野球には賭けなかった――立証された水原氏が語っていた“真実” 米重鎮記者も皮肉投稿「もっとひどいことになっていた」
大谷を裏切っていると知りながらも、通訳業に励んでいた水原氏。(C)Getty Images
前代未聞のスケールで実行されていた違法賭博の全容が見えてきた。
現地時間4月11日、米連邦捜査局は記者会見を実施し、大谷翔平(ドジャース)の元専属通訳であった水原一平氏を「銀行詐欺罪」の容疑で訴追と正式に発表した。
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すでに浮き彫りになっていた騒動の詳報は、実にショッキングな内容だった。
何よりも衝撃的だったのは金額規模だ。当初、水原氏が大谷の銀行口座から違法賭博のブックメーカーに送金していた額は、「少なくとも450万ドル(約6億8000万円)」(米スポーツ専門局『ESPN』より)とされていたが、なんと1600万ドル(約24億5000万円)と判明。
さらに騒動の根源となった胴元との関係を持ち始めた2021年の12月からの約2年間で1万9000回もの賭博を行なっていた水原氏が抱えていた総損失額は1億8290万ドル(約279億8370万円)。勝った額を差し引いても、純損失4070万ドル(約62億2710万円)に上るとされた。
明るみになった驚きの金額帯は自らを「ギャンブル依存症だった」と語った水原氏が、どれだけ違法賭博にのめり込んでいたかをまざまざと物語る事実と言える。これらをサッカーやバスケットボール、アメリカンフットボールを中心としたスポーツ賭博で増額させていたことを考えても、異様とも言うべき熱中度が窺い知れる。
ただ、今回の発表で、大谷側から「嘘をついていた」とされた水原氏の言動で、数少ない真実として証明されたのは、「野球には賭けたことがない」というものだった。米連邦捜査局は「ミズハラが野球の試合に賭けたことは記録されていない」としている。
先月20日に事態が公になる前に応じたとされている米スポーツ専門局『ESPN』のインタビューで「翔平を見るのは辛かった。彼は素晴らしい人間」と語っていた水原氏。それだけに、何かが起きた際に少しでも迷惑を懸けまいとする想いがあったのかもしれない。
この「野球には賭けていなかった」という事実を米記者たちもクローズアップ。ニューヨークの日刊紙『New York Post』の重鎮記者であるジョン・ヘイマン氏は自身のXに皮肉を交えて「みんなが通訳であったイッペイを殺したがっているが、彼には野球にだけは賭けないという自制心があった」と投稿。さらに「もしも、賭けていれば、(事態は)もっとひどいことになっていた」と指摘している。
日本時間の明日、ロサンゼルスの連邦地方裁判所に出向く予定だとされている水原氏。その胸中が語られる日はいつになるだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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