今春も打率1割と低迷続く偉才は立ち直れるか トラウトが漏らす復活への本音「原因は分からない。実戦だと打てなくなる」
不振からの脱却を目指すトラウト。本人もやる気を漲らせている。(C)Getty Images
完全復活への道のりは平たんではない。エンゼルスの主砲マイク・トラウトだ。
メジャー12年目を迎えた昨季のトラウトは相次ぐ故障に悩まされ、不安定なパフォーマンスに終始。出場82試合で打率.263、18本塁打、OPS.858、長打率.490にとどまり、8年連続でポストシーズン進出を果たせなかったチームにあって、批判のやり玉ともなった。
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2019年にエンゼルスと12年総額4億2650万ドル(約631億円)の超大型契約を締結しただけに、トラウトにはチームの大黒柱として確固たる結果が求められる。彼が打線の軸にさえ据えられれば、今オフにドジャースに移籍した大谷翔平の“穴”も少なからず埋められるはずである。
ゆえに32歳の主砲の調子には注目が集まっているのだが、今春のオープン戦はお世辞にも褒められた成績を残せているわけではない。現地3月7日時点での打撃成績は、打率.190、1本塁打、長打率.381、OPS.631と精彩を欠いている感が否めないのだ。
当人も自身が上り調子でないことは把握している。米メディア『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者の取材に応じたトラウトは「ここ数年間は怪我もあって自分らしくいられないと感じている」と正直に吐露。そして、年々成績が下降している速球への対応についても「原因は分からないんだ。練習では上手くいっているんだけど、なぜか実戦になると打てなくなる」と明かし、こう続けている。
「そこの感覚的な部分が取り戻せたら大きな違いになると思う。ようするに自分のゾーンにさえ入れればいい。そうなれば、誰が相手でも打てる気がしている」
ほんのわずかな感覚の差なのだろう。その紙一重の修正をいかにするのか。トラウトは地元放送局『Bally Sports West』のインタビューでは、「打席内での感情というのかな。俺はかつての感情を取り戻したいんだ。19年や、16年のようなMVPを取った頃の気持ちをね」と告白。そして、キーポイントを明かしている。
「俺には改善の余地があるんだ。だから感覚を取り戻す必要がある。そして、今は少しずつだけど取り戻しつつある。過去数年はできずに、低迷したけど、ワッシュ(ロン・ワシントン新監督)は、課題を見抜いていたよ。今年はシンプルさを保ち、間違った事やメカニックには頭に入れずに、試合に臨んでいる」
試行錯誤の末に、かつての輝きを取り戻せるのか。過去3度のMVPを誇る偉才の復活は、大谷を流出したエンゼルスにとって再建のカギともなるだけに注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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