好調ロッテの心配の種は「沢村劇場」? 球界OBが指摘する「課題」とは
3年ぶりの日本球界復帰となった沢村(C)Getty Images
吉井理人新監督となったロッテが好調なスタートを切っている。
先週末に行われたソフトバンク3連戦に3連勝、開幕3連敗を食らった相手に見事やり返し、21年10月24日以来となる単独首位に浮上した。
【動画】23日のソフトバンク戦、9回に登板するも3連続四球で制球を乱した沢村、最後は二塁を守る中村奨のファインプレーでゲームセットになった場面
吉井監督のたくみな選手起用も光る。ここまで潜在能力の高さは認められながら、なかなか結果を残せていなかった平沢大河を23日の試合では1番に起用。その平沢が3戦連続となる適時打でチームに勢いを与えると7回には佐藤郁也が1号3ランを放ち、ソフトバンクを突き放した。好調な藤原恭大に休養を与えるなど先を見据える一方で、まんべんなく選手を使い、選手の士気を高め、勝ち星に結び付けている。
こんなロッテの快進撃には球界内からも様々な考察の声が上がっている。現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者の高木豊氏は24日までに更新した自身のユーチューブチャンネルで現在のロッテの戦いぶりについて言及している。
週末3連戦の各球団の戦いぶりを振り返る企画の中で首位に浮上したロッテについて高木氏は好調な要因について「野手に関しても競争させている」と日替わりヒーローが出る背景に、首脳陣の柔軟な起用があることを指摘。「吉井監督やるな」と指揮官の起用法を評価した。
そんな好調なチームの心配な点に関しては「沢村が3連続四球を出して、中村のファインプレーでゲームセットになるわけだけど、ここらへんはちょっと心配だな」として、23日の試合で終盤もたついた沢村拓一の投球に注目する場面も。
6−2と4点差をつけた9回にマウンドに上がった沢村は二死まで追い込むも、3連続四球を与えるなど制球を乱し、二死満塁のピンチを招く。迎えたバッターは栗原陵矢。長打力も兼ね備えるバッター相手に一打同点の場面とあって緊張が走ったが、セカンドへの強烈な打球を中村奨が見事ダイビングキャッチでおさめ、試合終了となった。
巨人のドラフト1位ピッチャーでもあり、メジャーリーグ、レッドソックスにも在籍した沢村といえば、球威ある荒れ球が持ち味ともいえる。ときに安定感を欠く投球もあるため、現在、益田直也と共に日替わりで守護神を務める起用に関して、「今後不安な材料にはなっていく」と高木氏は話した。
一方、日替わり守護神に関しては投手出身の監督だけに「1人に負担をおわせるのではなく、2人で共有しようとしているのかな」と精神的負担も考えての起用かもしれないとした。
3年ぶりの日本球界復帰となる入団会見ではチーム、指揮官への信頼を熱く語り、ロッテファンを喜ばせた。今後も9回はハラハラ、ドキドキの「沢村劇場」が続くのか。帰ってきた剛腕の投球内容に今後も注目が集まりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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