「今はレースよりも家族が大切。子供の成長を見るのが楽しい」ライコネンが見せた父親としての素顔
アルファロメオのキミ・ライコネンは今もF1でのレースをとても楽しんでいるが、ここ数年は人生においてレースよりも家族のことが大切だと話した。
通算313戦の経験を積んでいるライコネンは、元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロが持つ323戦という出場最多記録にあと10レースのところまで迫っている。F1でキャリアをスタートしてから、19年間で21勝と1度の世界タイトル獲得を達成しているライコネンは、上位集団ではなく中団グループにおいてではあるが、まだまだ勢いを増している。
だが集団のなかでのレースは、40歳のベテランであるライコネンのやる気やF1への情熱を低下させることはない。そして彼の特徴である無口な性格にもかかわらず、アイスマンと呼ばれるライコネンは今もグリッド上で最も人気のあるドライバーのひとりである。
「僕はレースが好きだ。F1にはレース以上のことがあるけれど」とライコネンはスペインの『El Pais』に語った。
「もしレースを楽しんでいなかったらここにはいないだろう。人として自分自身を幸せにすることをしている限り、そのことが一番重要だ」
「幸せならそれがマシンをドライブすることや他のことであれ、仕事のうえで役に立つだろうし、日常生活の中でも役に立つだろう」
「人々が気に入っているなら素晴らしいことだし、気に入らなければそれでもいい。どちらもそのままだ。それに僕は誰かを喜ばせるために何かをすることは決してない。自分のことを考えて、やることをやるまでだ」
この最後の発言を聞くと、ライコネンは一方的、もしくは利己的と受け止められかねない。しかし彼が家族を重要視する様は、彼が身勝手ではないことを証明している。
5年前、ライコネンと妻ミントゥの間に息子のロビンが生まれ、ライコネンの優先順位は大きく変わった。この喜ばしい出来事に続き、2年後には娘リアンナが誕生した。
「父親としての責任はスケジュールを完全に変えてしまう。それに、気をもむことが増える」
「結局のところ彼らは幼い子どもたちで、父親を必要とする。そして人生の中で突然もっと重要な他の新しいことが出てくる」
「走るのを楽しんでいても、今はレースよりもはるかに家族が大切だ。外出する時は彼らのことがとても恋しい。家族から長い間離れていることが確かに一番つらい部分だ。なぜなら、見た目よりもF1の裏側ははるかに退屈だからだ」
ライコネンは年を追うごとに彼の子どもたちとの関わりの度合を強めている。そのことは、幼いロビンのカートへの憧れに対するライコネンのサポートが明確に示している。
「彼らが成長するほどにもっと楽しくなっていく。一緒に時間を過ごすことが大好きだ。大きくなっていくのを見るのはとても嬉しい」
2001年にザウバーでオーストラリアGPのグリッドに並んだ童顔の若き22歳のルーキーは、アイスマンが40歳でまだF1でレースを続けているとは決して想像できなかっただろう。
「数字が表すほどに年をとったとは感じていない。でも毎日氷は少しずつとけているね」
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