大湯都史樹が通算2度目のPP獲得。野尻智紀はあわやQ1敗退も3番手【SF第3戦鈴鹿予選レポート】
4月22日(土)、2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の公式予選が三重県の鈴鹿サーキットで行われ、大湯都史樹(TGM Grand Prix)がポールポジションを獲得。2番手には坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が続いた。
昨年の第10戦から、シーズンをまたいで4戦連続ポールポジションを獲得していた野尻智紀(TEAM MUGEN)は、繰り上がりによるQ2進出であわただしい走り出しとなったなか、連続PP獲得記録を更新することはできず3番手となった。
開幕の富士大会からわずか2週間というインターバルで始まった第3戦鈴鹿。予選を前にした公式練習ではトップから1秒以内に19台がひしめき合う結果となり、Q1から激戦となることが予想された。開幕前のテストと同じく快晴の下、Q1A組のセッションがスタートした。
このセッションには、山下健太(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)、国本雄資(Kids com Team KCMG)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)、大湯都史樹(TGM Grand Prix)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が出走。
セッション開始と同時にコースへ入っていったのは、公式練習でトップタイムをたたき出した大湯を除く10台。チェックラップののち、ピットへ戻ってくるとタイヤを履き替えてアタックのタイミングを待つ。大湯は周りとは異なるタイミングを狙っているのか、残り時間が7分を示したところでようやくピットを離れると、アウトインでピットに戻り、リヤタイヤのみを履き替えた。
アタックへのコースインは残り時間が3分を指したところ。国本からタイムアタックが始まり、まずは1分37秒310で暫定トップに立ち、それを大湯が1分36秒534で上回って見せる。開幕前のテストで速さを見せていた山本は1分37秒377で3番手に、さらに牧野、山下と次々にベストタイムを更新していく。
最後に宮田が1分36秒705で大湯に迫ったが2番手にとどまり、ここで全車アタック終了。大湯がトップタイムでQ1を突破し、以下、宮田、ローソン、牧野、阪口、山下までがQ2進出を果たした。7番手以下は国本、山本、大嶋、関口、ハイマンとなった。
B組には、野尻智紀(TEAM MUGEN)、小高一斗(KONDO RACING)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、福住仁嶺(ThreeBond Racing)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、ジュリアーノ・アレジ(VANTELIN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(B-Max Racing Team)、ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)が登場。
こちらは大湯と同じ戦略を取ったアレジ、松下、可夢偉がタイミングを遅らせてコースイン。その中でもアレジが先頭でタイムアタックに入っていった。まずは1分36秒893でトップに立つと、続いて野尻がコントロールラインへ。ここまで自己ベストタイムを示す緑色の表示が並んでいるものの、ここまで見慣れた全体ベストセクタータイムを表す赤い表示が付かず、タイムは1分37秒444。1分36秒台に入ることができず、続く平川にも破られ3番手へとドロップする。
さらに坪井が最速タイムの1分36秒413をマークしトップへ、そして小高が1分36秒967で野尻よりも上の順位で通過した。続いて佐藤蓮が1分36秒940をマークし、暫定3番手へ。野尻はQ2進出圏内ぎりぎりの6番手へと下がってしまった。そして可夢偉が1分37秒252で5番手に滑り込み、野尻は7番手へドロップ。ここまで連続ポールシッターとなっていた野尻がまさかのQ1敗退となる。
ところが、可夢偉のタイムはアタックラップ中にシケインでコースアウトしていたことから、走路外走行と判定されて当該タイムが抹消となり、暫定7番手だった野尻は6番手へと繰り上がり、Q2進出最後のキップを手に入れることとなった。B組からのQ2進出は坪井、アレジ、佐藤、小高、平川、そして野尻の6名。福住、太田、松下、ブリュックバシェ、そしてアタックタイムが抹消となった可夢偉はここで予選を終えることとなった。
野尻にとって5戦連続PP獲得がかかるQ2がいよいよ開始。セッション序盤にコースへと入ったアレジ、大湯はアウト-インでピットへ戻るとタイヤを交換し、他の10台はタイミングを図ってピットを離れていった。
アタックラップはアレジからスタートし、Q1の自己ベストには届かなかったものの1分37秒060をマーク。続いて牧野が1分36秒280でアレジを大きく突き放しトップへ。ただ、ここまで全体ベストのセクタータイムを並べてきた大湯が1分35秒792のスーパーラップをたたき出し、牧野を破ってトップにおどり出た。
続く宮田は1分36秒台でまたもや2番手に。佐藤、ローソン、小高と次々にコントロールラインを通過していくが、どのドライバーも大湯のタイムを上回れないでいた。
野尻は、セクター1、2と大湯よりも速いタイムを記録。セクター3ではわずかに大湯が上回ったものの、ここまで最速の名をほしいままにしていた野尻のアタックラップに注目が集まったが、チェッカーラップで表示されたタイムは1分35秒906。大湯に届かず2番手にとどまる。
その後、坪井が1分35秒835で野尻を上回り2番手に入ると、山下が1分36秒126で4番手、平川が1分36秒814で10番手に滑り込み、全車チェッカー。大湯は昨年の第8戦もてぎ大会以来、自身2度目のポールポジションを獲得した。
2番手の坪井は昨年第6戦富士大会に続く自己最高予選順位タイ。野尻の連続ポールポジションの記録は4で途絶えたものの、繰り上がりQ2進出のチャンスをしっかりとつかんで上位グリッドを獲得した。第3戦鈴鹿、31周の決勝レースは、4月23日(日)の15時45分にスタート予定だ。
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