笹原右京がSF初ポールを獲得。新人佐藤蓮がフロントロウに【スーパーフォーミュラ第1戦予選】
2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権が4月9日に富士スピードウェイで開幕し、9時30分から行われた第1戦の公式予選では、笹原右京(TEAM MUGEN)が初のポールポジションを獲得した。
2022年から公式予選のレギュレーションが変更され、Q2でポールポジションが決まるノックアウト方式となった。また今回、試験的にクオリファイライト(通称Qライト)が試験導入され、予選アタック中の車両はオーバーテイクシステムのLEDライトがイエローを点滅されることで、周囲に認識されやすいようにしている。
さらに今回は2レース制で行われるスーパーフォーミュラ。第1戦決勝は9日の午後から行われるため、第1戦公式予選は9日の午前9時30分に気温16度、路面温度26度のドライコンディションでスタートを迎えた。
まずは、チャンピオンの野尻智紀(TEAM MUGEN)をはじめ、10台が出走したQ1 Aグループでは、今回がスーパーフォーミュラデビュー戦となる佐藤蓮(TEAM GOH)が速さをみせた。いち早くタイムアタックに入り、1分21秒675でトップにおどり出る。
これに対し、野尻が1分21秒881、坪井翔(P.MU/CERMO・INGING)が1分21秒940と、佐藤に近づくタイムを記録したが、他のドライバーも佐藤を上回ることができずチェッカーフラッグとなり、佐藤がQ1 Aグループトップ通過を果たした。2番手に野尻、3番手には坪井となり、今季レギュラー参戦となるジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が4番手、大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が5番手に続いた。
2021年のチームタイトル獲得に貢献した関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)は、ピットアウト直後の1コーナーでスピンを喫する場面があったが、しっかりとタイムをまとめ上げ、6番手でQ1を突破した。一方、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)は1分22秒476で9番手、山下健太(KONDO RACING)も1分22秒429で8番手となり、開幕前のテストで復調の兆しを見せていたように感じられた2台がQ1で姿を消すこととなった。
なお、Q1 Aグループ終了後に佐藤に対してトラックリミットの審議が入ったが、ベストラップを記録した周回ではなかったため、事なきを得た。
10分のインターバルを経てスタートしたQ1 Bグループは、0.1秒を削りあう激戦のタイムアタック合戦となった。まずは平川亮(carenex TEAM IMPUL)が1分21秒895を記録しトップにつけたが、それを上回ったのが、今季は開幕戦からエントリーを果たしているサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)。1分21秒744を叩き出し、逆転でトップにおどり出た。
これに対し、アタック2周目でタイムを詰めてきた笹原右京(TEAM MUGEN)が1分21秒835をマークするも、トップに0.091秒及ばず2番手に。ここで、チェッカーフラッグとなり、フェネストラズがQ1 Bグループをトップで通過した。
2番手に笹原、3番手に平川が続いたが、4番手以下はタイムアタックをするたびに順位が目まぐるしく入れ替わる混戦に。そんななか、三宅淳詞(TEAM GOH)が4番手に食い込み、ここでもTEAM GOHの新人ドライバーが速さをみせた。
宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)までがQ2進出となり、2021年シーズンは安定した速さをみせていた大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)はタイムを伸ばすことができず、11番手でQ1敗退となった。
12台が出揃い7分間で行われた予選Q2は、さらにタイム差が縮まり、激戦模様に。まずは大津がいち早くタイムアタックを行い。1分22秒158でトップタイムをマークするが、それを笹原が0.754秒更新する1分21秒404を叩き出し、暫定トップに立った。
これに対し、フェネストラズが1分21秒774、宮田が1分21秒727、平川が1分21秒708と自己ベストを更新するが、トップタイムには届かない。最後には佐藤が渾身をアタックを見せたが、1分21秒668で2番手タイムとなり、笹原がスーパーフォーミュラで初のポールポジションを決めた。パルクフェルメでは何度もガッツポーズをみせた笹原。公式映像のインタビューでは「嬉しいです……」と言葉少なめで、感極まっている様子だった。
佐藤は国内トップフォーミュラで史上2人目となるデビュー戦ポールポジションとはならず、マシンを降りて悔しそうな表情をみせたが、堂々のフロントロー獲得を果たした。3番手にはWEC世界耐久選手権のテストから帰ってきたばかりの平川がつけ、第1戦での勝利に向け好位置につけた。
ディフェンディングチャンピオンである野尻は6番手から午後の決勝で追い上げを狙う。なお、10番手につけた坪井だがベストタイムを記録した周回にトラックリミットがあったとしてタイム抹消となり、12番手に下がることとなった。
新フォーマットにより、土曜日の午前から慌ただしく進んでいった公式予選が終了し、この後14時30分から、早くも第1戦の決勝レースが41周で行われる。
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