元アーセナルの重鎮が警鐘! 球界だけでなくサッカー界にも蔓延る“ギャンブル依存症”の脅威「隠すのも簡単だ」
違法賭博に関与した疑いをかけられている水原氏(左)。彼が抱える“依存症”の怖さをサッカー界の重鎮マーソン氏(右)が警鐘を鳴らした。(C)Getty Images
日本のスポーツ界が生んだ偉才を取り巻く衝撃的なニュースは、列島だけでなく、世界で物議を醸している。現地3月20日にドジャースが大谷翔平の専属通訳である水原一平氏を解雇した問題で、同氏が違法なスポーツ賭博に関与していた疑いがかけられているというニュースだ。
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米スポーツ専門局『ESPN』などによれば、水原氏は大谷から受けていた資金を着服する形で違法なブックメーカーに送金。この事態を把握した同選手の代理人は「大規模な窃盗」に手を染めたとして告発。負債額は少なくとも450万ドル(約6億8000万円)とされており、すでに連邦政府機関による捜査も本格化しているという。
いまだ不透明な状態ではある。ただ、明確なのは水原氏本人がギャンブル依存症を抱えていたという点だ。『ESPN』の取材に応じた際には自ら「沼にはまってしまって、負債をカバーするためにより大きな金額を賭けて、負け続けた」と証言。21年頃から悪循環に陥り、どうしようもない状況となってしまったと明かしている。
ギャンブル依存症の怖さには、サッカー界の重鎮も警鐘を鳴らしている。1990年代にイングランドの名門アーセナルに所属していたポール・マーソン氏は、英公共放送『BBC』のラジオ番組内で、同業界にもギャンブルの脅威が蔓延っていると強調。「人々はギャンブル依存症を深刻に捉えていない」と訴えている。
「とくにサッカー界はギャンブル会社がスポンサーとなる機会に溢れている。そして多くの人たちはギャンブル依存症を過小評価している。サッカー界を荒廃させている依存症の人々に10か月の出場停止処分を与えるというのは間違いだ。病気と戦うために助けを求めている人に対して、それが支援になるとは思えない。『罰則は与えた。さあ、自分の意志を見せろ』ではなく、ルールを作って禁止するだけの人々には『リスペクトをしなければいけない』と言いたい」
さらにマーソン氏は自身もギャンブルにのめり込んでいた時期があると証言。そのうえで、サッカー界により世界保健機関(WHO)の国際疾病分類でも「病的賭博」として認知されている“依存症”への理解を求めている。
「ギャンブルに関する問題は、潜在的な事実を特定することが難しいという点だ。これはサッカー界においても問題なんだ。まず監督やチーム関係者が問題を把握することは困難である。それを当事者が隠すのも簡単だからだ。朝4時まで飲み歩いている選手を見つけるのは簡単だよ。ただ、オンラインカジノや違法な賭博で多額の金を失っている人物は、手遅れになるまでわからないものだ」
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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