勝田貴元、WRC開幕戦に続き第2戦でも自己ベストの6位記録も「満足していない」
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し、2021年シーズンのWRC世界ラリー選手権にフル参戦している勝田貴元は、ともに自己最高位となる総合6位を記録した開幕2戦について、幸せに感じると同時にフラストレーションも抱いているという。
トヨタ・ヤリスWRCを駆り今季のWRC最高峰クラスに参戦している勝田。開幕戦モンテカルロで、前年最終戦モンツァで記録した7位を上回る総合6位となり、続く第2戦アークティックでも自己最高位タイを記録した彼は、WRC.comに対しラップランドでのラリーには満足できていないと述べた。
2015年からフィンランドに拠点を置きトヨタの育成プログラムの下、世界最高峰の舞台に挑んでいる勝田は「あのラリーにはもっと期待していた」と語った。
「僕のスピードはいくつかの場所ではそれほど悪くなく、むしろかなり良かったと思います。ただ、それは高速セクションでのこと。道幅が狭くなり、よりテクニカルな場所ではスノーバンク(雪壁)に近づきすぎるを少し恐れていました」
「事前のテストで2度スノーバンクに突っ込んでしまっていて、そのような小さなミスが大きなタイムロスにつながることは理解していました」
「もちろん冬のラリーではスノーバンクが助けになることあれば、味方にならないことがあるのも分かっています。このようなコンディションでいい経験ができたと感じていますが、それと同時にさらにスピードを発揮して、もっと良いリザルトを残せたと思います」
一方、勝田が抱くフレンチアルプスで行われた開幕戦での印象は、それほど自己批判的なものではないようだ。
「今年最初のラリーであるモンテカルロは違っていました」
「コンディションは非常に難しく、つねに(天候や路面が)変化していました。そのなかでチームメイトのセバスチャン(・オジエ)がこれらのタイムステージで出していたタイムは素晴らしく、信じられないほどでした」
「これまでのところ、僕は少しうれしいような悔しいような、そんな気持ちです」
自らの心境を語った勝田は、ふたつのラリーでどこで何をすればよりスピードを上げることができるのかを理解させてくれたチームの仕事を称賛した。
「僕のエンジニアをはじめ、チームのみんなが本当に優秀でした」と勝田。
「彼らは報告の場で、自分のスピードが他の選手と比べてどの程度なのかをデータで示してくれます。僕たちのチームには素晴らしいドライバーたちがいるので、エンジニアの話を聞いて自信を持つのは良いことだと思います」
先週末、1年2カ月ぶりに帰国して新城ラリー2021の会場に姿をみせた勝田は、自身の将来を見据え4月22〜25日に行われるクロアチアラリーで、アスファルト路面に対する学習曲線をさらにフラットにすることに焦点を置いている。
「一歩一歩進めていきたいですね。フィンランドやエストニアのように、現地の道をよく知っている場所でのラリーも楽しみですが、今年はより多くの経験を積むことが大切だと思っています」
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