空力規則の変更にドライバーは納得できず。「乱気流が発生して、今もオーバーテイクは難しいまま」と不満も
新たな空力レギュレーションを採用した最初のレースとなったオーストラリアGPを終えて、ドライバーたちは、このルール変更がオーバーテイクの改善に効果があるのかどうか、いまだに納得できずにいる。
2019年のF1のテクニカルレギュレーションでは、簡素で幅広のフロントウイング、単純化したバージボードと幅広のリヤウイングの使用がが定められており、マシンから発生する乱気流を減らすことで、前を走るマシンにより接近して追いかけることができるように設計されたパッケージとなっている。
オーストラリアGPの舞台であるメルボルンのアルバートパークは、常にオーバーテイクが難しいサーキットだ。今年は空力の微調整が行われたにも関わらず、日曜日の決勝レースでも状況は2018年と同じだった。
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、レース終盤のルイス・ハミルトンとの2位争いについて、「僕にはうまく抜くチャンスがまったくなかった。今もオーバーテイクはとても難しい」と語った。
「唯一改善されて良かったことは、DRSの効果だ。DRSが開いたとたん、昨年よりもずっと大きなパワーが出る。でも追いかけようとするとまだかなりの乱気流が発生する」
一方のハミルトンも、レギュレーション変更が大きな違いをもたらさなかったと感じているひとりであり、「何の違いもない」とコメントしている。
しかしながら、ホイール・トゥ・ホイールの戦いがより頻繁に起こる中団グループのドライバーのなかで、ハースのロマン・グロージャンは空力ルールの変更はショーを改善することに部分的には成功したと考えている。
「レース中に追いかけるのがもっと楽になったという印象を受けた。だから良いことだよ」とグロージャンは語った。
「でもタイヤについては、スピードを上げるとオーバーヒートする傾向がまだある。だからオーバーテイクは今もとても難しい」
「一番分かりやすい例はアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオF1)だ。競争相手の中には彼よりも速かったドライバーもいたが、最終的に(ジョビナッツィを)追い越すのにかなりの時間がかかった」
「接近して追いかけることはできるけれど、タイヤが熱くなりすぎてスリップし、グリップを失う。それがアタックの終わりということになる」
「ウイングの変更は正しい方向に向かう第一歩だけど、今の僕たちには誰かのスリップストリームに入った時に劣化しない、もっと強いタイヤが必要だ」
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