“敵地”日本での防衛戦は「ハイリスク」 豪バンタム級王者は元K-1王者・武居由樹をどう見てる?「かなりトリッキー」
武居の挑戦を、日本で受ける決断を下したモロニー。その心境を本人が語っている。(C)Getty Images
ボクシングWBO世界バンタム級王者のジェイソン・モロニー(豪州)は、並々ならぬ想いを持って日本人の挑戦を迎え撃つ。
来る5月6日に東京ドームで行われる一大興行で、モロニーはWBO世界同級10位の武居由樹(大橋)との防衛戦に臨む。昨年5月にビンセント・アストロラビオ(フィリピン)を破って王座についた男にとって「楽ではない」一戦だ。
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ボクシングにおける実績は、K-1から転向して約4年の武居をモロニーは上回る。下馬評でも自身のタイトル防衛を推す声は根強い。しかし、豊富な経験を誇る33歳に抜かりはない。米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』のインタビューで、「ハイリスク、ハイリターンの勝負だ。だが、これこそ僕の出世街道を突き進めるものであり、大きな扉を開いてくれるはずだ」と語った。
キャリアに差がある。だが、モロニーは武居のポテンシャルを一切侮っていない。「彼の戦績は8勝0敗。しかも全試合でKO勝ちを収める印象深いものだ。彼はボクサーとしてはまだ世界レベルの相手と戦っていないが、キックボクサーとしては経験豊富で世界チャンピオンなんだ」と強調している。
「たしかに(ボクシングの)経験はない。ただ、彼のキックボクサーとしてのスキルはボクシングでも活かされているし、彼自身がプラスになっていると感じている。彼のチームからも信頼されているのは明らかだし、何よりも世界王者になることに飢えている。
僕のような選手と戦ったことがないと思うけど、今はとてもハードな準備している。彼はノックアウトパンチャーで、かなりトリッキーな相手でもあるんだ。繰り出してくるパンチの中には、一見するとぎこちないスタイルのものもある。遠い距離から急に飛び込んでくるようなね。だから、常にリスペクトをし、集中しなければならない」
無論、王者としてのプライドもある。敵地に乗り込むとはいえ、やすやすと王座を譲る気はない。
異例の敵地での防衛戦に臨むモロニーは、「オーストラリアで防衛戦ができれば最高だったけど、5万5000人の観衆の前で行われる日本のボクシング史上最大級のイベントに参加するというのは、断るにはあまりにも大きすぎるチャンスだった」と吐露。そして、「素晴らしいパフォーマンスで多くの日本のファンを獲得できたら嬉しい。願わくば、僕が日本人選手に勝っても、彼らがあまり動揺しないことを願うよ」とリップサービスも忘れなかった。
果たして、成長著しい武居といかに対峙するのか。決戦まで約1か月となり、モロニーへの興味は尽きない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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