緊急出場からプロ初得点の広島FW満田誠、快勝に導いた戦う姿勢
サッカーキング2022年3月4日(金)20時31分
試合後、活躍した満田(中央)を祝福するチームメイト [写真]=J.LEAGUE
緊急出場した大卒ルーキーがチームを勝利へと導いた。サンフレッチェ広島のFW満田誠は、2日に行われた2022JリーグYBCルヴァンカップ・グループステージ第2節の名古屋グランパス戦に途中出場。プロ初ゴールを含む全2得点に絡んで2-0の快勝に大きく貢献した。
J1開幕戦以来のホーム戦となった広島は、前半の内に立て続けのアクシデントに見舞われた。24分にMF東俊希が右足を負傷し、33分にはFWドウグラス・ヴィエイラが脳震とうの疑いで途中交代を強いられた。その不穏な空気を払拭したのが、広島の下部組織出身で流通経済大学を経て今季から加入した満田だった。
急きょピッチに立った大卒ルーキーは闘志を燃やしていた。東に代わって左サイドにポジションを取り、「試合の入りが一番大事だと思った」とスタートから意気込んでいた。「思い切ってチャレンジさせてください」。ピッチに入ってすぐに左サイドを守るキャプテンのDF佐々木翔にはそう話したという。
その決意が形になったのは44分のこと。敵陣中央でMF川村拓夢がボールを奪い返すと、すばやく左サイドへ展開。「やってくれるだろうと思って(パスを)出した」とユース時代の同期にボールを託す。パスを受けた満田は自らペナルティエリア左へと持ち込み、立ちはだかる相手2人を前に右足一閃。強気なシュートをゴール右隅に突き刺し、プロ初ゴールとなる先制点を決めた。「拓夢からいいボールがきて、思い切りよくシュートを打てた。それが結果的にゴールにつながった」と満田は振り返り、アシストした川村は「めちゃくちゃ嬉しかった」と同期の得点に大喜びした。
その川村や仙波大志といった同期のピッチに立つ姿が、満田の闘志に火をつけていたという。迫井深也ヘッドコーチが試合後に明かしている。「仙波や川村が先に試合に出たこともあり、(練習後に)いつもグラウンドに残って、広島で活躍したいという思いを持ってやっていた。彼が(居残りで)シュート練習をしている姿を毎日見ているので、それが公式戦で成果を発揮できたのはすごく嬉しい」
満田はその後も攻守に奮闘し、試合を決める追加点も演出した。このシーンも戦う姿勢から生まれたゴールだった。右サイドに移っていた87分、味方のロングボールを受けると、ワンタッチでボールを大きく前へ出し、相手DF吉田豊にスピード勝負を仕掛ける。「(吉田は)対人が強い選手なので、逃げ腰になったら相手の思うツボ」と最後まで強気を貫いた。この勝負は吉田に軍配が上がったが、すぐに切り替えてボールを追い続けると、相手GKのミスを誘い、詰めていたFWジュニオール・サントスの追加点につながった。
チームとしても今季の広島らしいアグレッシブなスタイルを発揮した中で、満田は戦う姿勢を前面に出して勝利へと導いた。「ファン・サポーターの前でしっかりとゴールを決めて勝利を届けることができた。どんな試合に出ても、ファン・サポーターに愛されるような選手になれるように、どんどん結果を出していきたい」。この活躍を弾みに、さらなる闘志を燃やしている。
取材・文=湊昂大
J1開幕戦以来のホーム戦となった広島は、前半の内に立て続けのアクシデントに見舞われた。24分にMF東俊希が右足を負傷し、33分にはFWドウグラス・ヴィエイラが脳震とうの疑いで途中交代を強いられた。その不穏な空気を払拭したのが、広島の下部組織出身で流通経済大学を経て今季から加入した満田だった。
急きょピッチに立った大卒ルーキーは闘志を燃やしていた。東に代わって左サイドにポジションを取り、「試合の入りが一番大事だと思った」とスタートから意気込んでいた。「思い切ってチャレンジさせてください」。ピッチに入ってすぐに左サイドを守るキャプテンのDF佐々木翔にはそう話したという。
その決意が形になったのは44分のこと。敵陣中央でMF川村拓夢がボールを奪い返すと、すばやく左サイドへ展開。「やってくれるだろうと思って(パスを)出した」とユース時代の同期にボールを託す。パスを受けた満田は自らペナルティエリア左へと持ち込み、立ちはだかる相手2人を前に右足一閃。強気なシュートをゴール右隅に突き刺し、プロ初ゴールとなる先制点を決めた。「拓夢からいいボールがきて、思い切りよくシュートを打てた。それが結果的にゴールにつながった」と満田は振り返り、アシストした川村は「めちゃくちゃ嬉しかった」と同期の得点に大喜びした。
その川村や仙波大志といった同期のピッチに立つ姿が、満田の闘志に火をつけていたという。迫井深也ヘッドコーチが試合後に明かしている。「仙波や川村が先に試合に出たこともあり、(練習後に)いつもグラウンドに残って、広島で活躍したいという思いを持ってやっていた。彼が(居残りで)シュート練習をしている姿を毎日見ているので、それが公式戦で成果を発揮できたのはすごく嬉しい」
満田はその後も攻守に奮闘し、試合を決める追加点も演出した。このシーンも戦う姿勢から生まれたゴールだった。右サイドに移っていた87分、味方のロングボールを受けると、ワンタッチでボールを大きく前へ出し、相手DF吉田豊にスピード勝負を仕掛ける。「(吉田は)対人が強い選手なので、逃げ腰になったら相手の思うツボ」と最後まで強気を貫いた。この勝負は吉田に軍配が上がったが、すぐに切り替えてボールを追い続けると、相手GKのミスを誘い、詰めていたFWジュニオール・サントスの追加点につながった。
チームとしても今季の広島らしいアグレッシブなスタイルを発揮した中で、満田は戦う姿勢を前面に出して勝利へと導いた。「ファン・サポーターの前でしっかりとゴールを決めて勝利を届けることができた。どんな試合に出ても、ファン・サポーターに愛されるような選手になれるように、どんどん結果を出していきたい」。この活躍を弾みに、さらなる闘志を燃やしている。
取材・文=湊昂大
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