雨の初日、ロバンペラが1分強の貯金を作る。勝田貴元は7番手/WRC第3戦クロアチア
4月22日、WRC世界ラリー選手権第3戦クロアチアの競技がスタート。ラリー初日のデイ1はSS1〜SS8が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、6本のステージでベストタイムを記録する快走で総合トップに立っている。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1/TOYOTA GAZOO Racingネクストジェネレーション)は総合7番手につけた。
WRC初開催となった昨年に続き、今季もシリーズカレンダー入りを果たしたクロアチア・ラリー。首都ザグレブを中心に行われる同イベントは、2022年シーズン最初のフル・ターマック(舗装路)ラリーだ。
その競技初日はザグレブの西側に位置する丘陵地帯で、4本のステージを午前と午後のループで1回ずつ計2回走行するスケジュールが組まれた。この日、出走順1番手でスタートしたロバンペラは、雨と霧そして泥に覆われたステージで躍動する。
前戦スウェーデンで今季初勝利を飾り、選手権リーダーとして第3戦に乗り込んできた21歳のフィンランド人は、朝のSS1とSS2を連続で制すとSS4でもベストタイムを記録し、午前のループだけで後続に47.5秒の大量リードを築いてみせた。
雨が弱まった午後もロベンペラの勢いは止まらない。SS5からSS7まで3連続ステージベストを叩き出し、初日終了時点で総合2番手に1分04秒の差をつける独走状態に入っている。
「今日はとてもいい1日だった」と語るのは、8SS中6本で最速タイムを記録し競技初日を総合トップで終えたロバンペラ。
「午前中はこのようなコンディションに合っている出走順を最大限に活用しようと試みた。午後は予想どおり路面コンディションはさらに悪くなった。午前中にインカットされた場所はどこも泥だらけだったので、午後は出走順が1番手であることのアドバンテージはあまりなかったように思う」
「明日はコンディションがドライになり、より楽しんで走れるようになることを期待しているよ」
若き“フライング・フィン”の後方、総合2番手で初日を終えたのはドライバーズランキング2番手につけているティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)だ。彼にとってクロアチアのデイ1は波乱万丈の1日となった。
■受難のMスポーツ、ブリーンを除く3台がリタイア
ヌービルは、午前中の4ステージを終えてトップから12.5秒差の2番手につけていたが、ヒョンデi20 Nラリー1のオルタネーターベルトが2度にわたって破損し、リエゾン(移動区間)でマシンがストップしてしまった。
このためヌービルとコドライバーのマルティン・ウィダグは、TC(タイムコントロール)までの残り800mをマシンを押して行くことに。結局、彼らは4分遅れでTCに到着したため40秒のペナルティを受け総合4番手に順位を落としてしまう。
しかし、日中のサービスを経て臨んだ午後のループでは、1日の最後のステージとなったSS8でベストタイムを記録するなど、ふたたびスピードを発揮し2番手に返り咲いている。
そんなヌービルのチームメイトであるタナクはSS7でのパンクが響き、僚友から19.3秒の後れを取り総合3番手で初日を終えた。タナクと3.3秒差、僅差の総合総合4番手はMスポーツ・フォードのクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)、そこから1分以上離された総合5番手にはオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)がつけている。
総合6番手には序盤に、2度のパンクでタイムを失ったエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がつけ、勝田貴元が7番手で続いている。
トヨタの3台目のマシンを走らせるエサペッカ・ラッピ(GRヤリス・ラリー1)は、SS1でコースサイド脇の岩に激突。サスペンションを壊しデイリタイアとなった。
また、4台中3台が初日リタイアとなったMスポーツ勢では、ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)とガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)が3回のパンクに見舞われ、両名ともスペアタイヤを使い切りデイリタイアに。チームメイトのアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)はSS3のスタート直後にクラッシュを喫し、この際のダメージがフレームにまで及んだため再出走が不可能なことがアナウンスされている。
WRC2クラスに参戦している福永修(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)もSS1でクラッシュがありデイリタイアを喫した。
クロアチア・ラリーの競技2日目は、初日と同様に4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行するスケジュールで行われる。4本中3本のステージは、デイ1と同じくザグレブの南西エリアが舞台となるが、SS11と再走ステージのSS15は西に大きく移動し、アドリア海に面したリエカ近郊で実施される。SS9〜16の合計距離は116.98km、リエゾンを含む1日の総走行距離は774.86kmだ。
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