マシンコンセプトの判断は知識を総動員して全員で実施。ラッセル「名指しで責任を追求することはない」
ジョージ・ラッセルは、メルセデスには非難のカルチャーはないと述べており、問題を抱えている2023年型マシン『W14』はひとりの人物によって承認されたものではなく、「全員が同意した」ものだと主張している。
バーレーンで開催されたシーズン開幕戦の予選におけるメルセデスの不振を受け、チーム代表のトト・ウォルフは、昨年から引き継がれたゼロサイドポッドのコンセプトには根本的な欠陥があり、チームは今シーズンに競争力を発揮することはできないだろうと認めた。それはメルセデスのチーム代表による驚くべき告白であり、多くの人々がチームのエンジニアリングチームに対する一種の非難だと受け止めた。
しかしラッセルは、メルセデスの上層部による密室での批判や責任追及は一切ないと述べている。
「これまでの話し合いのなかで、これらの判断が正しいものではなかったことを多くの人たちが受け入れたと思う」とラッセルは先週ジェッダで語った。
「でもこの判断を下したことに誰も名指しで責任を追求することはしていない。僕たちが持っていた情報によって最善の意図の下で行われたことだからね」
ラッセルは、W14の失敗したコンセプトは、マシンの開発プロセスのすべての段階で合意がなされていたと述べている。
「マシンのコンセプトや判断に関しては、2000人のチームを率いて行われることだから、決してひとりの人間が指示することではないと思う。確か6人くらいの上級技術職のひとたちがともに作業をしていて、彼らの下に所属している全員の知識を動員している。知識はドライバーやシミュレーター作業から得られている。そして、そうした意志決定は全員の同意を得て行われる」
「僕たちはこのコンセプトを知っていた。ルイスも僕もだ。僕たちはこれが正しい方向であると信じていた」
「でも僕が言ったように、冬の間にチームとして明らかに何かを見逃していた。それを修正するために今はできる限り懸命な作業をしている」
しかしながらハミルトンは、メルセデスのエンジニアに対してW14のコンセプトを信用できないとはっきり伝えたが、チームは彼の不満と警告に耳を傾けなかったと述べている。
「僕は人生で多くのマシンをドライブしてきたから、マシンが何を必要としているのかわかる」と7度の世界チャンピオンであるハミルトンは語った。
「マシンに不要なものもわかっている。これは説明責任の問題だと思う」
「素直に認めるのが重要だ。『はい、つまり私たちはあなたの言うことを聞きませんでした。これはここに必要のないもので、修正しなければなりません』とね」
今シーズン、メルセデスの序盤のレースにはダメージが出る可能性があるが、チームは現在総合的なプランを実施している。それには夏までにチームの状況を好転させるはずのアップグレードと、コンセプトの変更が含まれている。ウォルフは、それまでにチームはできる限り早くともに行動できるよう、深く掘り下げていくと主張している。
「諦めるのではなく、ドライバー、エンジニア、経営陣の全員が同じ方向へプッシュする必要がある」とウォルフは述べた。
「我々はそうした(諦めた)ことはないし、今後もしないだろう」
「ただ、今まで以上に深く掘り下げて、両方のドライバーに彼らが戦えるマシンを与える必要がある」
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