20.4秒のリードを持ってデイ2を迎えることとなった。
多くのドライバーがスペアタイヤを2本搭載するなか、1本だけの賭けに出たタナクは「ハードな路面ではできるだけタイヤに優しくしようと努めた」と語った。
「まだラリーは始まったばかりなので何も考える必要はない。難しく挑戦的なステージは、フィンランドの典型的なローラーコースターのようなステージで、非常にテクニカルだった」
4戦ぶりにWRCに復帰したブリーンは両ステージでトップ3に入る力走をみせ、総合順位でロバンペラを上回る2番手につけた。そのロバンペラは最初のステージのスプリットタイムではタナクをも上回ったが、その後のミスでタイムを失ってしまう。
「しばらくスノーバンク(雪の壁)に捕まり、立ち往生していた」と20歳のロバンペラ。
「ジャンクションでラインがワイドになり、リヤがバリアにぶつかってしまったんだ。あんなミスは二度としないようにしたい」
■WRCデビューのオリバー・ソルベルグがSS4番手タイムを記録
シェイクダウンで2番手タイムを記録したティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)はトップから29秒遅れの総合4番手。これにエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が続く。
6番手はMスポーツのテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)、7番手にはトヨタ育成の勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)が入った。急きょ、セブ・マーシャルとコンビを組むことになった新星オリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20クーペWRC)はSS2で4番手タイムを記録するもオープニングでの遅れが響き総合8番手に。
出走順1番手で“雪かき役”を強いられたセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が9番手に留まり、王者にガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)が続くトップ10オーダーとなっている。
WRC第2戦アークティックの大部分を占めるデイ2は、サービスパークの東側に設定された3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行する。SS3〜8、計6本のステージの合計距離144.04kmは今大会最長。リエゾン(移動区間)を含む1日の総走行距離は455.57kmだ。
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